【お知らせ】フードファイターの記録について追記しました(2017/08/08)
最近大食い番組を観るのが好きです。2015年秋に男女混合戦「元祖!大食い王決定戦 新絶対王者襲名戦~ベトナム編」の東京予選をたまたま観ていて、MAX鈴木(鈴木隆将)の食いっぷりに惚れたのが大食いを好きになるきっかけでした。YouTubeで過去の大食い番組、フードバトルクラブや元祖!大食い王決定戦などを一通り観たところで、その大食いに関するメモです。なお、この記事は2016年のものでそれ以降逐一更新をしているわけではありませんので、現在と異なる情報もあると思いますがその点はあらかじめご了承ください
目次
大食いで勝つために必要な要素
(1)胃力
(2)顎力/嚥下力
(3)テクニック・経験知識
大食いにおいてはこの3つが最も大事な要素で、これらをバランスよく鍛えることが重要。特に胃力は強かな大食いのベースとなる。もちろん胃力があっても顎力/嚥下力がなければせっかくの胃力を十分に生かすことができない。最初スピードがあっても胃力がなければがくんと落ちるし、胃力や顎力/嚥下力が鍛えられていれば持久力もおのずとついてくる。テクニック・経験知識がなければ胃力と顎力/嚥下力を最大限生かすことはできない
嚥下力とは、簡単に言えば飲み込む力のことで、食べ物を飲み込んで胃に送り込むのどの力や食道の蠕動力のことを指す。また嚥下力の強さは、試合終盤で胃からの逆流に耐える力の強さでもある
このほかにも、体格[フレーム]の大きさ、精神力の強さ、熱さ[暑さ]への強さ、腹腔内の容積なども大食いの強さに関わる諸要素。また一方で、歯の強さやかみ合わせも咀嚼効率に大きく関わる。顎力が強いことで知られる魔女 菅原[菅原初代]は、歯が頑丈でかみ合わせもよく、固い食材や弾力のある食材を噛み砕くのが得意だった。本人も歯にはお金をかけたと語っている
歴代のフードファイター
ランキングは過去の番組を観て個人的に判断。()内はその選手の特徴。ランクはSSS級⇒SS級⇒S級
SSS級(絶対王者)
┗小林尊(スピード/テクニック・経験知識/胃力)
┗ジャイアント白田[白田信幸](胃力/持久力)
┗ドクター西川[射手矢侑大](テクニック・経験知識/スピード)
SS級
┗キング山本[山本卓弥](持久力/胃力)
S級
┗魔女 菅原[菅原初代](スピード/顎力/嚥下力/胃力)
┗怪物くん木下/ていねい木下[木下智弘](胃力/持久力)
┗MAX鈴木[鈴木隆将](持久力/テクニック・経験知識/スピード)
SSS級(絶対王者)の条件
食べやすい系の目安(水分系の茶漬け、カレーライス、スープチャーハン、リゾットなど):
食べやすい系は、15分で6kg、25分で8kgが目安。制限時間が30分でも45分でも合計8kg~10kgを安定的に食べられると絶対王者の実力に足るといっていい
全盛期のキング山本やジャイアント白田は茶漬けで10kgいったことがあるので、食べやすいものはそれぐらい食べてこその絶対王者。特にジャイアント白田は絶対王者の中の絶対王者のような存在で、カレーライス10kg 18分56秒の前人未踏の記録を持っている。これは小林尊も成し遂げられなかった不滅の記録
食べにくい系の目安(水分系ではないもの、顎力が必要なもの、肉系、熱いものなど):
食べにくい系は、制限時間が30分でも45分でも合計4kg~7kgを安定的に食べられるとトップクラスの大食い選手であるといえるだろう。どんなに食べにくいものでも常に最低4kgラインには乗せられると顎力も強いといっていい。全盛期のジャイアント白田(2000-2001)は牛丼を8.14kg(60分)完食した実績がある。腹にたまりやすい丼物を8kg越えるというのはまさに驚きである。これはカレーライス10kgよりも難しい
第五世代のフードファイター/一覧
・過去の番組を観て個人的に判断。ただし基本的に過去の最強戦を中心に観て女王戦や新人戦は観ていないのでギャル曽根をはじめ一世代前のフードファイターに関しては触れない。魔女 菅原は第五世代ではないが、2016年1月の大食い世界一決定戦に復帰参戦したので一応記載する
・()内はその選手の特徴。[記録]は2014年6月22日~2017年1月7日に放送されたテレビ番組内での大食い記録
・魔女 菅原[菅原初代](スピード/顎力/嚥下力/胃力)
・MAX鈴木[鈴木隆将](持久力/テクニック・経験知識/スピード)
・ロシアン佐藤[佐藤ひとみ](スピード/嚥下力/胃力)
・なべちゃん[渡邊康仁](胃力/持久力)
・カワザイル[河田大志](顎力/スピード)
・もえあず[もえのあずき](持久力/スピード)
・檜山先生[檜山普嗣](持久力/胃力/顎力)
・谷やん[谷崎鷹人](顎力/スピード)
・おしんちゃん[おごせ綾](スピード)
・ゆりもり[石関友梨](持久力)
・ミスさちよ[桝渕祥与](スピード)
・ミセスかよ[中島佳代](テクニック・経験知識)
・ズラちゃん[大森砂奈](持久力)
・リア[高橋ちなり](持久力)
・ちょこ崎[小崎美里](スピード/胃力)
その他のフードファイターは「その他の記録」に記載
第五世代のフードファイター/詳細
魔女 菅原[菅原初代]
※魔女 菅原は第五世代ではないが、2016年1月の大食い世界一決定戦に復帰参戦したので一応記載する
[功績]:2代目爆食女王/元祖!大食い王決定戦 女王戦 3連覇(2008年・2009年・2010年)/大食い世界一決定戦日本代表(2016年)/全日本わんこそば選手権 3連覇
[特徴]:スピード/顎力/嚥下力/胃力
圧倒的なスピードを持つ歴代最強の女性フードファイター。魔女 菅原、女帝とも呼ばれる。SSS級のジャイアント白田やドクター西川らトップクラスの男子選手相手にも互角に渡り合える実力。2016年1月の大食い世界一決定戦でMAX鈴木と共に出場し、50歳を超えてもなお衰えぬ圧倒的なスピードと驚異的な胃力を証明した。スピードに関しては現役の大食い選手で右に出るものはいない。脂っぽい肉料理が苦手だが、試合のパフォーマンスは変わらない
[記録]:〈2016年 1月〉まぜ麺 4.6kg(30分)、ロブスターサンド 4.35kg(30分/1個150g)/NYチーズピザ 3.9kg(30分)
MAX鈴木[鈴木隆将]
[功績]:元祖!大食い王決定戦 最強戦 グランドスラム優勝(2015年)/大食い世界一決定戦日本代表(2016年・2017年)
[特徴]:持久力/テクニック・経験知識/スピード
本格的に大食いを始めてから1年で最強戦の予選大会にエントリーすると、いきなりジャイアント白田の寿司30分100皿の記録を若干破り、その後の本戦大会でグランドスラム優勝を果たす。新人離れした胃力、常にMAXでとばすスピード、きれいに食べるのが特徴。2016年の大食い世界一決定戦で実現した魔女 菅原とのスピード対決は個人的にとても興味深かった。彼の大食いは見るものを魅了し、諦めないその姿は人々に勇気を与える。新人時点でS級の実力を持っているので、その後の活躍が大いに期待される逸材。そして彼は今着実に成長している。2015年の元祖!大食い王決定戦 最強戦でデビューしたときは、胃の容量は天ぷら茶漬けで7.8kgだったが、その半年後にはカレーライス 8kg+オムライス 約0.5kgの合計9kg近くを完食できるまでに成長している。檜山先生[檜山普嗣]とはプライベートで仲良しで、YouTubeチャンネルにコラボ動画を多く上げている。剣道2段
[弱点]:胃力ではまだまだ歴代のトップクラスの男子選手に及ばない。/最近はスピード重視の戦い方をするが、スピードを求めると摂る水の量も多くなる。大食いで水の摂りすぎはパフォーマンスに影響するので、スピードを求めるなら胃力と合わせて嚥下力ももっと鍛える必要がある。/生のりんごや梨、桃やさくらんぼはアレルギーで食べれない
[記録]:〈2015年 9月〉寿司 6.06kg(30分/1貫30g)、しらすの天ぷら茶漬け 7.8kg(45分)、空芯菜炒め 5.25kg(45分)、ベトナムチキンライス 5.4kg(45分/目玉焼き有り)/〈2016年 1月〉まぜ麺 4.4kg(30分)、チキンシシケバブ 3.72kg(30分)、クリームハンバーグ 6kg(30分)/〈2016年 10月〉卵かけご飯 8kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)、アンガス牛のスモークステーキ 4.5kg(45分)、キングフィッシュカレー 7kg(45分/キングフィッシュは柔らかい白身魚)/〈2016年 11月〉チキンカレー 8kg(30分)、フライドチキン 2.55kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 7.05kg(30分/6個150g)、ステーキ 3.75kg(30分)/〈2017年 1月〉ミートボールトマトパスタ 6kg(30分)、ソーセージ 3.6kg(30分/1本200g)、フライドチキン&ワッフル 5.4kg(30分)
ロシアン佐藤[佐藤ひとみ]
[功績]:大食い世界一決定戦日本代表(2014年・2016年)
[特徴]:スピード/嚥下力/胃力
魔女 菅原を除いた現役女性フードファイターの中では随一の実力者。女王戦3連覇のもえあずや小さな巨人 おしんちゃんをも上回る実力をもっているにも関わらず、近年は主要大会に出場しないために「無冠の女王」とも呼ばれる。大口で食べ進める食べ方を信条としており、「大口モンスター」「恐[おそ]ロシアン」の異名ももつ。こうした大口や胃力が注目されがちだが、それらと並ぶロシアン佐藤の最大の特徴は“スピード”である。序盤のスピードもさることながら、持ち前の嚥下力とその大口で中盤までリードしている相手に対しては中盤以降も相手に逆転されることは少ない。特にそのスピードに裏付けされた嚥下力の強さには目を見張るものがある。2008年にデビューし、着実に力をつけながら現在も第一線で活躍している息の長いベテラン選手。MAX鈴木や檜山先生といったわりと最近台頭してきた大食い選手たちからすればかなりのベテラン選手で、YouTubeでの彼らとのコラボ動画では新人選手らとロシアン佐藤との関係性が垣間見れる。胃の容量は牛すき焼き丼で約6.8㎏。ちなみにロシアン佐藤のあだ名の由来は、デビュー当時のロシアン佐藤がロシアン帽をトレードマークにしていたことから名付けられたものだが、現在はロシアン帽をかぶって試合に臨むことは少なくなっている
[弱点]:まぐろ、いか、えび以外の海鮮系が苦手。塩辛などの珍味系も苦手。熱さ[暑さ]に若干弱くすぐ汗が吹き出す
[記録]:〈2014年 6月〉ビーフカレー 7.5kg(45分)、クロワッサンドーナツ 3.6kg(30分)、サーロインステーキ 3.25kg(30分)/〈2016年 1月〉チキンパッタイ 4.75kg(30分)、抹茶ミルクレープ 5.1kg(30分)、ロブスターサンド 3.6kg(30分/1個150g)、すき焼き丼 6.4kg(30分/ほぼ6.8kg完食)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6.8kg(30分)、フライドチキン 2.25kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 5.7kg(30分/6個150g)
なべちゃん[渡邊康仁]
[功績]:元祖!大食い王決定戦 最強戦 優勝(2014年)
[特徴]:胃力/持久力
2014年秋の元祖!大食い王決定戦 最強戦では新人として参戦しながらも5代目爆食女王のもえあずを引き離して優勝。翌年の最強戦では王者として参戦したがMAX鈴木に敗れた。普段から全国のデカ盛りを食べ歩き、精力的なトレーニングを積み重ねていることでも知られる。ロシアン佐藤[佐藤ひとみ]ほどではないもののそれなりに大口で、試合中はあまり周りの様子や時計は気にせずもくもくと食べ進めるのが特徴。他の選手はスピードを意識して食べ進めることが多いが、なべちゃんはほとんどスピードは意識せず、持ち前の胃力と持久力をもって淡々と食べ進める。ラーメンの大食いでの、麺のすすり方が無駄がなく効率的で食べ方が上手い。本人も麺類の大食いは得意だと語っている。オフシーズンに気を抜いて大食いのトレーニングをさぼったりしたために、プライベートのデカ盛り修行で檜山先生[檜山普嗣]に負けを喫したこともある。最近はYouTubeになべちゃんネルを開設して大食い動画をアップしていて、そこからなべちゃんの性格や大食いに関する諸々の情報を知ることができる
[記録]:〈2014年 9月〉焼き餃子 3.36kg(45分/1個24g)、ポークソテー 4.4kg(45分)、トマトミートスパゲッティ 5.1kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 6.1kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)、グリーンカレー 6kg(45分)/〈2015年 9月〉空芯菜炒め 4.8kg(45分)、ベトナムチキンライス 4.8kg(45分/目玉焼き有り)/〈2016年 10月〉小籠包 6.32kg(45分)、うな重 5.2kg(45分)、卵かけご飯 7kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)、アンガス牛のスモークステーキ 4.25kg(45分)/〈2016年 11月〉チキンカレー 7.6kg(30分)、フライドチキン 2.25kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 6.3kg(30分/6個150g)、ステーキ 3.75kg(30分)
[弱点]:きゅうりやゴーヤなどのウリ科の野菜、スイカやメロンなどのウリ科の果物、発酵食品、酸味のある食材、漬け物、酢の物、あんこやまんじゅうなどの和菓子が苦手。/夢中になると鼻水をすぐに拭かないことがある。/辛くなってくると肘をついて前のめりになるクセがある
カワザイル[河田大志]
[特徴]:顎力/スピード
2015年の最強戦で大阪予選大会から出場し、2015年の大食い世界一決定戦日本代表の谷やん[谷崎鷹人]を破って本戦出場を果たす。本戦大会でも檜山先生やもえあずを破って決勝戦に進み、なべちゃん[渡邊康仁]と同じラーメン22杯を食べて準優勝した。肉系やご飯もの、スイーツなどが好物だが、納豆以外なら何でも食べられる。顎力が強く、特に肉系では実力を発揮する。とにかくガシガシと口に詰め込む食べ方をする。実力的には5代目爆食女王のもえあずと同レベルくらい。2015年の元祖!大食い王決定戦 最強戦 空芯菜炒めの試合での「この人工の光が…」発言はもはや有名になっている
[弱点]:食べ方がちょっと汚らしい。鼻水が出ても気づかないので汚らしく映ることがある。/周りのペースに合わせて無理をしすぎることがある。/納豆が苦手
[記録]:〈2015年 9月〉唐揚げ 3.15kg(45分)、しらすの天ぷら茶漬け 6.9kg(45分)、空芯菜炒め 4.5kg(45分)、ベトナムチキンライス 4.8kg(45分/目玉焼き有り)
もえあず[もえのあずき]
[功績]:5代目爆食女王/元祖!大食い王決定戦 女王戦 3連覇(2015年・2016年・2017年)/大食い世界一決定戦日本代表(2015年・2016年・2017年)
[特徴]:持久力/スピード
バクステ外神田一丁目のメンバーとして活躍する大食いアイドル。小さな巨人 おしんちゃんと同じく先行逃げ切り型だが、それなりの持久力も持ち合わせている。大食いアイドルということもあっておそらく相当の場数を踏んでいるだろうと思われ、それなりに経験が豊富。顎力が弱いことは自身も理解しており、それをフォローするためにナイフを使う食材は口に入れる前になるべく小さく細かく切り分けたりするし、どんな食材でもいっぺんにたくさん詰め込もうとはせずに咀嚼しながらこまめにこまめに口に運んでいく「ピッチ走法」が特徴。しかし顎力と嚥下力が弱いので、試合後半になると飲み込む力が追いつかず口いっぱいに頬張って食べる姿がよく見られる。周りを見ながら戦況を把握するのに長けている。また、時計をよく見るのもクセ。時に周りを見ながら、時に時計を見ながら常にペース配分を考えている。近年の大食い番組においては中心的な存在であり、女王戦も3連覇しているが、実力は2代目爆食女王の魔女 菅原や4代目爆食女王のアンジェラ佐藤にはまだまだ及ばず、大食い世界一決定戦で日本代表として参戦したときはしばしば周りの足を引っ張る。だが少しずつではあるが着実に成長してきている。胃の容量はムール貝リゾットで6kgだが、これは30分制限で余力十分という感じだったので45分なら7.2kg程度はいけそうか
[弱点]:顎力の弱さ。顎力を必要とする肉系には苦戦する
[記録]:〈2014年 9月〉ポークソテー 3kg(45分)、トマトミートスパゲッティ 4.5kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 6.4kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)、グリーンカレー 5.6kg(45分)/〈2015年 1月〉マルゲリータピザ 2.55kg(30分)、メキシカンチキンステーキ 4kg(30分/野菜有り)/〈2015年 3月〉春巻き 3.6kg(45分/1本50g)、タンシチュー 6.6kg(45分/にんじん・ブロッコリー・フライドポテト 付け合わせ)、まいたけカレー 6kg(45分/豚の角煮有り)、バナナ 6.975kg(45分/1本50g・皮除く)、骨付きフライドチキン 3.55kg(45分/1本50g・骨除く)/〈2015年 9月〉空芯菜炒め 4.5kg(45分)、ベトナムチキンライス 4.8kg(45分/目玉焼き有り)/〈2016年 1月〉チキンパッタイ 4.25kg(30分)、ムール貝リゾット 6kg(30分)、エビチリ 3.3kg(30分/ブロッコリー 付け合わせ)、クリームハンバーグ 4.75kg(30分)/〈2016年 4月〉ワカサギフライ 1.9kg(45分/20匹100g/キャベツの千切り 付け合わせ)、ローストビーフ丼 4.8kg(45分)、チーズバーガー 4.8kg(45分/1個300g)、マグロステーキ 3.75kg(45分/にんじん等の野菜 付け合わせ)/〈2016年 10月〉卵かけご飯 7kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)、アンガス牛のスモークステーキ 4.25kg(45分)、キングフィッシュカレー 6kg(45分/キングフィッシュは柔らかい白身魚)/〈2017年 1月〉ミートボールトマトパスタ 5kg(30分)、マカロニチーズ 5.1kg(30分/グラタンに近い)
檜山先生[檜山普嗣]
[功績]:元祖!大食い王決定戦 最強戦 優勝(2016年)/大食い世界一決定戦日本代表(2017年)
[特徴]:持久力/胃力/顎力
近年の大食い界では珍しい後半追い上げ型。スピードが遅いので序盤は出遅れるが、持久力があり、ペースが落ちてきた後半に相手をとらえるのを得意としている。通常時は冷静にもくもくと食べ進めるが、中盤以降からあぐらをかきだす。彼いわく、あぐらをかくと体勢的に食べやすくなるらしく、そのためあぐらをかくのは彼にとっては本気モードに入ったことを意味する。まれに序盤早々にあぐらをかくことがあるが、そうした試合ではまだ勝ったことがない。MAX鈴木は2015年の最強戦 準決勝のベトナムチキンライスの試合で檜山先生が試合開始早々にあぐらをかいて試合に負けたことをたびたび引き合いに出してよく彼のことを揶揄する。MAX鈴木とはプライベートでとても仲良しで、MAX鈴木のYouTubeチャンネルによくコラボ動画が上がる。顎力が強く、試合でもよく咀嚼するのが特徴で、そのモグモグと口を動かす様が大食いファンの間ではリスと呼ばれカワイイと話題になっている
[弱点]:後半追い上げ型のためスピードが遅く、序盤出遅れることが多い。/熱さ[暑さ]に弱く、熱いものを食べると汗がふき出す
[記録]:〈2015年 9月〉寿司 4.92kg(30分/1貫30g)、しらすの天ぷら茶漬け 7.2kg(45分)、空芯菜炒め 4.5kg(45分)、ベトナムチキンライス 4.5kg(45分/目玉焼き有り)/〈2016年 10月〉小籠包 6.64kg(45分)、卵かけご飯 6.8kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)、アンガス牛のスモークステーキ 4.25kg(45分)、キングフィッシュカレー 6.5kg(45分/キングフィッシュは柔らかい白身魚)/〈2017年 1月〉ハンバーガー 4.4kg(30分/1個400g)、ソーセージ 4kg(30分/1本200g)、サーロインステーキ 3kg(30分/ブロッコリー・マッシュルーム有り)
谷やん[谷崎鷹人]
[功績]:大食い世界一決定戦日本代表(2015年・2017年)
[特徴]:顎力/スピード
元ボクサーという異色の経歴をもつ。大食い世界一決定戦日本代表(2015年)という功績を持っているが、大食いの実力はまだまだであると小林尊にも言われている。2015年の元祖!大食い王決定戦 最強戦ではカワザイル[河田大志]や檜山先生[檜山普嗣]に相次いで負け、予選敗退した。かつて番組内でゆりもり[石関友梨]に告白して断られたことがある
[弱点]:胃力が弱いのか、持久力がない
[記録]:〈2014年 9月〉アジフライ 3kg(45分)、手巻き寿司 3.4kg(45分/1本50g・具材はサーモンと南魚沼きりざいの二種)、トマトミートスパゲッティ 4.5kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 5.1kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)/〈2015年 1月〉ウニクリームパスタ 5.6kg(30分)、メキシカンチキンステーキ 5kg(30分/野菜有り)/〈2016年 10月〉豚平焼き 6.6kg(45分)、卵かけご飯 7kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)、アンガス牛のスモークステーキ 4.25kg(45分)、キングフィッシュカレー 6.5kg(45分/キングフィッシュは柔らかい白身魚)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6.8kg(30分)、フライドチキン 2.25kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 5.85kg(30分/6個150g)、ステーキ 3.5kg(30分)/〈2017年 1月〉海老フライ 3.7kg(30分/1尾50g)、サーロインステーキ 4.25kg(30分/ブロッコリー・マッシュルーム有り)
おしんちゃん[おごせ綾]
[特徴]:スピード
150cmの小さな体格からは想像もつかないほどばくばくと食べ進めていく姿から「小さな巨人」とも呼ばれる。近年デビューした新人選手で、最近はもえあずの良きライバルとして接戦を繰り広げることも多い。もえあずと同じ先行逃げ切り型。あまりテクニックや知識、ペース配分を気にせずにとにかく最初からトップスピードで食べ進め、小さいお口を大きく広げてガシガシ食べ物を詰め込んでいくのが特徴。普段は恥じらいを見せたりして女性らしい一面があるが、ひとたび大食いとなるととたんにアグレッシブになり闘志を燃やし出す。胃の容量は天ぷら茶漬けで6.9kg。新潟のご当地タレントで、将来は女優を目指しているが、お世辞にもその演技力は褒められたものとはいえない。ふなっしー好きで、ふなっしーのことになると奇声を発する。以前、私はMAX鈴木行きつけのお店に友人と食べに行った時に、偶然おしんちゃんに出くわして少しお話しをさせて頂いたことがある。そのときはちょうど2016年の元祖!大食い王決定戦 女王戦でもえあずが二連覇した大会の後だった。人間とは不思議なもので、一度会った人のことは応援したくなるものだ
[弱点]:後半の精神力が弱い。/食べ方がちょっと汚らしい。器の持ち方が変わっている。器の扱いが雑で品が足りない
[記録]:〈2015年 3月〉イカ墨パスタ 4.4kg(45分/ほぼ4.8kg完食)、まいたけカレー 5.6kg(45分/豚の角煮有り)、バナナ 6.15kg(45分/1本50g・皮除く/ドクターストップまでの記録)/〈2015年 9月〉寿司 4.29kg(30分/1貫30g)、しらすの天ぷら茶漬け 6.6kg(45分/ほぼ6.9kg完食)/〈2016年 4月〉北京ダック 3.6kg(45分/1本50g)、ワカサギフライ 2kg(45分/20匹100g/キャベツの千切り 付け合わせ)、ローストビーフ丼 3.6kg(45分)、チーズバーガー 4.2kg(45分/1個300g)、マグロステーキ 3.39kg(45分/にんじん等の野菜 付け合わせ)/〈2016年 10月〉冷麺 3.6kg(45分/スープ除く)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6kg(30分)
ゆりもり[石関友梨]
[特徴]:持久力
急いだり慌てたりといった様子はほとんどなく、冷静にきれいに食べ進めるのが特徴。しばしばライバルのミスさちよ[桝渕祥与]と接戦を繰り広げることがある。大食いの実力は両者それほど大きな差はないが、若干ゆりもりのほうが上である。初代高崎パスタ大使として精力的に活動している
[弱点]:スピードが遅い。/辛いのが苦手
[記録]:〈2014年 9月〉焼き餃子 3.62kg(45分/1個24g)、手巻き寿司 3.5kg(45分/1本50g・具材はサーモンと南魚沼きりざいの二種)、トマトミートスパゲッティ 4.5kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 6.1kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)、グリーンカレー 5.336kg(45分)/〈2015年 3月〉寿司 3.18kg(30分/1貫30g/ネタはまぐろ・カンパチ・玉子の3種)、イカ墨パスタ 5.2kg(45分)、まいたけカレー 5.6kg(45分/豚の角煮有り)、バナナ 6.95kg(45分/1本50g・皮除く)、骨付きフライドチキン 3.5kg(45分/1本50g・骨除く)/〈2015年 9月〉寿司 4.02kg(30分/1貫30g)
ミスさちよ[桝渕祥与]
[特徴]:スピード
元ミス鎌倉。ゆりもり[石関友梨]と戦うことが多い印象。肉系が好物。スピードを意識した食べ方をするのが特徴。カワザイルやおしんちゃんと同じく、とにかくガシガシと口に詰め込んで、急いで食べようとする。彼女の胃袋は元々それほど大きくないので、試合で活躍するためにはとくに精力的なトレーニングが欠かせない
[弱点]:わりと早めに限界がきて、あまり持久力がない
[記録]:〈2014年 9月〉焼き餃子 3.62kg(45分/1個24g)、手巻き寿司 3.4kg(45分/1本50g・具材はサーモンと南魚沼きりざいの二種)、トマトミートスパゲッティ 4.5kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 6.1kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)、グリーンカレー 5.312kg(45分)/〈2015年 3月〉寿司 3.42kg(30分/1貫30g/ネタはまぐろ・カンパチ・玉子の3種)、タンシチュー 6kg(45分/にんじん・ブロッコリー・フライドポテト 付け合わせ)、まいたけカレー 5.6kg(45分/豚の角煮有り)、バナナ 6.375kg(45分/1本50g・皮除く)、骨付きフライドチキン 3.55kg(45分/1本50g・骨除く)/〈2015年 9月〉寿司 4.2kg(30分/1貫30g)/〈2016年 11月〉チキンカレー 4.8kg(30分)
ミセスかよ[中島佳代]
[特徴]:テクニック・経験知識
自分なりに食べ方を研究していて、ハムスター食いや小林尊がフードバトルクラブ時代に実践していた小刻みに咀嚼する食べ方(咀嚼するスピードを上げる。小刻みに噛むイメージ。嚥下力への負担を咀嚼回数でカバーする)などを会得している。スピードを求めるあまり、慌てすぎてしまう傾向にある。また、早く飲み込もうしているのか、それともハムスター食いの代償なのか、他の選手よりもこまめに水を摂るクセがある。こまめに水を摂るのは良いが、その一口一口の水の量が多いと結果的に胃の容量を圧迫することにもなるので、そこは一つ懸念している
[弱点]:見てて笑ってしまうほど慌て過ぎ。/周りを必要以上に見過ぎるクセがある。/食べ方がちょっと汚らしい
[記録]:〈2015年 6月〉ざる蕎麦 3.4kg(45分/ほぼ3.6kg完食)/〈2016年 4月〉焼き小龍包 5.4kg(45分/1個37.5g)、ローストビーフ丼 3.6kg(45分)、チーズバーガー 4.2kg(45分/1個300g)、マグロステーキ 3.378kg(45分/にんじん等の野菜 付け合わせ)/〈2016年 10月〉小籠包 4.8kg(45分)/〈2016年 11月〉チキンカレー 5.6kg(30分)
ズラちゃん[大森砂奈]
[功績]:元祖!大食い王決定戦 新人戦A 優勝(2016年)
[特徴]:持久力
2016年の元祖!大食い王決定戦 新人戦Aで歴代の新人戦タイ記録となる決勝ラーメン16杯を食べて優勝。試合中も試合後も、余裕な発言をすることが多い。テクニック・経験知識が不足しているが、まだ新人なのでリア[高橋ちなり]と共にこれからどこまで実力を伸ばせるか期待したい。特に胃力に関してはポテンシャルがありそう。試合中に周りの選手に抜かされたりされても、あまり動揺をみせずに冷静にもくもくと食べ進められるのが特徴。この姿は逆に相手にプレッシャーを与える。デビュー戦記録は葛ぜんざい 4.8kg。しかし今彼女は急成長しており、このデビュー戦記録は今の彼女の実力を計る参考にはならない。カツラがおしゃれアイテムで、色々なカツラを合わせておしゃれを楽しんでいる。本気になるとカツラをとることがある。しかし本人が試合に夢中になりすぎてカツラを取り忘れることもしばしばある。カツラネタで番組MCにイジられることが多く、その絡みが面白い。TOCHICOLLEモデルとしても精力的に活動している
[記録]:〈2016年 4月〉焼き小龍包 5.1kg(45分/1個37.5g)、ローストビーフ丼 3.6kg(45分)、チーズバーガー 4.2kg(45分/1個300g)、マグロステーキ 3.346kg(45分/にんじん等の野菜 付け合わせ)、〈2016年 11月〉チキンカレー 6.4kg(30分)、フライドチキン 1.95kg(30分/1本75g・骨除く)
リア[高橋ちなり]
[特徴]:持久力
外国語大学生。化粧が厚い。檜山先生[檜山普嗣]と同じ後半追い上げ型。序盤は周りのペースを見極めながら抑えめのスピードで食べ進め、中盤から終盤にかけて周りがペースを落とし始めた頃を見計らってギアを上げてくる老獪な戦い方をする。まだまだ若い新人なので今後の胃力やテクニックに期待できる。若さを生かした軽快なフットワークが魅力。ズラちゃん[大森砂奈]とは良きライバル
[弱点]:トップスピードはそれほど早いわけではない。/心が焦っているときの身体の挙動が分かりやすい
[記録]:〈2016年 4月〉焼き小龍包 5.25kg(45分/1個37.5g)、ローストビーフ丼 3.6kg(45分)、チーズバーガー 3.9kg(45分/1個300g)/〈2016年 10月〉小籠包 5.6kg(45分)、うな重 4.4kg(45分)、卵かけご飯 6.4kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6.4kg(30分)、フライドチキン 1.95kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 4.05kg(30分/6個150g)
ちょこ崎[小崎美里]
[功績]:元祖!大食い王決定戦 新人戦B 優勝(2016年)
[特徴]:スピード/胃力
2016年夏に行われた元祖!大食い王決定戦 新人戦Bで優勝した新人女性大食い選手。このデビュー戦では本人が顔出しNGのためサングラスをかけての出場となった。他の女性大食い選手に比べて口が大きく、それを生かして一口大きく食べるスピード重視の食べ方をするのが特徴。一口が大きく、スピードが早いという特徴はロシアン佐藤[佐藤ひとみ]と似ている。彼女の最大の特徴はトップスピードの早さ、そして熱さ[暑さ]に強いこと。また、食べ方に無駄がなく効率が良い印象があり、手が疲れてくると箸を短く持つなど試合中に試行錯誤できるテクニックも持ち合わせている。胃の容量はふぐ雑炊で6kg。食べやすい雑炊とはいえ、デビュー戦での6kgはポテンシャルの高さがうかがえる。この記録だけを見るならばズラちゃん[大森砂奈]より実力は上だと考えられる。ただこの試合で30分以降はほとんど杯数を伸ばせず、序盤のスピードとは裏腹に後半ガクッとペースが落ちた。これからもえあずやおしんちゃんなどの一つ上の実力者と張り合えるようになるには、とにかく胃力を鍛える必要がある。あと1kg伸ばして、茶漬けや雑炊などの食べやすいもので7kgいけるようになると、もえあずやおしんちゃんとも終盤まで互角に戦えるようになるだろう。胃力を伸ばせば持久力もおのずとついてくる。顎力、スピード、テクニックの要素は問題ないので、とにかく胃力、これに尽きる。彼女の特徴欄にスピードの次に胃力を挙げたのも今後への期待の表れ。ポテンシャル十分なので、これからの活躍に期待したい
[弱点]:後半逆転されないための持久力、および精神力
[記録]:〈2016年 7月〉ふぐ雑炊 6kg(45分)/〈2016年 10月〉卵かけご飯 5.8kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6kg(30分)
その他の記録
記録は2014年6月22日~2017年1月7日に放送されたテレビ番組内での大食い記録。時期的には第五世代だが、全てのフードファイターがその限りではない
▼大畑花蓮
〈2016年 4月〉ワカサギフライ 1.8kg(45分/20匹100g/キャベツの千切り 付け合わせ)/〈2016年 10月〉冷麺 4.2kg(45分/スープ除く)、卵かけご飯 6kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6.4kg(30分)、フライドチキン 1.5kg(30分/1本75g・骨除く)
▼アンジェラ佐藤[佐藤綾里]
〈2014年 6月〉シーフードパスタ 6.8kg(30分)、フライドチキン 4.32kg(30分/1本80g・骨除く/正確な記録は不詳)/〈2016年 11月〉チキンカレー 8.4kg(30分)、フライドチキン 2.7kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 6.75kg(30分/6個150g)、ステーキ 4kg(30分)
▼三宅社長[三宅智子]
〈2014年 6月〉ビーフカレー 8.5kg(45分)、ジャンバラヤ 4.4kg(30分)、サーロインステーキ 2.5kg(30分)/〈2016年 11月〉チキンカレー 8.8kg(30分)、フライドチキン 2.4kg(30分/1本75g・骨除く)、餃子 6.3kg(30分/6個150g)、ステーキ 3kg(30分)
▼BANK 仁井田[仁井田真由美]
〈2015年 6月〉麻婆ナス 2.25kg(45分)/〈2016年 4月〉揚げ焼きそば 5.7kg(45分)、ワカサギフライ 1.9kg(45分/20匹100g/キャベツの千切り 付け合わせ)、ローストビーフ丼 3.2kg(45分)
▼ドラコ(安東瀧[ロウ]/柴田)
〈2016年 10月〉小籠包 5.12kg(45分)、うな重 4kg(45分)、オムライス 5.2kg(45分)、卵かけご飯 5.6kg(45分/1杯分 ご飯140g+卵60g=200g)/〈2016年 11月〉チキンカレー 6kg(30分)
▼服部理沙
〈2014年 9月〉ポークソテー 3.4kg(45分)、トマトミートスパゲッティ 4.8kg(45分/具材に鶏肉有り)、殻付きエビの炭火焼き 6kg(45分/3尾100g・頭と殻を除く/食材枯渇による約30分の試合中断有り)/〈2015年 3月〉タンシチュー 6.9kg(45分/にんじん・ブロッコリー・フライドポテト 付け合わせ)、まいたけカレー 5.6kg(45分/豚の角煮有り)、バナナ 7.1kg(45分/1本50g・皮除く)、骨付きフライドチキン 3.5kg(45分/1本50g・骨除く)
▼キング山本[山本卓弥]
〈2014年 6月〉シーフードパスタ 6.4kg(30分)、寿司 6kg(30分/1貫30g・ネタはマグロ、サーモン、ハマチ、カルフォルニアロール、うなぎの5種)/〈2015年 1月〉ウニクリームパスタ 5.2kg(30分)、骨付きポークスペアリブ 約6.3kg(30分/1本75g・骨除く/正確な記録は不詳)
▼ギャル曽根
〈2015年 1月〉カルフォルニアロール 3.3kg(30分/1個25g)、焼き餃子 4.5kg(30分/1個25g)
▼やまけん[山田健太郎]
〈2014年 9月〉手巻き寿司 3.2kg(45分/1本50g・具材はサーモンと南魚沼きりざいの二種)、トマトミートスパゲッティ 3.9kg(45分/具材に鶏肉有り)
▼井上みえ
〈2015年 1月〉会津カレー焼きそば 2.6kg(45分/紅しょうが有り)/〈2015年 3月〉寿司 3.3kg(30分/1貫30g/ネタはまぐろ・カンパチ・玉子の3種)、イカ墨パスタ 4.8kg(45分)、まいたけカレー 5.6kg(45分/豚の角煮有り)
▼田口裕香
〈2014年 7月〉メンチカツ 2.45kg(45分)/〈2014年 9月〉手巻き寿司 2.2kg(45分/1本50g・具材はサーモンと南魚沼きりざいの二種)/〈2015年 3月〉寿司 3.12kg(30分/1貫30g/ネタはまぐろ・カンパチ・玉子の3種)、焼きチーズカレー 3.25kg(45分)、タンシチュー 5.4kg(45分/にんじん・ブロッコリー・フライドポテト 付け合わせ)
▼少林寺青木[青木優子]
〈2014年 9月〉ポークソテー 2.8kg(45分)
▼手代木純一:未記録
▼小金信光:未記録
▼桑野美香:未記録
▼木下ゆうか:未記録
▼伊豆原愛理:〈2017年 1月〉おでん 3.1kg(45分/黒はんぺん・牛すじ・しのだまきの3種)
▼梶村美成子:〈2017年 1月〉長崎 ハトシロール 2.21kg(45分/1本65g)
▼佐々木千夏:〈2017年 1月〉カニ雑炊 6kg(45分)
▼加賀彩花:〈2016年 7月〉アスパラの肉巻き 3.24kg(45分/1本60g)
▼日野理恵:〈2016年 7月〉十和田バラ焼き丼 2.8kg(45分)
▼澤根由起:〈2016年 7月〉そうめん 2.5kg(45分)
▼川合幸:〈2016年 7月〉そうめん 2.25kg(45分)
▼山下愛未:〈2015年 6月〉奄美名物 鶏飯 3kg(45分/鶏スープ茶漬けのようなもの)
▼米満千華:〈2015年 6月〉奄美名物 鶏飯 3kg(45分/鶏スープ茶漬けのようなもの)
▼大塚桃子:〈2015年 3月〉寿司 3.15kg(30分/1貫30g/ネタはまぐろ・カンパチ・玉子の3種)、焼きチーズカレー 3.25kg(45分)
▼田浦有夏:〈2015年 3月〉あんかけスパゲティー 3.25kg(45分)、イカ墨パスタ 4.4kg(45分)
▼橋尾優花:〈2015年 3月〉焼きチーズカレー 3.25kg(45分)
▼岡村めいみ:未記録
▼鈴木かほ:〈2015年 1月〉海鮮茶漬け 4.6kg(45分)、
▼新里由依:〈2015年 1月〉静岡おでん 黒はんぺん 2.05kg(45分/1本50g)
▼加藤成実:〈2015年 1月〉松阪牛コロッケ 3.28kg(45分/1個80g)
大食いテクニック
大食いテクニック
<常に理想の食べ方を追求できる対応力>
┗食材によって自分なりの食べ方を会得できる対応力を身につけることが大事。それには経験知識が必要
┗一皿5個入りの餃子が何皿も並べられてそれをどんどん食べていく競技で、多くの競技者たちが箸で二個ずつつまんで食べていく中で、小林尊は皿の手前で口を空けて箸で餃子を滑らせるようにして口に流し込む食べ方で最速記録を出した。このような食べ方なら箸でつまんで口に運ぶというロスをカットできる
┗ジャイアント白田のカレーライスの食べ方ではルーを手前、ご飯を奥にしている。これが逆だと確かに食べづらい。ちなみに小林尊はご飯とルーの境界線を自分の垂直方向に据え、ルーが右側、ご飯を左側にした食べ方である
┗皿を持ち上げて食べるのか、皿を置いて食べるのかの選択も食材によって変えていくべき。皿を持ち上げて食べると食べ物と口との距離を縮められるメリットがあるので液体系には有利。しかし手が疲れやすいこと、片手が皿を持つ為に埋まってしまうデメリットがある
<食材によってカトラリーの使い分けを>
┗ここでいうカトラリーとは食材を食べるために使う道具のことを指す。スプーン/フォーク/ナイフはもちろんのこと、箸、手も含む。制限時間内にいかに早くたくさん食べられるかにおいては、どの道具を使うかは非常に重要。一番速いのは手なので、手で食べられるものは手で食べるようにする。例えばステーキは通常ナイフとフォークを使って食べるが、可能ならば手で食べたほうが速い。また私たち日本人はご飯や丼物は箸で食べるのが一般的だが、早食い大食いをするならスプーンのほうが食べやすい。手が無理な場合は、その食材に応じて箸なら箸、スプーンならスプーン、フォークならフォークと、最も食べやすいものを選ぶ
<スピード勝負では、片手は水グラスを持つために確保しておく>
┗大食いでは液体系の食材でない限り、ほとんどの場合水を飲みながらの食事となる。水を飲むと食べ物を飲み込みやすくなる上、咀嚼も最小限にすませることができるメリットがある。そのため、可能ならば片手は常に水グラスをつかんでおき、こまめに飲めるような体勢をとれるとベスト。グラスをつかんでおくといってもずっと持ち上げて持っている必要はない。重要なのは水を飲む際の動作ロスを極力減らすこと
<水グラスはジョッキなどの重たいものは避け、軽くて持ちやすくそれなりに容量のあるものを選ぶ>
┗アメリカの早食い選手は紙コップを採用している
<飲み水は常温。冷たいと胃が収縮する>
┗飲む水は冷たすぎず、熱すぎず、常温かぬるま湯が良い
┗また水を飲むときは、一度に飲む量は最低量で済ませる。一度にたくさん飲みすぎない。早食いでは多めの水で流し込んでスピードを重視するべきだが、45分勝負の大食いであれば水を飲むことが胃の容量の圧迫につながるので、水の摂り方に関しては自分の身体とよく相談する必要がある
<最低限の咀嚼を心がける>
┗咀嚼回数が多いと満腹中枢が刺激されやすい上に顎に負担がかかる。水の助けをかりて咀嚼は最低限にとどめる。どの程度まで咀嚼したら飲み込めるか、自分の嚥下力[えんげりょく]をよく知っておく必要がある
<極度の空腹状態は避ける>
┗昼にたくさん食べるからといって朝食べないとかはやめる。極度の空腹状態から食べるとそれほど多く食べずとも脳はすぐに満腹感を覚えてしまう。また極度の空腹状態からでは胃の伸縮性も悪い
<周りに合わせたときのペースがオーバーにならないように気をつける。自分のペースで、それでいて常に自分なりのMAXでとばす。ペース配分などは無意味>
┗自分のペースでよいが、故意にペースを落とすことはやめて、常にMAXで食べ進めるのが大事。ペースうんぬんよりも、結局は限界まで食べてそこからどれだけ限界突破できるかが勝負になるのだから。ペースを落とさず食べ進めることが大事なのではなくて、強い精神力をもってトータルでどれだけ多く、あるいは何kg食べたかのほうが大事
┗例えばケーキなどの甘いものは甘い飽きがくるとぱたっと食べられなくなってしまうし、麺類は後半胃の中で膨らんでお腹いっぱいになってくるので序盤のスピードが大事である。食材によってこういった違いはあるが、最初からトップスピードで食べて損する食材はない。ペースがオーバーになりすぎないようにだけ気をつける
┗特に序盤は他の選手のペースに流されず、自分のペースを保つことを心がける。序盤の順位は最終順位に関係ない。なので序盤の順位は気にする必要はないし、序盤の主導権争いなど無意味
┗ただし制限時間ギリギリの終盤は終了直前に一杯(一皿)稼げるようにペースを調整することは大事
<目標皿数あるいは個数を決めて、それに向けて頑張る>
┗目標設定のしかたは自由。制限時間内に合計何キロ食べるといったおおまかな目標設定でもよい。45分勝負であれば15分ごとの三回に分け、最初の15分は何キロ食べるといった小刻みな設定でもよい。大事なのは目標を決めること、そしてそれに向けて頑張ること。強者はいつも自分との戦いをしている
<一口一口のリズムが大切>
┗一皿何秒と数えるよりも、一口一口をリズム良く食べ進めるほうがよい。これに長けているのがトップクラスのスピードをもつMAX鈴木。後半は根気がものを言う
<一度に咀嚼する食べ物の量は多めに>
┗食べ進めるというのは<食べ物を口に運ぶ>→<咀嚼し飲み込む>、この二工程の繰り返しが基本的な流れである。一度に咀嚼する食べ物の量を多めにして工程の繰り返し回数をなるべく短くしていくほうが、大食い・早食いにおいては効率的で早い食べ方になる――もちろん色々な戦術があり例外もある。そういう意味では一口を大きく食べる“大口”は効率的な食べ方の理にかなっている。ただ、結果的に口に含んだ食べ物の一度に咀嚼する量を多めにすればいいだけなので、一度に口に運ぶ量を多めにするのか、小刻みに口に運んでいくピッチ走法にするのかは食材に応じて変えていくべき。多めに口に含んで咀嚼するといってもたくさん口に含みすぎても咀嚼しづらくなるし、一度に飲み込める量は決まっているので、個人の無理のない範囲でなるべく多めにと心得ておくとよい。また、食材によって、個人によっては口に運びつつも、同時に咀嚼し飲み込んでいく「小系」のほうが有効の場合もあるので、どんな食材のときにどんな食べ方が自分に合っているのかに関しては一度研究しておくとよい
※「小系」は口に運びつつも、同時に咀嚼し飲み込んでいく軽快な食べ方で、食材によってあるいは水の摂り方によっては最もスピードが出る食べ方。ちなみにこまめにではなくずっと口に食べ物をくわえたまま、同時にどんどん咀嚼し飲み込んでいく「つづけ食い」もある
<勝負はナメたら負ける>
┗デカ盛りチャレンジでもそうだが、これくらい余裕だと高をくくってかかると痛い目にあう。最初から本気のスイッチを入れて、圧倒的なパフォーマンスで他を驚かせるくらいでなければプロの大食い選手とは言えない
<綺麗に食べるコツは、安定させてから口に運ぶこと>
┗綺麗に食べるコツは、口に運ぶ途中でこぼれないように、すくった食材を安定させてから口に運ぶこと、そして大きく口を開けること。MAX鈴木はカレーライスを食べるとき、スプーンですくったカレーライスを少し振って落として安定させてから口に運んでいる。そして他の食材のときでも、口にくわえたものを咀嚼しながら続けて押し込む「つづけ食い」をしない。つづけ食いをすると食べ方が汚らしく見えてしまう。カワザイル[河田大志]やおしんちゃん[おごせ綾]はよくつづけ食いをするが、確かに彼らの食べ方は綺麗とはいえない。また、つづけ食いをよくする大食い選手はとにかくガシガシと口に詰め込む食べ方をする特徴がある。2015年の元祖!大食い王決定戦 最強戦 準々決勝 空芯菜炒めの試合を見るとよく分かるが、カワザイルともえあずは咀嚼しながらどんどん口に食材を運ぶ「つづけ食い」をしている。MAX鈴木は一口入れて咀嚼し飲み込んでから、次の一口を入れる食べ方をしている。つづけ食いは咀嚼回数が多くなり顎に負担がかかる
<切り分ける作業は無駄なので最小限にとどめる>
┗細かく切り分ける作業をしているとどうしても注意散漫になり咀嚼スピードが落ちてしまうので、食べることに専念できるように他の作業は最小限に留めるようにする。例えばステーキの大食いでは、通常ナイフとフォークを使って食べるが、一番速いのは手でハムスター食いをする食べ方。ナイフとフォークを使って食べる場合でも、ナイフで細かく切り分けて食べるよりかは、ある程度大きめに切った食材をハムスター食いで細かくするほうが早く食べられる
<マイセットを持参する>
┗マイ箸、マイスプーン、マイフォーク、マイすくいザル、マイグラス、マイタオルなど。ラーメンの大食いではすくいザルがあると便利。スプーン一つとっても、様々な形状や大きさがあるので、自分の口の大きさも考慮して最適なマイスプーンを選ぶ。大会やお店によってはマイセットの使用が許されない場合もある
┗海外ロケの場合はなおさらだが、国内ロケでも夏なら虫よけクリームと日焼け止めは必須。虫よけスプレーより虫よけクリームが良いらしい。またほとんどの大食い選手は軒並み体脂肪率が低いが、体脂肪率が低いと寒さに弱くなるので使い捨てカイロなどもあるとよい。大食いで腹部が膨張することを考ればカイロは腰回りに貼ると効果的。手指のケアも大事で、試合が連戦続きになると、食材を手で触ったり、手が油分や塩分まみれになったり、トイレに行く回数が増えたりすることで手が荒れてくるので、液体絆創膏[水絆創膏]を用意するとよい
┗試合で口の中の粘膜がはがれたりのどを裂傷したりする場合がある。最も多いのは、試合中に頬の内側の粘膜を噛んでしまって口内炎になるケース。また、揚げ物は冷めると衣が固くなり、口の中を傷つけやすい。こういった口腔内トラブル用に口腔用トローチを持っていると良い。口腔用トローチはドイツでのみ販売されているReckitt Benckiser社の「Dolo-Dobendan」がおすすめ(http://tokyo.talentnavi.biz/charukok/1222)
<事前準備が大事>
┗髪の毛が食べるときの邪魔になるなら事前に結っておく。熱いものを食べるときは暑くなるので最初から薄着にする
┗どうせ後でゆるめるのなら、最初から下着のホックをゆるめておく。それか、もえあずのようにそもそも下着をつけない。上着は腹部を圧迫しない大きめのチュニックやワンピースが試合着に適している
┗タオル、ティッシュ、ゴミ箱、数杯の水、カトラリーなどを傍にセットする
<味を感じないくらいに集中する>
┗一度に同じものをひたすら食べる大食いでは、味に飽きて食材が喉を通らなくなることがある。これは自立神経が働いて身体が食材を拒絶するサイン。味を感じながらだとしだいに味に飽きてくるので、試合ではもう味を感じないくらいに集中すること。大食いはスポーツである。味わっていては勝つことはできない。小林尊はアメリカで大食いをスポーツに変えた男。もし彼が大食い早食いで味わうことを考えていたら、ソロモンメソッドなどという食べ方は思いついていなかっただろう
※[ソロモンメソッド]:一つの食材の中で、ピッチ走法で食べるような肉系や弾力のある食材とストライド走法で食べるような食べやすい食材とを分けて食べる方法。小林尊がアメリカのネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権 2001年大会で初めてこれを披露した。例えばホットドッグであれば、ソーセージとパンを別々にして先にソーセージをピッチ走法で食べてからパンを食べるというようなぐあい。小林尊はさらにパンを直接水に浸して食べることで飲み込みやすくさせるといった方法も試したことがある。チキンバーガーであれば、チキンとバンズを別々にし、弾力のあるチキンはピッチ走法で、バンズはストライド走法で食べる
<熱いものは無理に口に運ばず、効率よく冷ましながら食べ進める>
┗熱いものは冷ましかたが勝負の行方を左右する。これに代表的な食材がラーメン。テレ東の大食い王決定戦では決勝戦はラーメンと決まっている。数々の歴代の強豪が決勝戦でラーメンを食べてきたが、熱いものの冷まし方に関しては絶対王者のドクター西川を見るととても参考になる
<勝つための秘訣は“箸を止めないこと”>
┗これは番組MCを22年間務めた中村ゆうじがずっと言ってきたこと。辛くても箸を止めないこと。箸を止めること、それは心が折れてしまい、負けを認めたことを意味する
<大食い後に身体を楽にする食べ物>
┗[甘いデザートは胃を楽にさせる]:かつてある大食い選手が、「試合後や苦しい時に、アイスとか生クリームを含むデザートを取ると楽になりやすい。ただし、そのタイミングが早すぎても遅すぎても意味がなく、そのタイミングを逃すと後が大変になる」と語った。本来人間は甘いものに快楽を感じやすく、満タンになった胃に食後のデザートとして糖質と脂質を多く含むものを食べると、胃の蠕動運動と食物排出が促進され、胃が楽になったと感じる。これは、甘くて美味しそうなものを目にすると、脳内で「オレキシン」という神経ペプチドの一種が分泌され、これによって胃の消化活動が促進され食べ物を取り入れるためのスペースが胃の上部に作られるためで、いわゆる“別腹”のメカニズムとして解明されている。つまり、食後のデザートは実際に胃の消化活動を促進させ、胃を楽にさせてくれる。また、甘味を摂ると血糖値の上昇によって食後の満腹感が得られやすくなる
┗[乳化剤は胃を楽にさせる]:甘いデザートのほかにも、“乳化剤を含む食べ物”を大食い後に摂取することで身体が楽になるとも言われている。乳化剤とは、水と油のように通常では混ざりにくい二つの物質を均一に混ざりやすくするために使われる食品添加物のこと。商品パッケージ裏の原材料名欄に乳化剤と書かかれていたり、チョコレートの原材料名欄のようにレシチン(大豆由来)と違う名称で書かれている場合もあるが、いずれも乳化剤。乳化剤を多く含む食べ物といえば、卵黄、納豆、チーズ、マヨネーズ、レバー、うなぎ、コーヒー用ミルク、そしてアイスクリームなどのデザートにも多く含まれている。大食いしたあとで身体が苦しいときは、例えば納豆に卵黄をかけて食べるのもよいかもしれない
┗[酸の補充は大食い後の消化不良や胃酸枯渇を助ける]:大食い後に身体を楽にするものではないが、大食いで酷使される胃酸を補うための酸の補充は大事。といってもお酢をそのまま飲むわけにもいかないので、酸の補充として最適なのはオレンジジュース、グレープフルーツジュース、その他柑橘類の果物。マヨネーズにも酸は含まれているが、しかしマヨネーズの主成分は油であるため、酸の補充というよりは乳化剤の摂取による胃の粘膜保護剤としてのエマルジョン[乳液]の働きのほうを期待すべきかもしれない。大食い選手は普通の人の10倍近くの食べ物を胃におさめる。となると胃酸も大量に分泌させなければ、消化活動は一向にはかどらない。大食いにおける消化不良や胃酸の枯渇問題は、特にハードなスケジュールで高頻度に大食いをした場合に顕著に現れ始める。たとえば元祖!大食い王決定戦の大会日程は七日間で七試合、あるいは三日間で五試合を戦うといった厳しい試合日程であることも多く、胃酸・消化酵素の過剰分泌が続くことによって選手がある時点を境にピタッと消化液が出なくなってしまったこともあり、このことから全員が最大限に食べて最下位が脱落する「青天井方式」から、一定量を完食できた人のみ勝ち抜けとなる「標準記録方式」がルールとしてとられたこともあった。ちなみに余談だが、コーヒーは酸性度が低い。一方で牛乳は、逆に酸を中和しなければならないケースにおいて最も理想の飲料である
<過去の大食い番組を観て勉強する>
水の摂り方
大食いで水を摂るというのはパフォーマンスを上げるのにとても重要な要素で、水をどれだけ摂れるかでパフォーマンスは大きく変わる。だからといって積極的にとれば良いというものではない。水を摂ればその分容量も圧迫される。特に制限時間45分の大食いのときは結局のところ容量勝負的な面が大きい――食材によっては顎力勝負や熱さ勝負のときもあるが。だからやっぱり強かな大食いのベースは胃力。食べ方の違いによるパフォーマンスの向上よりも、より水を摂ることによるパフォーマンスの向上のほうが大きい。容量、嚥下力、顎力などのうち、どれか一つの要素が著しく低下すると全体のパフォーマンスがガクッと落ちる。食材に応じて、また不利[ビハインド]を補いながら、容量、嚥下力などの各要素を“バランス良く負担させる[耐久バランスを一定に保つ]”食べ方および水の摂り方が最も望ましい
[水を摂るメリット]:食べ物が飲み込みやすくなるので、顎力と嚥下力の負担が軽減する。飲み込みやすくなることで咀嚼回数が少なくすみ、スピードが出せるので早食いに適している
[水を摂るデメリット]:胃の容量を圧迫するので胃の容量勝負となるような大食いでは慎重に摂る必要がある
[容量よりスピード勝負となるような試合]:こまめに水を摂って流し込むスピード重視
[顎力/嚥下力の負担が大きい食材]:多少の容量は犠牲にして、こまめに少量の水を摂って顎力/嚥下力の負担を減らす
[顎力/嚥下力の負担が普通の食材]:前半は水分抑えめにして、顎力/嚥下力の負担が大きくなってきたらこまめに水を摂って流しこむというように、状況判断をしながら柔軟に戦い方を変える
[顎力/嚥下力の負担が小さい食材]:極力水を摂らずに容量重視
上はあくまでもセオリーで、実際は食材や試合の目的・時間、自分の胃の容量と顎力/嚥下力の持久力を考慮して水の摂り方を考えるべき
顎力/嚥下力に負担のかかる食材かそうでないか、スピード重視の早食いか容量勝負の大食いかに応じて、試合経過ごとの局面での状況判断に応じた最適な水の摂り方を考える。自分の胃の容量と顎力/嚥下力の持久力を把握し、この二つの耐久バランスを保ちながら最後まで食べ続けられるような、あるいはパフォーマンスを高められるような水の摂り方が理想
※飲み込みづらい食材は水を多く摂ることになるが、そのほかにも塩分の多い食材は喉が渇きやすい
トレーニング
胃力のトレーニング
胃力を高める(胃袋を広げる)=胃の伸縮性を高める、ということ。胃の伸縮性を高めるには、限界容量まで胃を膨張させるトレーニングを繰り返し行う。水を飲んで胃を拡張するトレーニングを基本として、うまく水を使って胃力のトレーニングを行う。単純に胃力のトレーニングだけをするなら、デカ盛りチャレンジは不向きだが、デカ盛りを食べるトレーニングをする前に水を飲むなどして完食後に胃を限界容量まで持っていくことで胃の伸縮性をより高めることができる。逆に大食い後で胃が限界に近い状態から水を飲むと吐き気が起こるので、吐きたくない場合は限界に挑む胃力のトレーニングは慎重に行ったほうがよい。大食いをした後に、あるいは限界まで食べた後に水をたくさん飲むと吐き気が起こる理由には、水を飲んだことでいよいよ胃が限界を迎えて逆流が起こったと考えられ、食べ物も限界まで食べると吐き気が起こると考えられる。もう一つ、流動性のある水が逆流しやすいという理由もあるかと
重点的に胃力のトレーニングだけをするなら、咀嚼筋を使わずにするする入れられる食材で胃のキャパを広げるトレーニングをするのが良い。水を始めとして、おかゆ・雑炊、茶漬け、スープなども胃力のトレーニングには最適な食材。トレーニングでは、自分がどれだけ成長したかが把握できるように、食材と水は必ず測って記録する。胃の容量は<試合中に食べる食材の重量+コップで飲む水の量>で考える
顎力のトレーニング
[開口訓練]:最大限に開口し、その状態をキープする。手で顎を下から押さえる、あるいは指3本で下の歯列を上から押さえるなど、抵抗を加えながらの開口訓練も有効。大きく口をあけて10秒、そして10秒休憩、これを5セット続ける。これを1日に2度実行する。飲み込みに重要な働きをする舌骨上筋が鍛えられて強くなると、食道の開口部分が以前に増して大きく開くようになり、嚥下がスムーズになる。/別のトレーニングとして、その開口状態から下顎の上げ下げ運動を行う。舌骨上筋群の強化目的
[バイトトレーニング]:日常の食生活でよく噛んで咀嚼回数を増やすことにより咀嚼筋を鍛える。このためオフシーズンや普段の食事は、少量をよく噛んで食べるほうが良い。これには咀嚼筋のトレーニングと減量の二つの目的がある。特に硬いものや弾力のあるものは咀嚼筋が鍛えられやすい。咀嚼筋の中でもっとも強力で、かみしめるときに働く筋肉である咬筋[こうきん]が発達していると、その強大な筋肉を支える骨が隆起してくる。これが俗にいうエラ張りで、顎力が発達するとエラが張ってくる。魔女 菅原[菅原初代]のエラ張りを見れば、その顎力の強さがうかがえる。一方で、食いしばりなどのハードなトレーニングは顎関節症になるリスクもある。顎力を鍛えるものとしては「チューイングブラシ」を使う例もある
┗[硬い食材、弾力のある食材、咀嚼筋を使う食材の例]:いか、タコ、スルメ、貝類、ガム、食物繊維の多い食材(ごぼう/にんじん生/キャベツ/セロリ生/きゅうり/大豆/切り干し大根/その他根菜類)、煎餅、煮干し、バケット、餅、こんにゃく、たくあん、油揚げ、分厚い肉、砂肝など
嚥下力のトレーニング
嚥下力とは、簡単に言えば飲み込む力のことで、食べ物を飲み込んで胃に送り込むのどの力や食道の蠕動力のことを指す。また嚥下力の強さは、試合終盤で胃からの逆流に耐える力の強さでもある。いかに少ない咀嚼回数で飲み込めるか、あるいは一度に多くの量を飲み込めるか、いわゆる飲み込む力を鍛えるのが嚥下力のトレーニング。嚥下力が強いと少ない咀嚼回数でも飲み込めるので顎力の負担軽減ひいてはスピードUPにもなり、胃力も十分に生かすことができる
[首のトレーニング(1)]:首すじを伸ばすことを意識しながら、首の上下運動をしたりぐるっと大きく回したり左右に振ったりする運動を行う
[首のトレーニング(2)]:あお向けの状態になり、顔を上げて足のつま先を見る体勢をキープ、上げ下げ運動を行う。このとき肩が一緒に上がらないように気をつける
[首のトレーニング(3)]:額に手を当てて抵抗を加えつつ、おへそをのぞきこむように強く下を向く。このとき顎の下を触ってみると筋肉が働いているのが分かる。舌骨上筋群の強化目的で、食道入口部の開大、および食塊通過の促進
[嚥下力のトレーニング]:食べ物を飲み込んだ時ののど仏が上がっている状態を息を止めてキープする。試しにつばを飲み込んでみるとのど仏が上がっている状態を理解しやすい
[舌筋力のトレーニング]:舌の先で歯茎の前面部分をなぞるように舐め回す。この舌を回す運動を何周か行い、逆周りも何周か行う。/別のトレーニングとして、舌筋力を使うような舌の抵抗運動(舌の出し入れ、上下左右運動)を行うことで舌筋力の強化を図る
食べ方の研究
大食いのテクニック・経験知識がなければ胃力と顎力を最大限生かすことはできない。特に大食いのパフォーマンスを高めるには、自分の理想の食べ方で効率よく食べ進められることが重要だが、それには食材に応じて柔軟に食べ方を変えていくことが求められる
<ピッチ走法[ハムスター食い]⇔ストライド走法(一口を大きく口に運ぶ)>
「ピッチ走法」はハムスターのように小刻みにちぎりながら食材を口に運ぶ食べ方で、ドクター西川が得意としていた。一方で少量ずつこまめに口に運ぶ食べ方もピッチ走法という。「ストライド走法」は、一口を大きく口に運ぶ食べ方。ストライド走法のほうがスピードは速いが、顎や咀嚼筋にかかる負担は大きくなる。ピッチ走法はかたいものを食べるときに最も有効な食べ方で、それも試合時間が長いほど生きてくる食べ方。ただしピッチ走法は水分を多めに取ることになるので、胃の容量と相談する必要がある。イカ・タコなどの弾力のある食材、硬い食材、ステーキ・ソーセージなどの肉系はピッチ走法で、それ以外はストライド走法で食べ進めるのがセオリー。例えばピザであれば、やわらかい内側の生地部分は一口を大きく食べるストライド走法で、硬い外側の耳部分は小刻みにかじるピッチ走法でというようなぐあい。ただし、最も記録の出る理想の食べ方は、食材に応じて柔軟に食べ方を変えていくのはもちろんのこと、試合の目的や自分の長所短所も考慮する必要がある。『ピッチ走法』の食べ方は、「フードバトルクラブ the 2nd」のステーキ対決で、小林尊と射手矢侑大が途中から手でステーキを食べる食べ方が参考になる(https://youtu.be/4AfQS5plgG4?t=5m1s)
<ソロモンメソッド>
一つの食材の中で、ピッチ走法で食べるような肉系や弾力のある食材とストライド走法で食べるような食べやすい食材とを分けて食べる方法。小林尊がアメリカのネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権 2001年大会で初めてこれを披露した。例えばホットドッグであれば、ソーセージとパンを別々にして先にソーセージをピッチ走法で食べてからパンを食べるというようなぐあい。小林尊はさらにパンを直接水に浸して食べることで飲み込みやすくさせるといった方法も試したことがある。チキンバーガーであれば、チキンとバンズを別々にし、弾力のあるチキンはピッチ走法で、バンズはストライド走法で食べる。ソロモンメソッドは食材に応じてストライド走法/ピッチ走法、あるいはその中間にしたり少しピッチ走法寄りにしたりと、柔軟に食べ方を変えていくことで身体への負担を減らしながら食べ方の効率を上げることが期待できる
<大系ストライド走法⇔小系ストライド走法/大系ピッチ走法⇔小系ピッチ走法/つづけ食い>
「ピッチ走法」は少量ずつこまめに口に運ぶ食べ方を指し、「ストライド走法」は、一口を大きく口に運ぶ食べ方を指す。大系・小系とは、口に運んだ食材を飲み込むまでの口腔内の溜め込みぐあいのことで、口いっぱいに溜め込んでから水で流し込むのが大系、口に運んでからその都度嚥下するのが小系。小系は口に運ぶ量と飲み込む量を一定に保ちながら食べ進める
・[大系ストライド走法]:多くの量を口に溜め込んでから最低量の水で流しこむ。一度に水を摂りすぎないように心がけていれば、少ない量でこまめに水を摂るよりかは水分抑えられる。試合後半になるにつれて水の助けを借りずに食べ進めるのは難しくなってくるので、通常試合後半ではこのような食べ方が有効。また水をセーブする食べ方としても有効。ちなみに早食いではこの食べ方が最も効率的とされる。それには水を摂る回数をセーブするという意味合いも大きい。食材を口いっぱいに溜め込んでから水で流し込むのには水を飲む量と回数をセーブする意味がある
・[小系ストライド走法]:ストライド気味に大口で入れながら、どんどん飲み込んでいく。顎力/嚥下力がまだ強い試合序盤にこそできる食べ方だが、そのパフォーマンスは食材の飲み込みやすさによっても大きく左右される。嚥下力の強いロシアン佐藤はこの食べ方を得意としている。嚥下力が落ちてくるとしだいに口に溜め込むようになって大系ストライド走法気味になってくる。ちなみに早食いで片手で水グラスを掴みながら食べるなどこまめに水を摂れるようなケースであれば、むしろこの小系ストライド走法のほうが大系ストライド走法よりもスピードは速い
・[大系ピッチ走法]:小刻みにかじりながらピッチ走法で食べる食材のときに、多く口に溜め込んでから水で流し込む。弾力のある食材や固い食材をピッチ走法で食べるとき、特に手でかじりながら食べるいわゆるハムスター食いのときには有効な食べ方
・[小系ピッチ走法]:ピッチ気味に食べ進めながら、その都度少量ずつ飲み込む。つまり、少しずつ食べる。そのテンポを早くする。少量ずつ飲み込むので嚥下力への負担は少ないが、咀嚼と嚥下の繰り返し回数は増える。スピードは落ちるが、水をセーブするのに最適の食べ方。胃の容量が限界に近づくと最後はこのような食べ方になる
「つづけ食い」は、食材をずっと口にくわえたまま、同時にどんどん咀嚼し飲み込んでいく食べ方。口にくわえたものを咀嚼しながら続けて押し込む「つづけ食い」は食べ方が汚らしく見えてしまう。カワザイル[河田大志]やおしんちゃん[おごせ綾]はよくつづけ食いをするが、確かに彼らの食べ方はきれいとはいえない。また、つづけ食いをよくする大食い選手はとにかくガシガシと口に詰め込む食べ方をする特徴がある。2015年の元祖!大食い王決定戦 最強戦 準々決勝 空芯菜炒めの試合を見ると、カワザイルともえあずは咀嚼しながらどんどん口に食材を運ぶ「つづけ食い」をしている。一方でMAX鈴木は一口入れて咀嚼し飲み込んでから、次の一口を入れる「大系ストライド走法」で食べている
<麺類の大食い>
ラーメンの大食いでは、口にくわえた麺を全てすすろうとするとタイムロスになるので、ある程度すすったら歯でぶち切るほうがスピードが出る。全てすすらずに途中で麺をぶち切るのは印象が悪いかもしれないが、麺をすすり終わるまでは咀嚼に専念できないことを考えると、こういった時間のロスはなるべく短くして口に運ぶまでの時間を短縮するほうがスピード面では有利。また、口腔内いっぱいに食材を溜めるまでの到達時間も、一度に多く口にくわえてある程度すすったら途中で麺をぶち切る食べ方のほうが短いので有利。ただしそれも、麺を必要以上に持ち上げると口に運んだとき麺を噛み切るのに時間がかかるので、持ち上げる量にもバランスが必要。なべちゃん[渡邊康仁]はラーメンの大食いでの、麺のすすり方が無駄がなく効率的で食べ方が上手い。本人も麺類の大食いは得意だと語っている。/特に熱々のラーメンなどであれば、取り皿や水、スープなどを上手く使うと効率も上がる。熱々のスープに浸っている麺は冷めにくいので、最初に箸とすくいザル(または網目の細かい穴あきお玉)を使って麺を複数の取り皿に移し替えて冷ましておく。熱々のスープはピッチャーに入っている氷や水を足して冷ますとよい――ただしこれらのやり方がルール上許されるかどうかは別として。残り少ない麺をスープの中からすくうときはすくいザルがあると便利。スープも完飲しなければならない場合は、麺を食べるときに、氷を入れて冷ましたスープを飲みやすい容器に入れて水代わりに飲むと効率が良い
つけそばやそうめんなどのつゆにつけて食べる食材は、食材をつゆにつけて食べるよりも、つゆを食材に少しかけて食べる食べ方のほうが効率が良い。毎回つける手間がなくなる、つゆを使いすぎずに済む、すすらずとも器を持って流しこむことができるなどメリットが多い
同じものをひたすら食べるトレーニング/苦手なものを克服するトレーニング
大食いでは、同じものをひたすら食べ続ける忍耐力が求められる。同じものをひたすら食べ続けるトレーニングも必要
大食いでは食べる食材を選ぶことはできないので、どんな食材がきてもパフォーマンスが変わらぬようにしておかなければならない。苦手な食べ物を全てなくすトレーニングが必要。赤坂が現役時代にタコに苦戦して敗北したとき「もうタコは食べません」と言ったが、自分が苦手な分野こそ積極的にトレーニングして克服するのがプロというもの
腹腔内容積を広げるトレーニング/筋トレ
<腹腔内容積を広げるトレーニング>
お腹周りに筋肉や脂肪がついてしまうと胃の膨張を邪魔してしまう。内臓脂肪を落とすことも重要だが、腹壁の脂肪[皮下脂肪]を落とすことで腹の皮膚の伸びが良くなり、結果的に胃の膨張を邪魔しない。つまり、有酸素運動で脂肪を落として痩せる必要がある。また、深い腹式呼吸や上体そらしなどのストレッチで横隔膜を柔らかく保っておくと、胃の膨張に合わせて柔軟に容積を確保しやすい
<筋トレ>
筋トレといっても、お腹周りの腹筋や背筋は胃の膨張を邪魔してしまうので、腹筋背筋以外の顎、首、手、腕、下半身などの筋トレとストレッチを行うとよい
デカ盛りチャレンジ
デカ盛りチャレンジはこれまで鍛えてきた胃力や顎力のトレーニングの成果を確かめるための実践トレーニングという位置づけになるのであって、デカ盛りチャレンジをすることそのものは胃力や顎力を鍛えるのに最適なトレーニングだとは言えない。逆にデカ盛りチャレンジでの実践トレーニングによって自分に足りない能力を見出し、その能力を高めるためのトレーニングを行うことができる。デカ盛りチャレンジで失敗したとき、何が原因で失敗したのか、お腹がいっぱいでペースが落ちたために失敗したのなら胃力のトレーニングが必要だし、顎が疲れてペースが落ちたのなら顎力のトレーニング、食べ方に苦戦したのなら食べ方の研究をする必要がある。ちなみに、デカ盛りチャレンジ完食後の胃が限界容量に近い状態で水などの流動性のあるものをたくさん摂り入れると吐き気が増すので慎重に
大食いの資質/大食い アグリゲーション
大食いの資質
【胃力】
・胃の伸縮性
・体格[フレーム]の大きさ
・腹腔内容積(腹部内臓脂肪レベルの低さ・皮下脂肪率の低さ/横隔膜の柔らかさ/腹壁の伸縮力/腹腔内臓のコンパクトさ)
・消化能力の高さ(胃の分泌能力の高さ/胃腸の蠕動運動の強さ/基礎代謝量の高さ)
【顎力/嚥下力】
・咀嚼力の強さ(顎力の強さ/歯の強さ/歯のかみ合わせ)
・嚥下力の強さ(咽頭筋群の強さ/咽喉部の広さ)
・口腔内の広さ
【テクニック・経験知識】
・食べ方のテクニック/水の摂り方
・限界まで食べ続ける精神力の強さ/ひたすら同じものを食べ続ける精神力の強さ/苦手なものを食べ続ける精神力の強さ
・分析力/状況判断能力
・知識
※座高の高さと肩幅の広さが、体格[フレーム]の大きさの指標となる
※胃腸の蠕動運動が強ければ、食べ物を早く腸へ送り出し、胃にスペースを作ることができる
※嚥下力(咽頭筋群)を鍛えると首が筋肉質になる。首が太くなるわけではない
※試合が連戦続きの場合は、胃酸の枯渇やその他の負傷トラブルを考慮して、力を抑えて勝つというのも試合巧者である
※その他の大食いの資質として、熱さ[暑さ]への強さ、唾液分泌量の多さなどもある。唾液分泌量の多さは嚥下運動を助ける
※資質といっても、先天的な要素、後天的に鍛えることが可能な要素が混合している
栄養吸収率の良くない体質
食物の栄養吸収率が悪いと、一般人に比べて消化スピードが早く、栄養とカロリーの吸収率が悪いために、一般人よりたくさん食べないとどんどん痩せていってしまう。いわゆる「痩せの大食い」と呼ばれる人たちの体質だが、そのほかにも元々の胃の大きさ、動いていないときに消費されるエネルギーの基礎代謝量、胃の伸縮性なども彼らの体質を特徴づけている要素だと考えられている。もっとも、胃袋の壁は粘膜と筋肉で出来ているため、引き伸ばせば少しずつ伸びていくことを考えると、胃の伸縮性などはトレーニングで鍛えられる要素も割合多い。大食い番組で活躍する人はみな痩せているが、この人たちはむしろ“痩せているからたくさん大食いできる”といった解釈がふさわしい。なぜなら、栄養吸収率が良い人はたくさん食べようとすれば太り、お腹周りに付いた脂肪で胃の容量も圧迫されるので結局大食いには向かないから。もちろん、こうした痩せの大食いの人が一般人より食べる量が多いといっても、ある程度食べれば満腹感を感じる。だが食べてもなかなか栄養もカロリーも吸収してくれない非効率な体質であることは確か。それゆえ、痩せの大食いの人は逆に太れないという悩みを持っていて、たくさん食べて痩せすぎないように努力している人が多い――もちろんこれには個人差がある。/痩せの大食いの人は消化スピードが速いので、大食いした後も数時間経てばお腹も苦しくなくなる。しかし、消化スピードが早い=消化が良いというわけではない。非日常的な大食いでは一般人の10倍近くの量を食べるため、大食いをした翌日に消化不良で下痢をすることもある。また、消化不良は下痢だけでなく吐き気や嘔吐、胸やけや体重減少が起こることもある
「痩せの大食い」の中には、昔太っていてそこからダイエットをして痩せた途端に大食いができるようになったというケースも多いという。私生活のストレスなどでやけ食いをした人が激太りし、ダイエットをしなくてはという気持ちにかられてダイエットをして体重を落とした後に、何らかの原因で胃拡張がなされ、一度に明らかに多くの食物を取り入れることができるようになる場合がある。太っていた時期からのダイエットによって途端に大食いできるようになったという点は、神経性無食欲症[拒食症]、神経性大食症[過食症]、特定不能の摂食障害に次ぐ4つ目の摂食障害として注目されている「むちゃ食い障害[BED]」の発症ケースに似通っているところがある。「むちゃ食い障害[BED]」は、これを発症するケースの一つに、<著しい節食による体重減少の直後に発症することが多い>というのがある。といっても「むちゃ食い障害[BED]」の人は過食症のように嘔吐や下剤使用などの代償行為を行わないために太っている人が多く、症状そのものは痩せの大食いには当てはまらない。しかし両者における、ダイエット直後に大食いできるようになったという過程の共通は、ダイエット直後の原因不明の胃拡張メカニズム、つまり大食い能力がいかにして後天的に開花されたのかを解明する上で見逃せない。このことに関しては、元々食いしん坊だった胃袋が、腹腔内の余分な内蔵脂肪や皮下脂肪が取れたことによってその空いたスペースにも胃袋が拡張できるようになった、というような推測をすることもできる。しかしならばなぜ体重はリバウンドしないのか、といった疑問は依然として消えない。痩せの大食いの人はリバウンドしないように日常の食生活の量はセーブしているということなのか。なべちゃん[渡邊康仁]は普段は一日一食しか食べないそうだが、その理由について彼は「体重が増えてしまうから」と述べている――彼自身、以前は太っていてそこからダイエットした経緯がある。それともここに「栄養吸収率」という先天的な体質遺伝も関わってくるのだろうか。しかし今やこの「先天的」という言葉にさえも、疑問符をつけざるを得ない
以前肥満体だった人が大食いの才能を開花させる点について、脳神経科医で以前「元祖!大食い王決定戦」の番組の選手ドクターを務めていた片山晴子先生は、大食い地方大会で妊娠・出産による体重増加や体型変化を経験した女性陣が軒並み結果を残す傾向が強いことに共通点を見出している。そして、後者の妊娠・出産と大食いの関係については次のような仮説を立てている
「産後の授乳期とは、オンナの人生のどの時期と比べても、”食べても太らない”時期に相当する。このことが、大食いを可能にし、かつ加速させる」
体格[フレーム]
胃は腹腔内にあるため、腹腔内の容積が大きい人ほど胃の伸縮性を存分に生かすことができる。腹腔内の容積はその人の胴体の大きさ、つまり座高と肩幅の大きさから大まかに見ることができる。このように体格[フレーム]の大きい人ほど腹腔内の容積は大きく、胃力のポテンシャルは高くなる。ジャイアント白田やドクター西川がその代表格
腹腔内の容積を広げるための一つの方法として、有酸素運動で内蔵脂肪・皮下脂肪を落とすというものがある。また比較的先天的な要素として、胃が膨張したときに肝臓や膵臓、腎臓といった腹腔内の臓器が上手に移動してスペースを作ることができるか、あるいはこれらの臓器のコンパクトさも腹腔容積に影響を与える
一方で、腹腔は、横隔膜から骨盤までの間のことを指し、胃が他の臓器を圧迫しながらどんなに膨張したとしてもこの腹腔から出ることはない。そもそも胴体部分は、肺や心臓が入っている「胸腔」と、胃や肝臓が入っている「腹腔」が“横隔膜”を境にして構成されている。横隔膜はドーム状に広がっている膜状の筋肉で、ちょうど肋骨のすぐ下の部分にある。横隔膜の筋肉は呼吸によって収縮すると下に動き、胸腔内が広がることで空気を肺に取り込む。逆に息を吐くときは腹筋が収縮し腹腔内の圧力[腹圧]が高まり、ゆるんだ横隔膜が上に押し上げられ、空気を肺から押し出す。しかし横隔膜が硬くて柔軟性がないと、腹腔内のスペースが狭くなり、他の内臓が圧迫されて内臓機能が低下してしまう。そのため腹腔内の容積を広げるためには横隔膜を柔らかく保つ必要がある。横隔膜が硬くなっているかどうかを調べるには、呼吸の長さを測るとよい。横隔膜が柔らかいほど、呼吸は深く、長くなる。また、横隔膜を柔らかくさせるストレッチとして、負荷をかけた深い腹式呼吸や上体そらしが有効
大食い アグリゲーション
食塊が胃に留まる時間
食物が胃に留まる時間は、食物の量と質によって違ってくる。胃へ到達した食物が小腸へ移行するまでに要する時間を胃内容排出時間[GET]といい、胃内容物の完全な排出時間の半分値はGET1/2値で表される
胃は、食道から送られてきた食物を消化しやすいように粥状にし、これを小腸へ送り、小腸で食物の本格的な消化・吸収が行われる。一般的には、食後10分後くらいから小腸への排出が始まり、短いもので1時間、長いもので5時間ほどで胃から小腸への移行が完了する。食物がどのくらい胃に滞留するかは食物の量と質、その人の体質や状態によって異なる。GET値[胃内容排出時間]で表すと、果物は食物酵素が多く含まれているので消化しやすく20分~30分、野菜で1時間~2時間、炭水化物(米、パン、パスタ、その他麺類)はでんぷん質を分解するための酵素が多く必要になるため2時間~4時間、たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品)は4時間~6時間。糖分・炭水化物に比べるとタンパク質は胃の滞留時間が2倍長く、脂質は胃の運動を抑制して、最も長く滞留する。一般的に、食物繊維よりタンパク質や脂質が多い食物はGET値[胃内容排出時間]が高く、腹持ちがいいということになる。一方で、GET値[胃内容排出時間]を半分の時間で表したGET1/2値[胃内容物排出半減期]では、スパゲッティ 75分、米食 55分、パン 45分、マッシュポテト 35分というある論文の報告がある。また、この上記四種の食事後の胃内容物残存率は、食後60分時点で50%~60%、食後180分時点で5%~20%となっている
試合の数日前からは、肉魚卵などのたんぱく質類は摂らずに、米パンパスタなどの炭水化物類や、野菜果物のメニューなど消化がよく身体に残らないものを中心に摂るようにし、胃の中を空っぽに保つコンディション作りが重要になる
胃内容物の排出速度を低下させる要因としては、主に脂肪を多く含む食物であることや同じ食物でも量が多いこと、逆に排出速度を上昇させる要因としては、空腹や不安・緊張などの精神状態にあることなどが挙げられる。血中の糖濃度が低下し空腹状態になると、胃の中に残っている前回食べたものの残りやつばと一緒に飲み込んだ空気を十二指腸へ送り出して胃の中を空っぽにしようという蠕動運動が起こり始める。これによって胃の収縮が活発になって排出速度が高まり、胃から十二指腸に送り出された空気が圧縮されて鳴る「空腹期収縮」が起こる。これがいわゆる空腹時にお腹が鳴るメカニズムである。また、同じ食物でも量が多いと胃に滞留する時間も長くなることが分かっている。例えば牛乳は、75ml 1時間15分、200ml 2時間、400ml 2時間30分と、量が多くなるとそれだけ消化に時間がかかるということになる
スポーツドリンクの一気大量飲みは危険
スポーツドリンクを一度に大量に飲むと、猛烈なめまいと頭痛・吐き気、動悸が激しくなるなどの症状があらわれる。これは急激な水分吸収に排出が追いつかないことにより身体に水が貯まってしまう「水中毒」の症状。水やジュースの大量飲みではそういったことは起こらないが、スポーツドリンクは本来胃壁からのすみやかな水分吸収を実現するために、血液との浸透圧の差を小さくしているので、水分が早く体内に吸収されやすく、ましてやこれを一度に大量に飲むとなると水中毒になってしまうのは避けられない。間違ってもスポーツドリンクを大量に飲まないように
小林尊は、大食いと年齢について「スピードは年齢の影響を受けるが、胃の容量は年齢の影響を受けない」と語っている
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草を目一杯食べて満腹になった牛は、地面にペタッとうずくまって胃の消化活動に専念するという。「食物の消化」というのは意外にも体力を使う仕事なのだということが分かる。自分の体調を顧みずに高頻度に大食いをすると胃の調子の低下を招きかねない
好きな大食い選手
圧倒的な強さの絶対王者ではジャイアント白田や小林尊などがいますが、私が大食い番組を好きになるきっかけが「MAX鈴木」(鈴木隆将)でしたので、もちろん好きな大食い選手はMAX鈴木です
MAX鈴木は2015年の男女混合戦でグランドスラム優勝しましたが、彼が大食いを本格的に始めたのは大会の1年ちょっと前からだったそうです。あるお店のチャレンジメニューを失敗して以降、自分には無理だできないと言ってデカ盛り挑戦から逃げ続けてきた男が、ふとしたきっかけで目覚め、それからわずか一年ちょっとで最強戦優勝はおろか、ジャイアント白田の不滅の記録(寿司30分200貫)を破って絶対王者の称号まで獲得、ポテンシャル高すぎです
MAX鈴木の特徴は新人離れした胃力、常にMAXで食べ進めること、きれいに食べるところです。個人的に心をグッと掴まれたMAX鈴木の好きなポイントは、器の扱いが丁寧なところです。試合では多くの選手が他に負けまいと焦って食べた後の器をガシャンと雑に重ねたりしますが、MAX鈴木は器を丁寧に扱い、借り物の器を割らないようにソフトに静かに器を重ねていきます。こういう点が、私がMAX鈴木を好きな理由の一つなのです
胃力や顎力に関しては歴代の絶対王者らにはまだ及ばないものの、MAX鈴木はまだ大食い歴が浅いので彼のポテンシャルを考えるとトレーニング次第では化ける可能性があります。また、新人なのに食べ方のテクニックや知識が豊富です。往年のジャイアント白田を彷彿させるような食べ方もそうですが、きれいに食べるところは実にジャイアント白田と共通しています。ドクター西川のハムスター食いもすでに会得していました。まあ食べ方がきれいといっても、ハンバーグを食べるときにナイフを口に突っこむのはやめてもらいたいですが…
小林尊は自身のブログで「今はまだMAX鈴木よりキング山本のほうが実力は少し上だが、MAX鈴木のポテンシャルは計り知れない。」と言っていました。年齢に不安要素は残るものの、新人のMAX鈴木がこれからどれだけ成長するか楽しみです。キング山本の3冠越えや歴代の番組記録を次々とぬり替えるぐらいのポテンシャルは十分彼にはあります
MAX鈴木にはこれからぐんと成長してもらって大食いの人気を底上げするような黄金時代を作ってもらいたいと思います。大食いファンとしては、MAX鈴木にジャイアント白田のカレーライス10kg 18分56秒の不滅の記録を越えてほしいです
参考外部リンク
┗MAX鈴木オフィシャルブログ「大食い大好きマックス鈴木のいつでも☆胃袋MAX☆!!!」
参考元
元祖!大食い王決定戦(テレビ東京)
フードバトルクラブ(TBS)
Dr.片山晴子のブログ – 東京タレントナビ
コメント
こんにちは、今年正月の世界戦を見て大食いファンになった者です。
大食いの技術論に関する話はとても詳しくて参考になりました。
とくに横隔膜の話については目から鱗でした。
近年のフードファイターのランキングについて、
あくまで今年度秋の混合戦以前では私は以下のように考えてます。
今年度秋の分も考察していただけると嬉しいです。
・今年春の女王戦を見た限りでは、もえあずはおしんちゃんの1段上
理由:
胃力が関係しない1回戦ワカサギ以外ではもえあずが安定して勝ってて、
特に決勝ラーメンでは3杯差ではっきり胃力に差が見られたので。
・去年秋の混合戦を見た限りでは、なべちゃん、カワザイル、檜山先生は同格
理由:
チキンライスで檜山先生が劣ったのは2戦目に弱いので。本人も言っています。
1戦目の空芯菜ではカワザイルと五分でした。
総合的にはなべちゃんが少し勝ってる印象ですが、そこまで差はないかなと。
檜山先生が後半追い上げ型になる理由は胃力があるからだと思います。
同じ米物でも、限界まで食べられる量は水分の含有割合によってかなり変わってくると思います。
水分が多いほど多く食べられますし、カレーでもルー割合が多いほど多く食べられます。
その理由から、茶漬け、カレーライス、スープチャーハン、リゾットの中で
重量を最も稼ぎやすいのは茶漬けだと思います。
by HCOOH 2016年11月8日 01:41