ドクロゲキ

「ドクロゲキ」とは、それまで放送されていたオムニバスホラー「トリハダ」の後継番組であって、形式も、幽霊の出ない怖い話をオムニバス形式で放送するところは「トリハダ」を踏襲している。
・ここでは「ドクロゲキ」を観た感想を第三話まで書いています。
・参考:トリハダ〜夜ふかしのあなたにゾクッとする話を – Wikipedia

「ドクロゲキ」について

トリハダ形式には、オムニバスストーリーのほかに主話(メインストーリー)というのがあって、その主話とオムニバスをサンドイッチのようにしてかわるがわる進行するという特徴がある。

主話は時系列を中心にして、時系列どおりに話が進行していくタイプと、その逆、つまり結末を先に見せてからそうなるまでの経緯を時間をさかのぼっていく時系列遡りタイプの二種類がある。

今回のドクロゲキは、主話が時系列遡りタイプとなっている。

実は、「トリハダ」と「ドクロゲキ」の間にもうひとつ橋渡しが存在する。

それが「カクセイ」だ。

「カクセイ」は確か一回しか放送してなかった気がするけど、その一回を不覚にも私は見逃してしまったのだ。

いつしか再放送をやる日が来ることを切に所望してい(ry

閑話休題、今回は「ドクロゲキ」についてだった。

私のこの脱線癖は物心ついたときから口頭で会話するときにも直らず、友人には「あいつの話は最後まで聞いても何も収穫はない。喋りはじめたら序盤に遮り自分の流れに持っていくことが最善手だ」と噂されていたようだが、私に言わせればそんなことは日常における数多の杞憂の一つに過ぎず、他人がどうとあれこれ噂を育むことには私はちっとも気にしないのだ。そんなものは噛み終わったガムと一緒に公園のごみ箱にでも捨ててしまうべきなのだ。なぜなら私はみ(ry

さてさて、ではそろそろ「ドクロゲキ」に入ろう。

「ドクロゲキ」のサブタイトルは、「後味の悪いサスペンス」

ちなみに「トリハダ」は、「幽霊の出ない怖い話」

前述したとおり、主話は時系列遡りタイプで、したがって主話についての考察と感想はオムニバスが終わったあとの一番最後にまとめて走査していくことにする。

ではまずオムニバスを順繰りに逝こう。

各話ごとに【あらすじ】【考察】【感想】が盛り込まれている。

個人的な都合上、第一話~第三話までしか書いていないので、了承いただきたい。

『ドクロゲキ』

第1話[鮫島由紀恵]

あらすじ

漫画家の鮫島由紀恵は、翌日までに原稿の締め切りを守って欲しいと編集者に言われ、徹夜で作業する。

なんとか間に合い、翌朝にバイク便で原稿を届け終えたあと、ソファーで眠ることに・・・

午後二時を過ぎた頃、

突然隣の娘の声が聞こえ、由紀恵の家の玄関のドアを叩く。

「ママ開けて、ママ開けてよー」

眠い由紀恵は、隣でありここではないとソファーから言うが、聞こえてないのか、何度も同様の言葉をかけてくる。

たまらず、「うるさい!」と怒鳴ると、

辺りは静まりかえったが・・・

それから再び眠りに落ちた由紀恵だったが、数時間後、再び玄関がノックされる。

玄関のドアを開けると警察官が立っていて、

「おやすみでしたか?少しお話を伺ってもいいですか?」

と聞いてきた。

なんだろうと思いつつも外を覗くと、玄関の目の前に血だまりが・・・

「実は先ほどお隣りの娘さんが一人で外出中に交通事故に遭いましてね。気が動転していたのか、現場から逃げ出してしまったようで。我々が発見したときにはもう手遅れでして・・・」

考察

徹夜明けの仕事の為に寝ていた際、子供の異常を知らせる声が届かず、

逆に邪険に扱ってしまったことで後味の悪さを味わせる展開。

あのとき玄関のドアを開けていれば助かっていたのかもしれない、という”意味”だと思われる。

感想

まぁ状況としては由紀恵に責任は無いのだろうし、あの場面で玄関のドアを開けていたとしても助かったのかどうかは分からない。

ただ都会の人間関係の希薄さというか、余裕のない状況での人の行動心理が現れた格好で、ちょっぴり切ないものがある。

自分の判断によって人の生死を左右する、

いつかに始まった裁判員制度にかけているのかもしれない。

第2話[横山幾三]

あらすじ

横山幾三は余命宣告を受け、病院のベッドでいつでも亡くなりそうな状況だった。

幾三の妻がベッドのそばで付き添う中、

息子のタケヒロは妻と息子のショウタを連れて病室に飛んでくる。

幾三の妻が息子や孫が来た事を幾三に語ると、意識を取り戻す。

ショウタは危篤とは墓にはいる事なのかと問い、もう逢えなくなるなんて嫌だという。

ショウタが幼い頃、出張続きの息子タケヒロの代わりに幾三はショウタを預かっていたことがあり、その時よくパパ、パパと懐いていたという。

そんな幾三は亡くなりそうになると突然懺悔し始める。

それは、一度だけ不倫してしまった事があるという事だった。

続けて語った。

「たった一度、たった一度の過ちなのに、子供ができるとは」

息子タケヒロが「それで、産んだの?」と聞いた。

うなずく幾三。そして、

「タケヒロ。ほんとにすまん」

考察

余命幾ばくもない父親が亡くなる直前残した言葉は、

自分は不倫をして子供を作っていたとするもの。

昔、幾三の息子タケヒロが出張続きでショウタを幾三に預けていたとき、ショウタがパパ、パパとよくなついていたというのと、

不倫をして子供を作ったことを妻ではなく息子のタケヒロに謝ったという伏線から、

タケヒロが自分の子供だと思っていたショウタが実は嫁と父幾三との間に出来た子供だったというオチだろう。

実はこのオチに気づいたのは2回目のときで、最初観たときはタケヒロが不倫相手との間に出来た子供なんだと思った。

それで幾三が亡くなったことで、実母だと思っていた血のつながりのない母と息子を残して後味悪っ、ていうオチかと思っていた。

感想

予想をはるかに越える後味の悪さにビックリ!

自分の妻だけでなく息子さえも裏切っていた父幾三。

もし私が息子タケヒロだったら耐え切れない。離婚すると思う。

父も父だが、嫁も父と不倫して子供作ってそれをタケヒロとの子だというように隠していたのだから、許したくても許せられない。

第3話[村上哲也]

あらすじ

哲也は父親が住むアパートを訪ねる。

長いこと父とは疎遠になり、アパートのドアを叩くが父は出てこない。

植木鉢においてある鍵を偶然見つけた哲也はそれを使って中に入る。

「父さん?」

呼ぶが返事がない。

閉まっているガラスの引き戸の向こうには父の影がうごめいているのが分かる。

哲也は引き戸を開けようと手をかけるが、父は向こうからドアを押さえて決して開けようとしない。

哲也は母親の命日にもいけず、母親が亡くなったの機に父親が家を売り払い、寂しい街のボロアパートで一人暮らしさせている事に責任を感じていた。

現在やっと会社が軌道に乗ってきて、妻子にも恵まれたとして、父の顔が見たい事を告げ再びドアを開けようとした。

引き戸を開けた瞬間、哲也は金属バットで頭を殴られ、そのまま血を流して死んでしまった。

考察

部屋内には哲也の学生時代野球をやっていたときの写真があったりしたことから、この部屋は哲也の父の部屋で間違いなく、よって引き戸の向こうにいるのも父で間違いない。

問題はなぜ父が哲也を殺してしまったのか。

①前述の親子の関係から父が哲也に対して怨みをもっていた
②引き戸で区切られていたために息子だと気づかなかった

実際に観れば分かるが、正解は②だ。

①は、最後に、倒れた哲也を父が「哲也、哲也ー」と言いながら肩をゆすっていたので違う。間違って殺してしまった、つまり②ということになる。

そして息子だと気づかなかった理由となぜ父がそこまでしたのかの理由についてはいくつかの伏線があった。

①ラストシーンに、机上にある補聴器を映し出してフェードアウトしたところから、父親の耳が聞こえづらい状況にあったこと
②勝手に外に置いてある鍵を使って部屋の中に侵入したこと
③最近この界隈に強盗事件が多発していることを示唆するかのように、「強盗・不審者多発注意」の看板が計二回映し出されたこと

この三つの条件が重なり、ドアを開けた息子を間違えて殺してしまったと考えられる。

感想

この話が今回のオムニバスの中では一番オチが分かりやすかった。

それにしても哲也かわいそすぎ。

このあとのことも含めて後味悪すぎ。

――

以上、「ドクロゲキ」 第一話~第三話までの情想でした!


ホラー アクシデンタル等 目次

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