目次
エトムント・フッサール
私が影響を受けたフッサール、そのフッサールの言葉です
「意識は常に何かについての意識である」
フッサールは意識の静態的構造を考えた
「意識」が必ず対象(何か)を指し示すことを「志向的内在」を呼んだ
言い換えると「意識」とは例外なく「何かについての」意識であることを意味する
そこでは、デカルト的な心身二元論のように、「意識」がまず存在し、その後で対象が確認されるのではなく、「意識」と「対象」が常に相関関係にあるとされる
その上でフッサールが生涯の目標にしたのは、いかなる前提や先入観、形而上学的独断にも囚われずに現象そのものを把握して記述しようとした
フッサールが示した「志向的内在」が前期であり、そして中期では、あらゆる前提を取り払った純粋記述として自我の心理作用を記述しようとした
しかしそれでもなお意識を自我の心理作用として解釈する心理学的な「一つの解釈」を前提にしており、心理学主義との批判を受ける余地があった
そこで、フッサールは、そのような解釈も含めて全ての解釈を遮断する、個々の純粋現象の本質構造を明らかにする方法として「本質直感」が必要となるとするに至った
ここで例を
日常的に、私たちは、自分の存在、世界の存在を疑ったりはしない
私たちは、自分が「存在する」ことを知っているし、私の周りの世界もそこに存在していることを知っている
この自然的態度を以下の3点から特徴づけ批判する
・認識の対象の意味と存在を自明的としていること
・世界の存在の不断の確信と世界関心の枠組みを、暗黙の前提としていること
・世界関心への没入による、意識の本来的機能の自己忘却
このような態度の下では、人間は自らを「世界の中のひとつの存在者」として認識するにとどまり、世界と存在者自体の意味や起源を問題とすることができない
このような問題を扱うために、フッサールは世界関心を抑制し、対象に関するすべての判断や理論を禁止する(このような態度をエポケーという)ことで意識を純粋な理性機能として取り出す方法を提唱した
エポケーとは、原義において「停止、中止、中断」を意味する
エポケーは現実に対するあらゆる判断を留保することを意味する
もし真理が到達不可能なものだったり、到達しにくいものだったりするなら、判断を急ぎすぎるとかならず誤ることになるであろうからである
これによって治療者の幻想と無意識の世界をうまく航行できるようにするのである
エポケーをするなどして、最終的に航行したどり着いた意識を、「純粋意識」という
既に述べたとおり「意識」とは例外なく「何かについての」意識であり、志向性をもつ
したがって、純粋意識の純粋体験によって得られる純粋現象も志向的なものであり、このような志向的体験においては、意識の自我は、常に○○についての意識として、意識に与えられる感覚与件を何とかしてとらえようとする
フッサールは、ギリシア語で思考作用をさす「ノエシス」と、思考された対象をさす「ノエマ」という用語によって、意識の自我が感覚与件をとらえようとする動きを「ノエシス」、意識によって捉えられた限りの対象を「ノエマ」と呼んだ
フッサールの解釈はちと難しいのでそれを省いて考えると、ノエシスは思考作用、つまり思考を産生する元となる思考の因子である
ここでの問題は、真の学は普遍的な本質認識を求めるものであるが、そのためには純粋現象の本質構造を明らかにする方法が必要とされる
フッサールは、既に『論理学研究』において、感覚的直感を超える直感があることを論じているが、
本質的直感とは、知覚された個別の対象をモデルとして、それを超えて諸対象に共通の普遍的な本質を取り出して、「原本的に与える」直感とされる
そして後期――
後期思想の集大成とよぶべき著作が『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』であり、『デカルト的省察』にその思想的転換が認められるとされる
そこでは、超越論的現象学によって明らかにされた個々の純粋意識の志向的体験を超えて、それに先立って存在する「先所与性」が存在し、それが発生する起源まで遡らなければ世界構成を徹底的に明らかにすることはできないとされ、超越論的現象学の「生態的現象学」から「発生的現象学」への段階移行が説かれた
フッサールの示した「原事実」は、世界・私・他者の存在であり、これらは絡み合って大きな歴史的存在を形作っている。これを研究・解明するのが新しい形而上学であるとした
ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントとは、企業経営における管理領域のひとつ
人のもつ暗黙知を形式知に変換することにより、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法
組織によって創造される知識は集合知と呼ばれ、そのマネジメント手法に注目が集まっている
SECIモデル
「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す」ということを主眼に置いたナレッジマネジメントを実現する場合、そのフレームワークとして以下の4段階のプロセスが提示されている
このプロセスは、各段階の英語名称の頭文字をとって“SECI(セキ)プロセス”、あるいは単に“SECI(セキ)”と呼ばれる
知識とは「正当化された真なる信念」であり、個人と個人の相互作用、あるいは組織と組織の相互作用により、ダイナミックに変化・深化・進化していくものであるという考えの下に構築されている
・共同化とは、組織内の個人、または小グループでの暗黙知共有、およびそれを基にした新たな暗黙知の創造である
・表出化とは、各個人、小グループが有する暗黙知を形式知として洗い出すこと
・結合化とは、洗い出された形式知を組み合わせ、それを基に新たな知識を創造することである
・内面化とは、新たに創造された知識を組織に広め、新たな暗黙知として習得することである
リース取引
リースとは、リース会社が、企業などが選択した機械設備等を購入し、その企業に対してその物件を比較的長期にわたり賃貸する取引をいう
リース対象物件は中古・新品を問わないが、多くの場合新品物件をリース会社が借手企業の代わりに購入した後、貸し出す。物品の所有権はリース会社にあるが、企業は自社で購入した場合とほぼ同様にして物件を使用することができる為、日本を含め世界中で設備投資の手段として広く普及している
近代的リースは米国で発展し、現在では全世界で広く利用されている。市場規模は米国が最も大きく、次いで日本
リースはファイナンス・リース契約とオペレーティング・リース契約に大別される
ファイナンス・リース
文字通り設備機器導入を目的とした資金調達手段のひとつとして金融色が強い契約であり、ノン・キャンセラブル(解約不能)とフル・ペイアウト(物件から得られるすべての利益を得ると共に、物件に係るコストをすべて支払う)の2条件を満たすものをいう
リース契約では殆どの場合、物件を借りている企業がリース期間が終了する前に解約するとリース会社に違約金を支払う契約になっており、中途解約した場合でもリース終了まで借りるケースより総支払額が安くなることはない
この為、中途解約禁止条項がない場合でも、事実上途中解約が不可能であると見なされ、上述のとおりファイナンス・リースに分類されることとなる
金融色の強い契約である為、リース資産のオンバランス処理が求められている
オペレーティング・リース
リース期間終了後の残存価格を設定したり、中途解約が可能である等、賃貸借色が強い契約である
賃貸借色の強い契約である為、ファイナンス・リースと異なり、リース資産のオフバランス処理が認められている
当初契約のリース期間に達した場合には、元のリース設定額よりも廉価(一月分のリース料+α程度)で再リース契約を締結をすることにより、1年毎の更新が可能である。 また、借手企業が、借りていたリース物件を買い取ることができる契約もある
物件の所有者はリース会社であるため、物件所有によって生じる納税義務や減価償却費の計上、リース物件にかけられた保険料の支払はリース会社が行う
また、リース取引もリース会社にとっては銀行にとっての融資と同じである為、担保を取らないことが多い分より厳しい審査がある
リース料構成
リース料総額 = (物件取得価額 + 諸税 + 資金調達コスト + 保険料 + 手数料(リース会社利益、管理コスト)
オペレーティング・リースの中で、物件の残価設定を行うものはここから残価金額分をマイナスする
リース契約は金融色が強い契約であるが、銀行から融資を受ける場合と異なり、リース料は単純に金利で比較できない
これはリース会社によって動産総合保険のコストが異なるためで、金利が安いとしても必ずしもリース料が安くなるとは限らない
そこで、リース料水準の比較にはリース料率というものが利用されている。リース料率の算定式は以下のとおり
リース料率 = (月額リース料 ÷ 物件取得価額)
100万円の物件を月額リース料18,500円でリースした場合のリース料率は1.85%となる
リースのメリット
・費用の平準化が可能
・早期の費用化が可能
・購入時のキャッシュアウトを抑えられる
・一定条件下でオフバランス処理が可能
・事務省力化
・銀行の融資枠を温存できる
参考元:リース – Wikipedia
フレックスタイム制
フレックスタイム制とは、労働者自身が一定の定められた時間帯の中で、始業及び終業の時刻を決定することができる変形労働時間制の一つである
満18歳未満の者をフレックスタイム制により労働させることは、就業規則等の定めのいかんにかかわらず、できない
以下の事項を定めなければならない
・フレックスタイム制により労働させることができることとされる労働者の範囲
・清算期間(1ヵ月以内)及びその起算日
・清算期間における総労働時間
・標準となる1日の労働時間
・コアタイムを定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
・フレキシブルタイムに制限を設ける場合には、その時間帯の開始および終了の時刻
実際のフレックスタイム制では、1日の労働時間帯を、労働者が必ず労働しなければならない時間帯(コアタイム)と、労働者がその選択により労働することができる時間帯(フレキシブルタイム)とに分けて実施するのが一般的である
労働者が勤務時間をある程度自由にできるため、夜遅く仕事した日の次の日は遅めに出勤するなど、身体的な負担を減らすことができる。また、勤務時間をずらすことで、通勤ラッシュを避けることもできる
その一方、ずらすことが定常的になり常時遅刻状態に近くなることや、取引会社や他部門との連携を行なうときに時間の設定が難しくなるという問題点もある
他方では、昨今の痴漢冤罪被害へのリスクマネジメント策としては有効な手段の一つとして考えられており、都心部などに所在し駐車場を持たず、スタッフの多くが電車通勤をしている部署について、痴漢トラブルが多発するラッシュ時間帯の通勤を避ける形でのフレックスタイム制の利用を積極的に推奨している企業もある
ネズミ講
ネズミ講、またの名を無限連鎖講[むげんれんさこう]
金品を払う参加者が無限に増加するという前提において、二人以上の倍率で増加する下位会員から徴収した金品を、上位会員に分配することで、その上位会員が自らが払った金品を上回る配当を受けることを目的とした団体のことである
単純計算では、配当金額が出資金額よりも多くなるはずだが、実質的には無制限に下位会員が増えることはないため、出資金額を回収することは困難である
このような成長限界を「無限連鎖講の防止に関する法律」上では「破綻する」と表現される
商品説明などの際に両脇を会員や社員で固めて席を外し難い状態に置き、長時間引き止める。クーリングオフ制度に定められた説明を怠ったり、担当者の不在を理由に解約の応答を遅らせたりしたり、解約可能な期間が過ぎたので無効だと一方的に返金を拒否する
事実に反して「○個限り」や「最後の購入チャンス」などとし、射幸心を煽る。なお、マルチ商法にも同様の問題があるが、参加者の多くは縁故知人を頼って新規加入者を探す
しかし勧誘者が加入者を搾取すると云う点は避け難い構図であるため、得てして人間関係に悪影響を及ぼしかねず、最悪の場合に友人関係の喪失や信頼関係の崩壊といった惨事を招くこともある
どんなにメールと電話で聞いても絶対に仕事内容は会って話をするまでしないっていうマニュアルがあるところもある
QCサークル
QCサークルとは、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行う活動のことである。全社的品質管理活動の一環として自己啓発、相互啓発を行い、QC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行うものである
QCサークルの構成要素にQCストーリーがある
・原因に迫って対策を講じるタイプを「問題解決型」
・設計的なアプローチを「課題達成型」
・原因や対策が見えている場合を「施策実行型」(予防型)
問題解決型は、原因を明確にしなければ対策を検討・実施しない「原因確定型」と、原因を確定する前にある程度疑わしい数個の要因に対策を講じる「対策先行型」に分かれる。後者の場合は、対策を講じてから原因を確定する
課題達成型は、特性要因図に要因を溜め込んでから対策を立案する「溜め込み型」と、要因を見つけ次第に対策を講じていく「逐次対策型」があり、実務で広く活動手順として使われる。前者は各要因の水準の組合せを問題とし、溜め込んだ要因について重回帰分析や直交配列表で影響力を評価することが多く、後者は各独立の要因である場合に行うことが多い
モチベーション理論
モチベーション理論は、何が人をやる気にさせるのかについて説明する理論と、どのように動機づけられるかの理論に分かれる
前者を内容理論、後者をプロセス理論という
内容理論
マズローの欲求五階層説
個人の欲求は五階層から成っているとし、低次から順に、
生理的欲求
安全の欲求
所属・愛の欲求
自我・自尊の欲求
自己実現の欲求
特徴として、低次の欲求が満たされるとその欲求の重要さは減少し、次に満足されていない高次の欲求を満足させるように考えるということである
アルダファーのERG理論
マズローの理論を発展させ、高次の欲求が満たされなければ、低次の欲求が強くなると考えた
生存欲求
関係欲求
成長欲求
この理論では、複数の欲求が同時に機能すると考える
たとえば、仕事を通して精神的な成長が図れないと思えば、せめて会社の仲間と楽しくやることが仕事への動機づけになるということだ
ハースバーグの二要因理論
モチベーションに重要な要因を、
衛生要因(職場での給与・昇進・人間関係、管理、監督体制など)
動機づけ要因(仕事そのもののおもしろみ、責任、承認、達成への機会など)
の二つに分類されると考える
そして衛生要因の欲求は満たされても満足感を得ることはないと考える
つまり、従業員のやる気を高めるためには、動機づけ要因を増加させる工夫をすることが重要であるということだ
プロセス理論
期待理論
モチベーション=期待×誘意性
ここでの誘意性とは成果の誘意性のこと。それが望ましいものであるかないかの程度
・教育訓練、適性配置などにおいて「やればできる」という意識を与える
・達成した業績に応じた報酬を与え、「できれば、自分の望むものが得られる」という期待を与える
・魅力ある報酬をインセンティブとして与える。金銭的報償、社会的評価、自己実現の場の提供など
アダムスの公平理論
人は不公平であると感じると不快な感情を抱く
やったらやっただけの評価をすることが重要だということだ
自分が仕事のために投入したと感じるすべてのインプット(努力・時間・教育など)と、仕事から得られたと思うすべてのアウトカム(給料・ポジション・自己表現の機会など)の比率を他者の比率と同等にするよう心がける
ロックの目標設定理論
目標は「最善を尽くせ」などの漠然とした設定より、時々に設定する具体的で明確な目標のほうが効果的だと考える
また、困難な目標のほうが、低い目標よりも高いパフォーマンスを生み出す
【社員持株制度】
社員に株主としての自覚が芽生えることにより、職務満足やモチベーションが上がると考える
【自律性の重視】
モチベーションを上げるには、社員が開放的で強制されないことが重要であると考える
たとえば顧客データベースなどのその会社にとって重要なものに社員一人ひとりが自由に改変できるようにしたりする
また、職場には日本人だけでなくさまざまな国の人たちを入れることにより、顧客の多様なニーズを把握できたり、会社にとってもフレッシュでいい職場になりそうだ
アビリティ・ディベロップメント
人間のやる気のメカニズムについて
能力開発に必要な3つのスキル
自己の能力開発において必要とされる3つのスキルがある
“やる気”は能力を引き出すのに重要なものであるので、それを前提とする
①テクニカル・スキル
職員として、仕事を立派に遂行することのできる能力で、たとえば業務の知識、専門の知識、管理の知識など
②ヒューマン・スキル
対人関係や情意的な能力で、たとえばコミュニケーション、説得力、協調性、感受性、柔軟性など
③コンセプチュアル・スキル
思考する力や構想する力で、創造力、問題分析力、計画・統制力など
興味と能力
興味、すなわち”好き”という情意は能力を向上させるものだが、好きだからといって必ず能力が向上するというわけではない
なぜなら、仕事における「好き」というのは一般的興味の「好き」とは異なるからだ
・まず第一に、生活のためにそれをしなければならないという条件がある
・上司の指示のもとに遂行するということや、勤務条件などがある
・やはり仕事(生業)となると、自分がその仕事についた場合、成功するかどうかという、自己の能力・適性についての考慮が加わる
それでも好きなことを好きなこととして仕事にしている人はいて、それはすばらしいことだと思う
比較と能力
一般に人間は、自分の能力がどのくらいなのかを正確に知りたいという欲求をもっている
それはもちろん自分と同じような立場の人や職種の人を対象に比較しようとし、心理的安定と向上性指向が得られる
これはいいことだ
向上性指向の動因とは、より高い能力を身につけ、よりよい成績をとりたいという欲求である
また比較の特徴として、
自分の能力向上を確かめるためには少し上の人と比較しようとし、自分の能力に自信をもつためには少し下の人と比較しようとする
人間ってかわいい
読書と能力
読書は能力開発や自己知覚を高めるすばらしい代物である
また、読む物のジャンルも広く扱うことだ
速読ができればそれに越したことはない
ジョハリの窓
自己認知と自己啓発の理論である
図があれば分かりやすいんだけどないから、想像してほしい
四角い窓があり、真ん中を中心にそれぞれ4つに分けられている
全体の窓=私だとする
関数の軸のように考えてみて、左から、私に分かっている(左)、私に分かっていない(右)を横軸、
上から、他人に分かっている(上)、他人に分かっていない(下)を縦軸とみる
①左上,開放の領域・・・横軸で見ると「私に分かっている私」、縦軸で見ると「他人にわかっている私」という領域
②右上,盲点の領域・・・横軸で見れば「私にわかっていない」が、縦軸で見れば「他人にわかっている」という領域。私の盲点といえる。この領域を認めることは自己認知の一歩といえる
③左下,隠している(または隠れている)領域・・・横軸で見ると「私にわかっている」、縦軸で見ると、「他人にわかっていない」という領域。意図の有無に関わらず隠している私、プライベートな私といえる
④右下,未知の領域・・・横軸で見て「私にはわかっていない」、縦軸で見て「他人にはわかっていない」という領域。埋もれた過去の経験の蓄積やいまだ知られざる能力の発見が起こる原因の場といえる
①|②
―|―
③|④
またこう言う人もいる
「意識は、自分の脳が何をしているのかを知っているわけですが、知っている部分と知らない部分がある」
そこで、①③を「脳」、②を「自然」と考える
④は唯一無意識の範疇にあるのでそのどちらでもないと思う
ここから自己認知と自己啓発のプロセスを説明していこう
自己開示
私にはわかっているが、他人に隠しているか隠れている私についての情報を提供すること
相手に素直にあるがままを伝えることによって「隠れている領域(③)」が狭まり、「開放の領域(①)」が広がるのだ
フィードバック
「私にはわかっていない私」を他の人に知らせてもらうこと
つまり「盲点の領域(②)」を狭め、「開放の領域(①)」を広げるプロセス
この自己開示とフィードバックを行うと、「未知の領域(④)」にも変化が起こり、「開放の領域(①)」に出てくる
これこそが「発見の領域」であり、隠れていたものが顕在化したことになるのだ
このことは、自分のわかっている部分を増やしたことになる、つまり自己認知の一歩になり得るのだ
ゴールマンのEQ(EI)
直訳「情緒的(情動的)指数」、意訳して「心の知能指数」
知能の高さを示すIQに対しEQは、人生で成功できるかどうか、本当の意味で聡明な人間かを決める指数だといわれている
①感情の制御能力
②感情の理解と分析
③感情による思考の動機づけ
④感情の知覚・評価・表出能力
⑤自分自身の情動を知る能力
⑥感情を制御する能力
⑦自分を動機づける能力
⑧他人の感情を制御する能力
⑨人間関係をうまく処理する能力
これらの考え方の根幹にあるのは、⑤の「自分自身の情動を知る能力」である
つまり、自分自身の気持ちが分かっていて、それを自由にコントロールできれば、①~⑨を達成しているといえる
自分の情動を理解していないとたとえば、不安や怒りの情動認識と空腹の情動認識が混乱してしまうと、心理的ストレスが生じ、拒食症や過食症などの摂食障害を引き起こすことになる
この「自分自身の情動を知る能力」が、IQとEQの違いであるともいえる
EQを高める
ジョハリの窓などを使い自己チェックをする
率直で創造的な生き方を生む「EQモーニングノート」の作成
日々の生活の中でパッと思いついたことをノートに書きとめる
目的は素直さと創造性を生むこと、そしてノートを読み直すときに洞察力が備わる
意識的な沈黙
不意に激しい感情がこみあげてきたときなどに、あえて意識的に沈黙しようとすることで自分の感情のコントロール、ペースを守ることを目的とする
静かな空間の発生
直観力を高めるには心の目で見ることが大切で、そのためには静かな空間が必要になる
たとえば会話をしているとき、何かを話した後に意識的に口をつぐむくせをつけるのだ
会話は冷静にゆったりと余裕をもって行ってみる
映画の会話やアスリートのインタビューのときの話し方などを真似てみる
のほほんと適当に会話をするのではなく、頭の中でめまぐるしく考えながら言葉を選び出し、反応を楽しむ。ただし感情は隠さず、感情的にならずに感情の波を小さく抑えるようにしてみる
特に集中して意識すべきところは、反論・批判などをされたときだ
分かっていなくてはいけない。反論や批判には必ず理由があることを
これが「不満を建設的に活かす」ということなのだ(私はこの言葉が好きだ)
目的は直観力向上とコミュニケーション能力の向上、そして不測の事態に直面したときに堕落せず冷静に対応する意識
アインシュタインの「心の回復法」
仕事に情熱的に取り組むには、仕事以外で情熱をそそぐことが、気分をきりかえる能力を高める大切な要素と考える
目的は心の回復、転換力
ゆううつの連鎖
人間は、緊張して疲れていれば、問題や障害が実際以上に大きく見えるだけでなく、他の人の暗い気分の影響まで受けやすくなってしまう
またこの状態は周囲にも伝染しやすいのだ
この伝染を「ゆううつの連鎖」という
これを理解しておくことが大事だ
養老孟司のものの見方について
①機械論
人体を見る場合は、人体を機械として見る
それ以外のものを見る場合は、人間の意識の顕在としてみる
たとえば、橋は人体の骨格と同じ構造をしている
ピアノはどうやって生まれたか。誰がピアノという楽器を作ることができたのか
われわれのつくりだすものというのは、じつはわれわれの身体を無意識に外に出しているという考え方だ
②機能論
ものを働きの観点から見る
「目玉はなんのためにあるか」――「ものを見るためです」
「鼻はなんのためにあるか」――「においを嗅ぐためにあります」
「ここに飾ってある絵はなんのためにあるのですか」――「・・・」
機能論というのは、ある枠組みの中だけで成立するのが前提であって、その枠組みがなければ機能論で説明することができないという特徴がある
③個体発生的観点(歴史的観点)
「それはどうゆうふうにしてできてきたか」という見方
これらの観点はそれぞれ独立しているので、それぞれに別々の説明ができる
マネジメント・バイアウト
マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣買収)は、会社の経営陣が株主より自社の株式を譲り受けたり、あるいは会社の事業部門のトップが当該事業部門の事業譲渡を受けたりすることで、文字通りのオーナー経営者として独立する行為のこと
会社の経営陣は、会社のオーナーから会社の経営を委託された者であって、必ずしも会社のオーナーである株主などの出資者とは一致しないことから、経営陣による買収が取り上げられる余地がある
他者による当該会社の買収への対応策としてとられることもあれば、いわゆる「雇われ社長」などとして会社の経営に参画したものが、当該会社を自己の所有とするためになされる場合もある
多くの場合は会社の商号や屋号等もそのまま引き継ぐため、日本においてはいわゆる「のれん分け」になぞらえられることが多い
なお、経営陣ではなく従業員が株式を譲り受けるような場合をEBO、経営陣と従業員が共同で株式を譲り受ける場合をMEBO、買収後に経営陣を外部から招聘するLBOのことをMBIという
MBOのパターン
・関係会社の独立
企業グループの中のある会社が、グループの経営戦略・経営方針の変更によって、グループから分離することになったときMBOの手法が用いられることがある
・非公開会社化
最近、上場企業について、機関投資家等に対するIRコストの高騰、さらには敵対的買収からの究極的回避策として、経営陣がMBOにより市場の株式を買い集め、上場を廃止し非公開(譲渡制限)とするケースも見られる
上場企業という価値を捨てることは、不合理なようであるが、被買収リスクから解放される、株価動向や、機関投資家の買い付けや放出、株主の意向に一喜一憂しなくて済むなどのメリットがあり、経営陣自身を含めて資金が豊富なため、市場から資金を調達したり、知名度を向上したりする必要性の少ない企業にとっては一つの選択肢といえる
MBOのメリット
・現経営陣が大株主になることから、これまでの経営方針や雇用方針が継続される
・雇われ経営者から(集団ではあるが)オーナー経営者となることによって経営への責任感が一層高まる
・上場を廃止することで、被買収のリスクを回避し、短期的な市場の声に惑わされることなく、中長期的な経営戦略が保てる(=経営の自由度が高まる)
・上場をしていない企業は、特にIRや情報開示をする必要性がないため、企業秘密を保持したまま機敏な企業経営が可能となる
・後継者難のオーナー企業の創業者が、自分の意思を継いでくれる幹部に事業を譲渡することもできる
・親企業にとって、売却資金を本業の建て直しに充当することができる
MBOのデメリット
・中長期的にみた場合、上場を廃止することで市場からの資金調達の道を閉ざすことになり、資金調達の選択肢が狭くなる
・元の企業グループを離脱した場合、グループ内取引の解消により、売上が減少する恐れがある
・グループから外れることによって知名度が低下する懸念がある
・株式公開買付の場合、経営陣が買収側に立つことから、買付価格が恣意的に低く設定される可能性もあり、株主の権利を侵害することになる
・非上場化することで、経営に対する監視機能が低下する懸念がある