20才・夏途中からBテキストは手帳に書くのをやめた。ここで記すのは手帳に書かれていない●6のBテキストとなる
20才・夏
・命令されたこと以外ははっきりと禁止するのではなく、権限を委ねるべきだ。
・部下に対して上司はあくまで「力添え」をするのが望ましい。責任を持たせ、部下が目標を見つけられるように力添えすることが大切なのだ。
・就業後に仲間に任意の補習の時間を設ける。もちろんお金は発生する。仲間が出来ないのは上司のせいなのだから。
・三人の石切り職人に「何をしているのか」と尋ねたという逸話がある。ひとり目は、「生活の糧を稼いでいる」と答えた。ふたり目は、仕事の手を休めずに「この国で最高の石切り職人としての仕事をしている」と言う。三人目は、顔を上げると、希望で顔を輝かせながら、「大聖堂をつくっているのです」と述べた。この三人目こそが真のマネジャーである。ひとり目は、自分が仕事に何を求めているかを心得ており、実際にそれを手に入れている。そしてプロフェッショナルは、「成果をあげている」と思い違いをしてしまう危険が絶えずある。そして一番大事なのは努力なのだ。
・「MBOが果たす最大の貢献は、支配によるマネジメントに代えて、自己管理によるマネジメントを可能にすることである」
・「脅しによるマネジメント」が行われると、人々は求められている仕事をこなそうとして、本来業務をないがしろにするか、水面下で結託して上からの求めを無視し、本来業務をこなすか、どちらかである。
・上司と部下は、お互いによく知ることが欠かせない。部下には「仲間の手紙」というものを上司に出させる。手紙には、上司と自分の職務上の目標を、自分なりの理解に従ってしたためる。次に、自分に課せられた業績基準を書く。つづいて、目標を達成するためになすべき事柄を列挙する。併せて、部門内の主な障壁も書き出す。上司や会社の行いのなかから、自分の助けになっていることがら、足を引っ張っていることがらを、それぞれ挙げる。最後に、目標を達成するために、次年度は何を実行するかを提案する。手紙は会社と上司からの要求の食い違いを浮き彫りにする。
・とにかく人数を絞ったほうがよい。まずは「何を本当になすべきか」を自問自答しなくてはいけない。次に、「もはや必要がなく、縮小あるいは廃止すべきものは何か」という問いもやはり重要である。組織にも「体重管理」が欠かせないのである。
・〈経営トップ層が仲間に言うべきこと〉
「私の側では特に話し合いのテーマは持ち合わせていない。こちらから伝えたいこともない。今日こうして集まってもらったのは、君たちの意見に耳を傾けるためだ。私たち経営トップは君たちの仕事について、何を知っておくべきか?君たちの仕事の生産性を最大限に引き出すためには、私たちはどうすればいいか?これらの点について、ぜひ考えを聞かせてほしい。これは君らの仕事でもある。この会社のどういった点に課題や機会があるか、経営トップのどのような行いが君たちの仕事を助けているか、あるいは妨げているかについても、意見を出してほしい。私がこだわるのは、ただ一点、君たちには宿題をこなしてほしい、私たちに情報を提供したり、啓発したりすることを自分の責任として真剣に受け止めてほしい、ということだけだ」
★・「組織の目的は、平凡な人材から非凡な成果を引き出すことである」
・常にぱっとしない成果、ほどほどの成果しかあげない人材は、今の職から外すべきである。成果は平均打率のようなものだ。本当は、優れた人材ほど新しい取り組みをするため、失敗も多くなるのだ。
・部下ができないのは上司のせいだ。マネジメントを見直さなければならない。一人一人に合ったマネジメントを。
・「問題点よりも機会を重視するように、日ごろから組織を方向づけしておくと、成果への意欲は高まるだろう。結果を出せる分野、つまり事業機会に組織のエネルギーが向かっていれば、人々は仕事に心躍らせ、挑戦意欲をみなぎらせ、達成感を得るだろう。言うまでもなく、問題があるのにそれを無視するわけにはいかない。だが、問題にばかり気を取られていては、守りの組織だと言わざるを得ない」
・「部下たちの強みではなく弱みばかりに着目するような人物は、決してマネジャーの地位に就けるべきではない。また、『何が正しいか』よりも『誰が正しいか』により大きな関心を持つ人物も、マネジャーの地位に就けるべきではない」
・〈意思決定アプローチの基本〉
(1) 何について判断するのかを決めることに重点をおく。躍起になって答えを出そうとするのではなく、問いの定義に力を注ぐのだ。
(2) 対立するいくつもの意見を議論の俎上[そじょう]にのせる。
(3) 「正しい解」よりもむしろ、選択肢を探り出すことに焦点を当てる。このプロセスをとおして、どの組織階層の誰が意思決定を下すべきかが明確になる。つまり、解決策ではなく選択肢を示す。
・「意思決定のプロセスは、事実の探求から始まるわけではない。出発点はあくまでも意見である。意見から出発して悪いことは何もない」
・「利益を生み出せるのは、顧客だけである」
・「常に100%で続けるのは大変なことだ。でも1%でもいいから続けていけば、何か形になっていくはずだ。細々とでもいいから、続けるということが大事なのではないかと思う」
・「客が欲しいものを作るのではなく、自分が欲しいものを作る」
・管理手段は以下の七つの条件を満たす必要がある。
(1) 少ない費用ですむ
管理手段を検討したり利用したりする際に、まず「管理をするのに必要な最小限の情報は何か」と自問する必要がある。
(2) 有意義である
(3) 的を射ている
(4) 適合性がある
(5) タイムリーである
子どもにラディッシュを育てさせると、成長をじっと待つことができず、葉が出はじめるとすぐに土から引き抜いて、根が膨らんでいるかどうか確かめようとする。これなどは、リアルタイム管理の間違った適用例である。
(6) 簡潔である
(7) 業務に根ざしている
・何でも、報告は直属の上司に最初にする。
・〈辞めてほしい人には〉
→仕事には向き不向きがあるから、ここじゃもったいない。他でもっと自分を活かせるところがある。これを経験だと思って。
★・考えるべきものは、金槌そのものと、そのうち方使い方と、うつ相手の性質と、行為の影響力について。
・〈企業の基本公理〉
(1) 企業が生み出すのはモノでもアイデアでもなく、人間が決めた理念である。機械はたとえどれほど見事に設計されていても、顧客に効用をもたらさないなら金属のくずと変わらない。
(2) 経済活動を行うためには、手元の経営資源を不確実性の高い未知の将来にかけざるを得ない。つまり、事実ではなく期待に賭けるのである。したがってリスクはきわめて重要であり、リスクを生んだり、負ったりすることが、企業の基本的な役割である。
・リスクを最小限に抑えたり、リスクを取り除くのは無意味な試みである。硬直性という新たなリスクを抱え込む結果になるだろう。正しいリスクを取れるように導くことが大切だ。むしろより大きなリスクを取れるようにするのだ。
・費やした時間を評価尺度にするのか、それとも成果を評価尺度にするのか。これは努力と成果についても言っている。
・〈企業マネジメント〉
[業務運営と人材マネジメント]
業務運営
(1) 商品
(2) マーケティング(売り方)
(3) イノベーション
人材マネジメント(経営の舵取り)
(1) 組織の売り方の仕組み
(2) 組織の育成、モチベーション(報償形態など)
[必要な要素]
(1) 明快さ
詳しい説明書がないと自分の所属、位置づけ、目指すべき場所などが分からないようでは、摩擦、時間の浪費、争いやフラストレーション、判断の遅れなどを招く。
(2) 経済性
組織管理、人事上の問題などには少数精鋭のメンバーに任せるのが望ましい。どのような組織でも、良好な状態を保つためには、内部の事柄にある程度の精力を傾ける必要がある。そのための労力は少なければ少ないほど、結果を出すための活動により多くの労力を割け、組織の経済性を高めることができる。
(3) ビジョンの方向性
すべての活動は業績をあげるために行われる。努力を重視し、結果、手腕、目的を軽んじるようではいけない。
(4) 個と全体の務めを理解する
全体の務めを誰もが理解できるように作らなくてはいけない。自分の務めが全体の成果にどう結びつくか、分かっていなければいけない。
(5) ボトムアップの意思決定
(6) 安定性と適応性
ただし安定性と硬直性は異なる。むしろ組織のつくりは適応性に富んでいるべきである。あまりに硬直的だと、その組織は安定せず脆くなる。新しい状況や要求、新しい顔ぶれや人柄に適応できてこそ、存続していけるのだ。このため適応性が強く求められる。
(7) 永続性と自己革新
・「いきなり組織のつくりを決めようとしてはいけない。それは仕上げのステップだ。最初のステップは、組織の構成要素、つまり全体の重さを支えるために組織に取り込むべき活動が何であるか、見きわめることである」
・組織を設計するにあたってはまず、次のような問いと向き合う必要がある。
(1) 全社目標を達成するためには、どの分野で卓越性が求められるか。
(2) どの分野での成果が乏しいと、会社にとって大きなダメージになるか。
(3) 当社にとってかけがえのない価値は何か。
・「しゃぶしゃぶ温野菜」というお店は、〆のデザート提供のときに今までの全ての器を片付けてからデザートと一緒にお店への要望アンケートをお客に差し出す。要望アンケートの回答率が高くなるのは言うまでもない。
・製品には安全性も考慮すべきだ。事故は信用問題に関わる。
★・「当社の事業は何か、何を事業にすべきか」
・ひとりひとりの疑問やアイデアに耳を傾け、尊重し、深く検討し、理解し、解決しなくてはならない。
・「組織形態は概念モデルと実地の検証、両方をもとに決めなくてはならない。さもないと道を誤ることになる」
・イノベーションを推進する部門と経営層にチーム組織を取り入れ、それ以外には規模・効用・目的に応じて職能別組織、連邦分権制、擬似分権制などを取り入れる。
・「組織はそれ自体が目的ではなく、あくまでも手段にすぎない。組織が健全であるためには、骨組みがしっかりしていることが欠かせないが、それは健全性とは別である。事業が健全であるかどうかは、組織の美しさ、明快さ、完璧さで決まるのではない。それを決めるのは、人々の成果である」
・経営層には他のどのマネジメント組織とも異なる特有の組織形態が求められる。その組織の役割とは、経営層に情報、アイデアの素、励みなどを与えるためである。
(例) ドイツ銀行の経営者 ゲオルク・ジーメンスは、経営層に少人数の専門スタッフ部門(秘書室,事業調査室)を設け、(1)各経営メンバーの活動や意思決定内容を、経営チームの全員に小まめに伝える、(2)銀行全体の将来を考える、(3)主な投資先、取引先、関係先と密接に交流する、という三つの役割を負わせた。
・〈経営層の構成〉
(1) まずは経営層の職務を分析しなくてはいけない。
(2) 経営層の職務はどれも、誰かひとりに明確に割り当て、その人物に最終責任を負わせなくてはいけない。(自立的事業部,連邦分権制)
(3) 経営チームを設け、各メンバーの性格や資質に合わせて責任を割り振る。
(4) 経営活動に責任を負う者は、肩書きがどうであれ実質的には「経営層の一員」である。
(5) 経営トップとしての責任を負う者は、原則としてそれ以外の仕事をしてはならない。ただし事業がシンプルで規模が小さい場合は例外。
(6) 複雑な企業は、いくつもの経営チームを設け、そのそれぞれに上記のルールを当てはめる必要がある。
(7) 「経営層が判断を下すうえでは、どのような情報が必要か」を折りに触れて自問するべきだ。
・経営層が高い成果をあげるには、自分たちの職務を重んじ、その本質と責任のありかをはっきりと理解しておくことと、まず何よりお互いのコミュニケーションや経営トップへの情報伝達が欠かせない。
・取締役会には、ふたつの役割が求められる。ひとつは経営層に目を光らせ、相談相手にもなる、お目付け役、良心、助言者としての役割だ。これには、経営層が成果をあげられなかったり、後任を探さなくてはいけなかったりした場合のよりどころ、つまり停電が起きた場合の待機システムのような役割も含まれる。もうひとつは、企業、特に大企業と世の中の橋渡しをする広報役である。
・「取締役会に実効を持たせ、経営層の職務を明確にすべきだ」
・取締役会が実効をあげるためにはまず、経営層の役割、取締役会の役割と仕事などを、慎重に見きわめなくてはならない。取締役会の目標と活動プランも求められる。取締役会が実効をあげるためには、明快な目標に沿って具体的な役割を果たすほかないだろう。
・商品開発・マーケティングの人材を気軽に応募できるアルバイト募集などにしたらどうか。埋もれている人材が発掘できるかもしれない。年功序列より成果を重視する人事を考えるべきではないだろうか。
・水道の配管からの悪臭を消すために、配管をN型の形状にし水を溜めるというアイデアがある。悪臭を消すために水を考え、そしてその水をどう使うか。アイデアを思いつくプロセスにおいても学ぶことがある。
・イノベーションとは新しい発想を生み出すものだけではない。いかに当たり前のことに気がつけるか、いかに当たり前のことを考えぬけるかが大事だと思う。例えば洗面台を例にあげよう。下には配管がN型になっている。そこで終わりではなく、なぜN型になっているのか疑問を持つことが、新たな発見の思考因子となる。
・強い相手と戦ったら批判が多くて、弱い相手と戦ったら誉めることが多い。自分は同じ実力なのに、相手によって左右されるのは悔しくないか。
・大事なのは、見極めることで、分類することだと思う。成功しても、自分のことだけ考えるのではない。失敗した相手もよく見て、なにが失敗を招いたのか、なにが原因で負けたのかを考えることも同じくらい価値がある。
・「終わった後に、結果がどうであれ、必ず振り返る時間を作ってあげること」
・会計の後に添える一言「お客様がもし靴の手入れの仕方がわからないなどの疑問がございましたら、いつでもご連絡くださいね」
・小林一三は1907年阪急電鉄を設立した。やがて小林は不動産会社を設立した。沿線に通勤客向けの住宅地を開発し、それ自体をビジネスにするとともに、阪急電鉄の乗客を増やそうという狙いからである。このタイプの企業は、異なる市場で活動するいくつもの事業から成り立ち、それらが互いに依存し合っている。
・問題を解決するのではなく、判断を下すことをしないと決して企業は繁栄しない。
・「仕事を作業にしない。仕事はどこまでも追求してかなくちゃ」
・同好サークルならば、自由な発想と個性の発揮だけでいいでしょう。しかし、目的をもった集団(会社)であれば、常に集団のベクトルをそろえておかなければ、大きな力を発揮し続けることはできない。ベクトルをそろえるとは、考え方を共有していこうということである。
・素晴らしい奉仕の精神でお客様に提供することで、信用は得られるが、売る側に徳性や人徳があるとすると、それは信用を超えて、お客様から尊敬されるという状態になる。お客様から信用されるならば、価格の問題などで買う買わないという話にはならない。無条件に買っていただけるはずである。
・劇団では、役者がいてスタッフがいることでひとつの劇が成り立つ。役割は違うが、みんな平等だ。しかし、平等だからと主役に黒子の衣装を着せても劇にはならず、役割に基づいて、主役はいい衣装を着て、いい格好をするだけのことである。会社も同じ。社長であるのも役割であり、社長だからといって、自分の勝手なご都合主義を通すというのは、役割を特権と勘違いしているだけだ。
・何かをしようとする場合、自問自答して、善悪を判断する。新しい事業を展開する場合に、プロセスに。動機が善であり、実行過程が善であれば、結果は問うまでもない、必ず成功する。
・問題が発生した場合は、なぜその問題が起こったのかという、原点に戻らなければ解決は難しい。ひもがもつれた状態のまま解こうとするのは大変だ。
・少しばかりトライして退くようでは、何をやっても成果をあげることはできない。撤退の決断をするのも大事だが、根の限り戦うことが、まずは前提ではないか。
・いくら能力主義といっても、同じ会社の同僚とは競争するより協力したほうが良い結果を生み出せるはずだ。お互いが切磋琢磨できるような良い競争ならいいが、互いを蹴落とすような悪い競争は会社に害を与えるだけだと思う。
・例えばスーパーでは値段の安さが集客の多さを握っているといえる。しかし全部の商品を安くするのは大変なので、どこにでも置いてあるような超メジャーな商品のみに限定して他店より安くするようにすれば、それを目当てに必ず客は入ってくるため、ついでにということで他の商品の売れ行きも上がるのではないだろうか。
・会議は狭い部屋の円形テーブルで行おう。そのほうが誰に対しても対等な発言が出やすくなる。男性グループの狭い部屋での会議は、お互い攻撃性・競争心高まるので白熱した議論が望める。
・〈応接室の作り方〉
「シンプルが一番いい」とばかりに、応接室に何も飾りがないことがあるが、これでは相手は緊張してしまいうまく話ができない。第一に目のやり場に困る。相手と話をしていても、ずっと視線を合わせているわけにはいかないので視線を外すのだが、その目をもっていく先がない。まずは目を休めることができるものを置くことだ。絵でも、花瓶などでもよい。視線をそこにもっていっても不自然ではない何かを置くこと。これだけで居心地は大きく変わる。さらに親密度を増すには、部屋の真ん中にデスクやテーブルを置かないことである。デスクやテーブルというのは、心理的な壁をつくってしまう。たとえば応接室のテーブルを片づけてみるとよい。代わりに、ごく小さなテーブルをそれぞれの椅子の脇に置く。これなら、自分と相手との空間に、互いを心理的に隔てるようなものはなくなる。しかし、テーブルなどの心理的壁を取っ払ってしまうことで人見知りの人は逆に警戒心が強くなりよけいに緊張してしまう場合もある。相手の性格やケースによって適切に変えることが望ましい。
・商品を配達されたときに配送元から配達業者に対して、「お客様の大切な商品です。お取り扱いには十分お気を付け下さい」と書かれている。顧客は配送元に対して好意を抱く。
20才・秋
・社長のような身分の高い人ほど傲慢になってはいけない。ある社長は新入社員に「きみ、どう思う?」と意見を伺うクセがある。その社員は認められるのを通り越して、感動すらするという。
・聞き合いをすればどんなメリットがあるか。一つは、相手の話を聞くことによって、自分が勉強になる点。よってお互いが成長できる。第二に、聞くことによって相手の人間性がわかる。これによって信頼関係が生まれる。第三に、聞き合うことによって分からなかったことがクリアになる。自分では十分問題を把握していたと思っても、相手に「その点はどうなの?」と突っ込まれて、思わぬ盲点が見つかるケースは多い。
・豊臣秀吉は、織田信長に仕えていた時期、城攻めを行って、勝敗は決まったという段階になってから、あえて信長の出陣を要請した。もう仕事が決まりかけて、あとは自動的にまとめるという段階になったとき、あえて上司に出馬を仰ぐ部下は賢いといえる。
・やる気にさせたいならフィードバックをすること。仕事によって自ら得たものを好きなように使わせることでモチベーションを上げる。
・「社外からの人材は原則として、従来の仕事、それも企画段階をほぼ終えた実行段階の仕事に充てるべきである」
・「事業規模を改めるために事業を刷新しようとするなら、「どの戦略が効果をあげそうか」だけではなく、「成功すればそれで答えになるのか」「いずれは状況がさらに悪くならないだろうか」「他社との差別化は長くつづくだろうか」と自問自答すべきである」
・人は「育つ環境」をつくれば自然に育つ。
・野球の監督が新人選手のすべてを矯正していったら、どんな選手ができ上がるか。監督が思ったとおりの選手しかできない。「君はどうしたいんだ?」「きみはどういうことがやりたいんだ?」と問い、そして「それならばやってみろ」と言う。積極的にチャレンジできる空気が生まれれば人は伸びる。
・「靴がほしい」という顧客の願望は、靴そのものではない。「社会人になる。だからふさわしい靴が必要だ」というような関心の本質が顧客の願望である。
・最悪の場合をつねに頭の中に入れておくこと。最悪の場合にでも対応できるということは、それだけ選択肢の幅が広がるということである。
・電話でも何でも、相手に「今時間は大丈夫か」と聞いてから話を始める。当たり前のマナーだと思う。
・会う前から期待、つまり印象を強く付けておくというのは重要なこと。会う前から期待感を与えておくと交渉しやすい。例えばある人は、アポをとるときに「では5時3分にまいります」と言う。
・たとえば、シャッターが壊れて半分開いているお店。売れないお店は「シャッターが壊れています」という張り紙。売れるお店は「シャッターが壊れていますが、中で元気にやっています」という張り紙。たとえば、休業するときのお知らせの張り紙。売れないお店は、「○月○日から休業します」。売れるお店は、「○月○日まで慰安旅行に行ってきます。○日には、お土産のお菓子を用意して、みなさまのお越しをお待ちしています。楽しみにしていてください」。たとえば、焼肉屋さんで、テーブルの火元に貼っている張り紙。売れないお店は、「ガス栓にはさわらないでください」。売れるお店は、「ヤケドをすると大変です。御用のときには、いつでも、何度でもお声をかけてください」
・かつてフケ症を抑える薬品を開発した医療薬メーカーがあった。フケ症というからには病気なのだが、一般的にはあまり認知されていない。多くの人が、洗えば済むものと思っている。そこのこの会社は、20代独身女性にアンケート調査を行った。そのテーマは、「後姿がステキな男性は誰か?」というもの。そのアンケートの発表と同時に、この会社はフケが後姿のイメージを悪くするというデータを紹介。そこで「実は洗ってもフケが出る、フケ症という症状がある」という情報を提示した。自分は女性社員に人気がないなあと思っていた男性諸氏は、もしやと思う。よって、この新薬への問い合わせが殺到した。どんな人に役に立つかを考える。
・「君の会社は潰れるよ!」
「どうしてですか?」
「今週、水道の蛇口を、君のところの店に買いに行ったんだよ。200ドルの商品をね。ところがバカな店員が、1ドル50セント出せば、今まで使っていた蛇口を修理して使えると教えてくれたんだ。こんな商売をしていたら、潰れるしかないだろう?」
「なるほど。クビにしないと誓約しますから、その店員の名前を教えてくださいませんか?」
「どうして?」
「昇進させたいのです」
「え? 会社に損をさせたんだぞ!」
「いいえ、彼はわたしの教えに忠実な人間です。社員にはお客さんの求めていないものは売るな、お客さんのお金を節約することがわれわれの任務だと教えています。なぜだかわかりますか? あなたは、また蛇口がおかしくなったら、どこの店に行きますか? 彼のいる店ですよね。それが何よりの証拠です。売ることが重要なのではない。お客さんの役に立つことが、最も重要なのです」
・「人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること」
・みずから動きたくなる気持ちを起こす。
(1) 行動することによって、「やりたい」と思っていることが実現できる。
(2) 行動することによって、自分自身が成長することを実感できる。
(3) 行動して結果を出せば、それがすぐに形に現われる。
(4) 行動することによって、周囲から認められ、評価される。
(5) 行動した結果、その成績が自分の利益に反映される。
・社長と副社長とエスコート役の三人が出張のためアメリカへ飛行機で行こうとしたが、予定の飛行機に乗り遅れてしまって、何とか一席だけとれ、副社長が先に出張先へ移動することになった。遅れるとロスになる。そういう判断だ。社長はエスコート役の人を「彼はわたしを、ここまで無事、連れてきてくれたんですよ!」と褒めた。では、社長を仕事優先で置いていった副社長のことはどう言ったか。「彼は私[社長]を置いていくほど仕事熱心なんですよ!」とやはり褒めた。人の気持ちも考える余裕を持とう。
・「どうしてボクなんかを呼んだんですか?目が見えなくて、何の役にも立たないじゃない?」
「たしかに、あなたは目が見えないけど、人一倍、素晴らしい耳を持っているじゃない!先生は知っているのよ」
「!?」
「ネズミの鳴き声は小さいから、わたしたちにはわからないわ。でも、あなたなら聞き分けられるでしょ!」
(1) 欠点が長所を生むこともある。しかもそれはもはや欠点ではないと思う。
(2) 原因を作る。耳の才能を伸ばしたいならこのようなシチュエーションを作るように。
・お互いが利益を生むような理想の関係を作るには、お互いが同じ方向を向く、つまり共通目的を探すことが大事。それがまだ分からないときは、相手に質問をしながら、問題がどこにあるかをしきりに探る。そして、これならお互い同じ方向を向けるという段階になって、提案を持ちかける。これがウィン―ウィンの関係である。
・〈3Q6S〉
3Qとは、質の良い社員、会社、商品
6Sとは、整理、整頓、清潔、清掃、作法、しつけ
3Qは6Sから生まれる。
・事業で失敗したことは重要ではない。不遇なときにでも、不可能を実現させようとする姿勢をみたなら、彼らは会社の危機を救える中枢メンバーである。
・大事なのは結果だけではない。過程と、それに対する姿勢も見るべきではないか。
・「部下に対してのマネジメントとは、部下に夢を与えてあげること」
・大多数の人たちの「逆」を進むことでチャンスをつかむ。
・相手の仕事の話は避けたほうがいい。仕事の話をしないで関係が円滑にいく場合があるからだ。
・「人気に雷同することや、多くの人が好況到来をさけんだときには、すでに一歩前に反落のふちが迫っているものである」
・仕事を教えるときは仕組みも教えること。仕組みが分かると仕事が楽しくなる。
・「人間は、生まれたときから刺激を欲しがっている。仕事も同じで、面白さ、楽しさを持続させるためには、いつも自分のなかの知的好奇心を刺激することが必要なのだ」
・好きなことを仕事に。気の合う仲間と仕事をしよう。
・「私は時に千人の前で講演する。でもラジオのテレフォン人生相談を聞いている人のほうが数は多い。ところが、聞いてくれているという実感があるのは聴衆の少ない講演なのである。人が求めているのは反応のある世界だ」
・「考えと行動が一致する仕事は面白い」
・〈達成行動力=やる気×期待度×誘因価〉
達成行動力とは、目標に向かって行動する力。期待度とは、自分で思っている成功の確率。誘因価とは、目標にどれくらいの魅力を感じているかということ。これによると、あまりにも簡単にクリアできてしまう目標は、私たちにとって魅力が少なく、やる気が出ない。逆に、魅力的なものを手に入れるには、失敗する可能性も大きいと感じてしまう。つまり、人は五分五分の勝負のときに、一番やる気が出る。
・「価値観というのは時代によって変わる」
・「会社の大きさよりも、自分のやりたいことができる会社を探しなさい。ダメだったら転職すればいい。三回くらい転職すれば、いつかは自分に適した会社が見つかるはずだ」
・「約束の目的は、守ることではありません。約束とは、人を喜ばせることです。『月曜日までに、書類を出す』。こう約束したとき、月曜日の夕方ぎりぎりに書類を出したのでは、約束を守ったうちには入りません。その人が喜ぶには、その人の役に立つこと。締め切りを守るというのは『やらされ感』がありますが、相手を喜ばせる約束であれば、行動が自分発になります。家庭で『毎朝、おはようと言おうね』と約束をしたとします。しかし、顔も見ないで『おはよう』と口のなかでモゴモゴつぶやくのでは、約束を果たしたことになりません。約束は、人を喜ばせること」
・あるときヂェンさんのお店に、服を買いに来たお客さんがいました。そのお客さんはヂェンさんの服にひきつけられ、いくつかの服を選んだのだが、お会計をすると、もっていたお金では合計額に足りないのです。そのとき、ヂェンさんは言いました。「今、払えるだけのお金を払えばいいから、全部もっていきなさい」。あとからお金を払いに来るお客さんと、それきり払いに来ないお客さんはどちらもいるそうですが、ヂェンさんにとっては、まるで関係ないのだといいます。「ものごとには、功徳と福徳があります。功徳というのは、まったく見返りを求めない無償の行い。福徳とはその逆。品物の対価としてお金をもらうことや、すべての仕事は福徳です。わたしにとっては、功徳と福徳、両方のバランスが必要です。あたりまえに仕事をし、あたりまえに暮らしていたら福徳は増えていくでしょう。だからときには意識して、功徳をしなければなりません」
・「仕事においてはとくに、大義名分が必要。『僕らが今、一生懸命働いてる理由は何か? 何を目的とし、どこを目指しているのか』。これが大義名分であり、世の中で活動している以上、ここがぶれるとたちゆかない。この大義名分は仕事の仲間と共有するべきか、否か。お互いに話し合うのは大事だと思う」
・自分たちが面倒だどっちだっていいじゃなくて、顧客にとって嬉しいか嬉しくないかを考える。
・「相手を喜ばせたいという態度を嫌がる人はいません」
・「今日は何時間働いたかではなく、今日は何を果たしたのか。それをはかることができる自分にならなければいけません」
・「ルールは、守れたときに自信と誇りが生まれるものでなければいけません。破ったときに罰を与えられるものではなく、守ったときに素敵なごほうびがあるルールを作ろう」
・他人の気持ちもわかれるような余裕を持とう。経営者は、仲間が体調不良で休むといったとき、店のことを考えるよりもまずその人の体調のことを心配して労う。
・「しなければならないを、したいに変える」
・「結果だけを気にしていた。だが結果をコントロールすることはできず、できるのはその過程のみである」
・「渡る者の少ない川こそ、渡る価値がある川になるのだ」
・「人生には保障などない、あるのはチャンスだけだ」
・「お金のために働かなくてよいとはどういうことか想像できるだろうか。それはつまり、必要に迫られることなく、好きなときに好きな仕事ができるということだ。それはどういうことか。あなたが独自の人間になり、しなくてはいけないからではなく、したいからという理由で何かをできるということだ」
・「どれが自分の力でなんとかなって、どれがなんとかならないか、見きわめる」
・「事業の多角化に伴っても、多様性をひとつの軸に沿ってまとめあげる。さもないと複雑になりすぎ失敗する。その軸とは技術であったり顧客のニーズであったりする。また新規事業は既存の事業を活かすのに最適な事業であることを考える必要がある」
・技術は枝分かれする。電気は百年前までは技術の土台だったが今では周辺事業と化している。
・「買収を検討する際にカギを握るのは、『買収先の事業に当社はどう貢献できるか』という問いなのだ。買収が実を結ぶためには、買収側が対象事業の業績や成果を大きく押し上げることができなくてはいけない」
・「買収を考えるときには買収される側の経営陣が去る可能性を視野に入れておかなくてはいけない。みずから事業を育てれば、その過程で必要な能力や技能を培い、多くのものを学ぶことができる。だが買収に踏み切る際には、それらの能力や技能をあらかじめ備えていなくてはいけない。そのためには買収するまえに人材育成をするなどの準備も必要だろう」
・「娘の結婚相手を探すなら、誰が夫として最もふさわしいかではなく、どのような男性と一緒になれば娘はよき妻になるだろうか、を考えるとよい」
・「会社の成長は、人材の成長と切り離せない」
・「大企業を目指すなら、今から大企業らしく振る舞わなくてはいけない」
・イノベーションを果たしたいなら社内のすべての人に学習と責任を根付かせる必要がある。そしてささいなアイデアでも報告する体制を整える。また、新規事業だけを手がける専門の部門を作ること。もしそのような部門がなければその企業は永遠に現状に甘んじるだけになる。
・「論理の検証なき経験はレトリックではなく、おしゃべりにすぎず、経験の検証なき論理は論理ではなく、屁理屈にすぎない」
・「マネジメントの値打ちは医療と同じように科学性によってではなく患者の回復によって判断しなければならない」
・バスルームは毎日水にさらされる所だからカビの温床にもなりやすい。そんなバスルームには汚れの目立ちにくいものよりも、汚れとカビがすぐに分かるように汚れが目立つ素材と色にする。
・「激しい雨のもとではライオンも子羊と寝そべる」
・甘い、辛い、塩辛い(旨い)、数々の食感など、そのカテゴリー(食物)のなかで存在する数々の属性の極端なところのものはヒットする。
・人気のあるテレビ番組の特徴。一つは「刺激」。たまに江頭2:50が出るなど。もう一つは「魅力的なパーツ」。話題のゲストやおなじみの企画など。飽きさせない工夫がなされている。
・ある現象や法則のその妥当性を測るには、その現象を結びつける両者(または複数)の性質を把握することが重要。どれだけ優秀な法則や現象でも、その場に適していないものは本来の力を発揮できないか、砂子の山に埋もれてしまうだけだろう。適性かどうかは、それをとりまく環境すべてが考慮される。
・「ひとつかふたつの方法がうまくいかないからといって、あきらめるのか?」〈伊藤守〉
・「反省している間は、『正しいわたし』でいられる。後悔している間は、『かわいそうなわたし』でいられる」〈伊藤守〉
・「問題が少なすぎることこそ、問題」〈伊藤守〉
・「原因が何かを知ることが目的なら、いつまでも原因を探していなさい。問題を乗り越えることが目的なら、これから何ができるかに目を向けなさい」〈伊藤守〉
・目標を一つに決める勇気を持とう。それ以外のものを捨てる覚悟はありますか?
・人に助けを求める勇気を持とう。人を頼ってみよう。人がなにができるかは、あなたではわからないのだから。
・「目標を達成したいの? それとも一生懸命やっている自分に酔っていたいの?」〈伊藤守〉
・「人は、苦しみとちゃんと向き合えないとき、願望に逃げ込む」〈伊藤守〉
・「壊れたおもちゃを前に泣いていれば、そのうち誰かが直してくれるかも知れない。本気でそう思っているのですか?」〈伊藤守〉
・「いま持っているそれから始めるのか、不満を言いながら生きるのか、選ぶのはあなたです」〈伊藤守〉
・「大事なことはたいてい面倒くさい」
・「ブランド品は高級品じゃないんですよ。あれは高額品だから。高級品っていうのは、自分が思い入れがあって大事にしてるものなんです」
・二者択一は、一長一短あって迷ったとしても、一度こちらにすると決めたら、自らがその決定を100%よいと思い、自信をもって主張することです。態度は明確に、それでいて悪かったところは素直に悪かったと認める。潔い人になりなさい。
★・したか、ではなく、できているか。
・「自信は成功からしか生まれない」
・直さなければいけない状態に自然になってしまうことが二回続いたなら根本的な解消をするべきだ。でないといつか痛い目に遭う。
・痛手を負わないと分からないとか愚かすぎる。
・恐怖に負けないで。自分を信じる。
・「就職先を若い人に選ばせると、そのときに景気のいい企業を選ぶ。しかし40年、50年先なんてとても読めやしない。そんなときいちばんいいのは、どういう時代になっても人間のすることは何かを考えてみること。何がつぶれて何がつぶれないか、つまり、流行とは何かということがなんとなくわかってくる」〈養老孟司〉
・物事を批判するまえに自分のやり方を見直す。
20才・冬
・地面からいきなり屋根にとび上がるなんてことはスーパーマンでなければできはしない。しかし一段ずつ上がって最上段へたどりつくことは普通の人にできる。成功するにはこの階段づくりが大事だ。これは恐怖克服法にもなる。
・「本当の楽しさは、面倒くさいことから始まる」
・「失敗してもチャレンジできたのです」
・「10話せば、相手が10理解してくれると思うのはまちがいです」