・ホラー アクシデンタル 第8話「車輪の下」についての記事です
・「あらすじ」:話のストーリーをざっくりと書きます
・「私が思う話の内容」:話の真相、どのような意味が含まれているかを考えます
・「情想」:観ていて気づいたことや思ったことを話の流れに沿って書きます
・「タイトルの意味」:話の内容からタイトルの意味を考えます
主人公は女の子(ナミ)です。あいちゃんに似てる(笑)
あらすじ
主人公が帰宅途中でケータイをなくしてM男がそれを拾い、主人公のマンションの部屋まで尾行する。
主人公が家に帰ってからケータイをなくしたのに気づき、探す。
M男は主人公の部屋にこっそり侵入するために、ケータイを駐輪場に置いた。
主人公が家の固定電話からケータイに電話して場所を突き止め、ケータイを取りにいく。ささいなことだから施錠をせずに。
M男は固定電話からの着信履歴をなぜか知らないが消し、主人公がケータイを取りに行っている間に入れ違いで部屋に侵入。
部屋に戻ってしっかりと施錠した主人公にM男が笑みを浮かべながら襲いかかる。
終了――
私が思う話の内容
M男は主人公のケータイをおとりに使って部屋に侵入した。
主人公のささいなミス(主に三つある。後述)の積み重ねが、ついに一つの悲劇を生んだ。
しかしM男はばかである。着信履歴を消したということと、通話中に襲ったからだ。
情想
主人公は駐輪場の奥のほう(マンションの入り口の方角)から自転車を押して停めにきた。ここはよく覚えておいてほしい。
主人公のマフラー、巻き方は二重巻きといって、マフラーを正面から後ろにやって後ろで交差させて両端を前にもってくる巻き方に見える。
(最近、六本木のハリー・ポッター展に行ったときに、夏なのにグリフィンドールの赤いマフラーを買いまして、だから最近マフラーの巻き方にちょっと興味があるのです)
主人公のマフラーは二重巻きなのに前に垂れ下がる端がけっこう長いから、よほど長いマフラーなんだろうな。
最初に部屋に帰ったときに鍵を閉めるところをしっかり写している。これは主人公が普段はしっかり施錠をする人間だということを描写している。
つまり、結果的にささいなことだからということで施錠をしなかったことも悲劇の種石だということか。
一つのコンセントの元に三口あるのはめずらしくないか。
一人暮らしの若者が携帯持っているのに固定電話も設置してるってずいぶん家庭的だな。
携帯を探しているときのバックのごそごそ感すごいな。買い物袋に手を伸ばすときも肉食動物が獲物を捕まえるときみたい。
家の固定電話に自分の携帯電話を登録済みか。なぜ?
ケータイが落ちてある場所は駐輪場の手前。
タイトルは「車輪の下」だが、寛大にみても自転車の車輪の下に落ちてあるとは思えにくい。
それに主人公は最初駐輪場の奥の方角から来たのだから、駐輪場の手前にケータイが落ちているのはおかしい。主人公が落としたとは考えられない。
ケータイの着信履歴には、
00:28 由香 ①② 6″
00:07 天野先輩 ①② 4″
00:06 由香 ①
①は、ケータイがぶつぶつ言っているマーク
②は、ケータイに着信が入ってきている絵にペケが付いているマーク
①はどういう意味のマークか分からないけどそんなことはどうでもいい。
②のマークについて、
後の話で分かるけど、28分の由香からの着信にはM男が出たという事実が分かる。
なのでおそらく②のマークは“着信に対して応答した”というマークだと思われる。
②のマークは7分の天野先輩にもついているが、これは主人公が出たのかM男が出たのかは分からない。仮に主人公が出ていたとしたら、00:07~00:28の間にケータイをどこかで落としたことになる。
そして6分の由香の電話には出ていないのにその一分後の7分の天野先輩の電話には出ているということになる。
一番右の数字はなにを意味しているんだろう。通話時間か?
でも通話時間だとしたら今00:33なのに00:28から6分間電話していたというのはおかしい。数字の意味はよく分からない。
ちなみにこの数字は②のマークがある着信のみに対して必ずついている。
あとよく分からないのはM男がなぜわざわざ家からの着信履歴を消したのかというところ。
主人公が部屋に戻ってくるときに普通に玄関のドアを開けたところで、ケータイを取りに行ったときに施錠をしていなかったということが分かる。
主人公がケータイを取りに行く前の部屋と、部屋に戻って来たときの部屋に違いがある。
①戻ってきたときに、冷蔵庫の左手のほうのドアが閉まっている。M男が隠れているところ。
②リビングの白の扉が、戻って来たときのほうが若干よく開いている。
③クックパーが、戻って来たときのほうがよく傾いている。主人公は冷蔵庫を開けたが、クックパーは動かなかった。つまり誰かがクックパーを傾かした。乱暴に冷蔵庫を開けたみたいな。
他にも違うところがありそう・・・
おにぎりは昆布。
M男の名前の由来はここで分かります。頭がM字はげだからです。
しかしM男はこのあと逮捕されそうですね。
いきなり襲っても電話中だから叫び声を聞いた由香ちゃんが警察に通報して・・・みたいな結末を予想。
タイトルの意味
今回のタイトルは、「車輪の下」
どういう意味だろう。
①ケータイが落ちていたのが自転車の車輪の下と考えてみる
しかしどうも車輪の下というよりは車輪より少し離れたところに落ちているように見えるのが不可解なところ。
②”車輪”を人、”下”を足がつく地面つまり物事、そして車輪が回ることを慣習の概念と考えてみる
今回の要点は、私見ではいくつかある。
a ささいなことだからといっていつもしている事(施錠)を怠ったこと
b ケータイを落としたということ
c 着信履歴を見て00:28の由香からの着信に応答した履歴があるという所を見逃したこと
これらはM男に部屋に侵入されるという悲劇が起こる種石となった主要な事柄である。
例えば、これら三つの中でどれか一つでもその異変に気づいたり、または未然に防ぐことができていれば悲劇を招くことはなかったかもしれない。
この三つをみて、一見「どうしてこんなことに気づかないんだ」と思われるかもしれないが、それには人の心理を説明する必要がある。
私たちは、固定的行動と呼ばれる行動パターンをもっている。
それは規則的で、盲目的といえるほどに機械的な行動パターンである。
たとえば子どもは、親の行動を見て自分もそれをまね、学習していく。
こういう状況に対してはこういう行動をとる、という行動マニュアルのようなものが、成長するとともに知らず知らずのうちにたくさん形成されていくのだ。
広義にはアフォーダンスから食欲・性欲・睡眠欲などの不変本能にまで及ぶ。
この固定的行動には、その場でよく思考をすることがないという特徴がある。
毎回毎回一から考えていたらとても苦行なので、この特徴は自己を守っているともいえる。
しかし今日では、目に見えずともささいな違いがあったりするものが多い。
大抵はささいな違いなので脅威であることは少ないが、違いが突出したもの、いわゆる例外というものだが、こういったものに気づかずに固定的行動をとってしまうとたちまち脅威になりかねない。
そしてそういうものには大抵の場合、複数要素が絡み合っているから、気づこうとするには知恵が必要なのだ。
車輪がよく進むには、地面が平らでないといけない。
もし地面が凸凹だらけだったり、なにか障害があったとしたら車輪はなかなか進まず、時には転んでしまうこともある。
地面を物事とし、車輪が回ることを慣習(固定的行動)の概念とすると、
平らな地面というのは、慣習によって失敗する(転ぶ)ことがない普通的な物事ということであり、
凸凹の地面というのは、慣習によって失敗してしまう例外の物事ということである。
車輪は地面と切り離して進むことはできない。地面に依存しているのだ。
人と物事も同じ関係だと思う。
車輪がうまく回るようにコントロールするべきだ。
地面に依存しているのだから、地面をしっかり見て、転ばないように凸凹のときには速度を速めたり、平らなときには疲れないようにゆっくり回ったりする。
この意味を考えれば、さきほどの三つの事柄になぜ主人公は気づくことができなかったのかが分かるはずだ。
つまりこういうことです。
車輪の下とは、例外と慣習に気づくことが大切だということです。
車輪の下ってなんか灯台もと暗しみたいじゃない(笑)