もちろん私だっておいしい料理を作れるようになりたい
でもおいしい料理ってなんだろう
おいしい料理とは、自分が食べておいしいと思った料理だと思う
じゃあ自分が食べておいしいと思える料理を自分が作るにはどうしたらいいのか
それにはおいしい料理をたくさん知っておかなければならない
料理で一番大切なことは腕でもいい素材でもない
「想像」
おいしい料理を想像することだ
形にするには想像することから始まる
その想像力が広く、豊かであればあるほどおいしい料理を作ることができる
想像力を豊かにするには、とにかくおいしい料理を食べる。経験する
そしてもう一つ大事なこと
それは素材を知ること
あらゆる素材の味、素材と素材の組み合わせ、素材と調理方法の組み合わせを体験する
たまご、乳、塩、小麦粉、水・・・
調理方法や他の素材との組み合わせによってさまざまな顔を見せる素材、
その一つ一つを知ろうとする求知心があって、その素材のいろんな顔を知って、向き合って、そして愛してください
素材のことを知っていれば、既存の料理だけでなく、自分が考えた新しい料理も作り出すことができる
おいしい料理を思い浮かべる豊かな想像力があって、素材を愛していれば、腕や道具はいつの間にかついてきています
作る前に料理の完成品をイメージして、ビジョンを立てる
一つ一つにどんな目的があるかを考えて、そして目的をもってください
料理のビジョンは目的から立てるか素材から立てるかがある
目的を先に立てて、それに合致しそうな素材を選んだり、または素材から目的をつくって料理のビジョンを完成させたりする
だから感覚やなんとなくで料理をしてはいけないと思う。たとえそれでおいしい料理ができたとしても、それは単なる偶然にすぎない
料理には思いがけない発見はあるけど、偶然や奇跡は生きる必要はない
それらが出てきたらその場ですくって、見つめあって、そしてホワイトボックスへと馴化する。偶然を偶然で終わらせないために
目的をしっかりもって料理をすれば、その料理がまずければまずかったほど、次はおいしく作れるようになる
私は本当は、おいしい料理なんて存在しないと思う。もちろん作り出すこともできない
だってもしおいしい料理に出会ってしまったとしたら、もしその料理に非の打ち所がなかったとしたら、
それよりおいしい料理を作り出すことができないなんてこんな悲しいこと他にない
すごい矛盾ですね
おいしい料理は存在しないと思っているのに、おいしい料理を作ろうとしている
でもこれが料理というものである