・ホラー アクシデンタル 第7話「存在の耐えられない軽さ」についての記事です
・「私が思う話の内容」:話の真相、どのような意味が含まれているかを考えます
・「情想」:観ていて気づいたことや思ったことを話の流れに沿って書きます
・「タイトルの意味」:話の内容からタイトルの意味を考えます
あらすじは省きます。
主人公はデリヘル嬢の女の子です。
私が思う話の内容
運転手をばかにしていた主人公が顧客にばかにされるという、主人公のカタルシスを皮肉った話。
情想
「いい年こいて、恥ずかしいと思わないわけ? もっとマシな仕事あんでしょ?」
「調子乗んなよ、クズ」
主人公は運転手にこう言っているが、これは主人公にもそのまま当てはまると思う。
車は横浜ナンバー。
アパートの家の表札、アングル的にもすっごい見にくかったけど、実はあのシーン、表札を含めた玄関のシーンのフォーカスが二度ある。
一度目はもちろんぼやけたところからの最初のフォーカスで、それが一瞬で終わる。
かといってフォーカスがずれてぼやけるわけではなくて、直後に再フォーカスをしているのが分かる。これが二度目のフォーカス。
この二度目のフォーカスが主となる安定的なフォーカスであるが、このフォーカスでは私は表札を判読できない。
しかし一瞬だけ映る一度目のフォーカスは主でないにもかかわらず二度目のフォーカスより精度がよく、鮮明であるように思う。もちろんこれは表札についてのみ言うことで、他の所に関しては言及できない。
一度目のフォーカスで見たところ、おそらく「吉田」だと思う。あの顧客ね。
ドアノブに付いていた白い粘着物はなんだろう。そしてなんのための演出なんだあれは。
主人公の横顔、岡本玲に似てる。
7-11のレジ袋発見。
「こっち来いよ。クズ」のあとのドアノブがきゅんってなるところがなんかかわいい。
ピアノ曲よく合ってるなあ。
タイトルの意味
今回のタイトルは、「存在の耐えられない軽さ」
このタイトルの映画があるみたいで、その映画は反戦映画だそうだ。
同じ意味になるようにして言葉をいれかえると、「耐えられない軽さ、存在の」
存在が耐えられないほど軽い。
では存在とは何か。
①自分にとっての他人の存在価値
自分は自分のことを他人よりかはよく知っているつもりでいる。
もちろん自分自身のことで知らないこともたくさんあるけど、他人が知る自分よりは自己知覚は大きいはずだ。
人々は皆それぞれ、他人より自分の存在のほうがはるかに価値があり、尊大だと思っている。
家族間や恋人間では一様にそうであるとはいえないが、少なくとも親友を除く友人他多数の他人に対してはこのような矜持がある。
今回はその体現だと思う。自分にとったら他人の存在価値など軽いものだ。
②カタルシスに用いられる他人
①の派生。
カタルシスとは、代償行為によって得られる満足。
代償行為とは、ある欲求を置き換えて代償的に欲求を満たすこと。つまり、直接に欲求を解消できない時、別の何かでその欲求を満たそうとすること。
主人公のカタルシスを考えてみよう。
主人公の欲求とは、自分のやりたくないことをしなければならないことに対して発生するストレスや不満の解消。(⇒解消されなければ欲求不満の状態が続く)
やりたくないこととは、このデリヘルの仕事でしょう。
ではどのようにストレスを解消し、そして満足を得るか。
そこで主人公は、他人それも社会的低級地位に属する”弱い他人”に罵詈雑言を浴びせるという行動をとった。
しかしそうしたところでストレスがなくなるわけではない。
吉田さんが言った「早く脱げよ、クズ」
これを言われたことによって主人公は、他人からみれば自分も他人であり、他人からしたら自分の存在も軽いのだ、ということに気づいたのだろう。
およそ、人々の意識というのは、主観と客観に分けられるものではない。
客観の本質は主観である。
コメント
最後のほうでドライバーが震える携帯を無視しつつちょっとニヤッとしながら上を見てたのもカタルシスなのでしょうか
by 匿名 2019年10月5日 20:53
劇中で「お前ら(ドライバー)の時給 どこから出てると思ってんだよ!?」
というセリフがありますけど、あれは当然
「利用客がコンパニオンに支払うお金」から出てますよね!
まあーカンチガイしてますよね、かでなれおんさんが演じる性悪女は!
by GG 2017年10月10日 14:18
GGさん、コメントありがとうございます。
そうですよね、本当にたちの悪い性悪女ですね。自分に対しての虚無感があって、やるせない気持ちを募らせている。その気持ちのやり場を、弱者の他人(ドライバー)を罵倒することで解消しようとしている。そこには正当性のかけらもないですよね。
Myus
by Myus 2017年10月11日 09:54