・牛乳は市販されているものでも実にたくさんの種類がある。今回、その一つ一つを飲み比べてみて、個人的な好みに基づいた感想を記事にしました。
・飲み比べということで評価をしなくてはいけないので、きちんとその牛乳の良いところも悪いところも書いていくつもりです。
目次
総合順位
※個人的好みにもとづいたものです。個々の評価は下記の「牛乳の飲み比べ/個別評価」に記します。
※今回飲み比べを行った牛乳は、全て成分無調整です。
1位:「明治おいしい牛乳」(明治乳業)
2位:「特選よつ葉牛乳」(よつ葉乳業)
3位:「7プレミアム 北海道牛乳」(よつ葉乳業)
4位:「特選4.0よつ葉牛乳」(よつ葉乳業)
5位:「メグミルク」(雪印メグミルク)
6位:「千葉県産地限定酪農牛乳」(コーシン)
7位:「酪農3.6牛乳」(トモエ乳業)
8位:「森永のおいしい牛乳」(森永乳業)
牛乳の飲み比べ/個別評価
「酪農3.6牛乳」(トモエ乳業)
今までは無調整で安さが魅力のトモエ乳業の酪農3.6牛乳を飲んでいた。まずは今まで飲んできたものを最初にして、飲み比べをスタートしよう。
飲んでみる。なるほど、十分おいしいが、成分無調整にしてはあっさりしててコクが足りない。
「明治おいしい牛乳」(明治乳業)
飲んでみる。うん、まとまったコクがあり乳の味がよく出ている。
後味にたんぱく味がずっと残る。においでもしっかり乳のにおいが分かる。コク集中型の牛乳は加熱のときにもっともその真価が発揮される。
加熱すると、ある程度のコクの分散は免れないが、それに負けない結果が出る。
コクがしっかり集中し、深みがある。このコクの高さは、まるでセンター争いのアイドルのように貪欲で、そして潔い。よくも恐れずにここまで来るなと思う。さすが明治だ。
ここまで味の深みに高さを持たそうとする、つまりコクを突き抜けて全面に出そうとすると、相応にしてクセも大きく出てしまうからだ。
しかし、この牛乳は……クセが細い線になっている。そしてそれはコクに覆いかぶされてマスキングされている。
いや、最初はクセも強くてコクからはみ出ているが、次第にクセだけが細くなっていき、その行方は分からなくなる。
だからこう言うしかない。消失点のようだと。
このクセは非常に大きいものだが、このクセが気に入らない人もいるだろう。でも私はこのクセは嫌いではない。
嫌に感じるほどのクセでもなく、主の味に対立する方向に向かっているわけでもないので、良性のクセだと思う。
いやはや、明治の怜悧[れいり]な布石に感心する。
クセを嫌わず、共に歩もうとし、味方につけるその考えに明治の底力を垣間見た気がする。
この牛乳を人間に例えると、強烈な個性の天才、しかし磐石といったあたりだろうか。
「千葉県産地限定酪農牛乳」(コーシン)
飲んでみる。うん、コクがしっかりあり、広がる味わいがある。しかし広がる分、深みは分散され、多方面に浅くコクが感じられる。
これはこれでおいしいが、明治おいしい牛乳に比べると牛乳としてのインパクトには欠ける。
このタイプの牛乳は加熱の際にコク集中型の牛乳との差が顕著に現れる。加熱によってコクは広がりをみせるため、淡泊な味になってしまう。この牛乳の場合、加熱するとボロが出てくるように変なクセが現れてくる。
「森永のおいしい牛乳」(森永乳業)
キャッチコピーは「コクがあるのに、後味すっきり」
飲んでみる。キャッチコピーとは裏腹に、コクは浅い。なので後味はすっきりしている。
味が淡泊なわけではないのに、よくわからないものがコクを殺し、全体の味にのさばっている。加熱するとそれは顕著に現れる。
これは管理や殺菌の問題なのか、それとも生乳の問題なのか、はっきりとはわからない。変なクセが強く、生乳本来の味が楽しめない。調整をしたかのような味わいだ。
しかし後味は他の牛乳と比べても、群を抜いてすっきりしている。すっきりした牛乳が好みの人はたくさんいるだろうし、そういう人たちには愛用される牛乳であろう。
「7プレミアム 北海道牛乳」(よつ葉乳業)
飲んでみる。おぉ、これは……明治おいしい牛乳と同じコク集中型だ。しかも味の面でもほぼ遜色ない。少したんぱく味が薄く、後味はすっきりしている。
加熱するとコクは拡散し薄い味になるが、クセがなく、丁寧な殺菌と管理がうかがえる。
クセがなく、そこそこコクもあっておいしい牛乳なので、コストパフォーマンスを考えていうならば、明治おいしい牛乳の代用としては十分ありだと思う。
牛乳感をもっと強く求めたいのであれば明治おいしい牛乳がいいでしょう。
「特選よつ葉牛乳」(よつ葉乳業)
飲んでみる。味は薄めで、コクは明治おいしい牛乳よりはるかに浅い。だが変にクセもないので、生乳本来の味が味わえるおいしい牛乳だ。
加熱してみる。
お、おぉ……驚いたことに、うまみの減少が少ない。
コクは変わらずないが、味がおいしい。クセをほぼ完全になくし、ストレートに生乳の味わいが伝わってくる感じがする。
悪く言えば個性がない。良く言えば、クセがなく味もおいしくて後味もすっきりとした牛乳である。
加熱前は総合的にいえば私の好みではないが、加熱後のこのよつ葉牛乳の特徴は明治のそれとはまた違ったおいしさの地位を確立している。
ココアやコーンフレークなど、牛乳をそのまま飲んだり使ったりする場合には、この特選よつ葉牛乳がおすすめである。コーンフロスティ(コーンフレーク)に特選よつ葉牛乳の組み合わせは、なめらかな甘さで後味すっきりの絶品だ。
コーンフレークに合わせる冷たい牛乳は、この「特選よつ葉牛乳」が最適であると感じた。コーンフレークとの相性がすばらしい。
ホワイトソースなど、コクを出すための料理に使う用途であれば明治おいしい牛乳のほうが適していると思う。ただし料理用でもすっきりした口当たりを求める場合であれば特選よつ葉牛乳がいい。
ただこの牛乳は高いので、そんなにこだわるわけでもなければ7プレミアムか明治おいしい牛乳を選ぶのがコスパはいいかもしれない。
しかしよつ葉の底力に感心した。
「メグミルク」(雪印メグミルク)
飲んでみる。うん、変にクセも感じられない。コクもなかなかある。
明治おいしい牛乳と比べると少し味の深みが浅く、タイプでいえばコク分散型だ。
加熱すると、味の浅さがちょっと嫌な方向に出てしまう。浅く、淡泊なのに突き抜けが悪い。そしてクセも少し出てきてしまう。この牛乳は加熱には適さない。
「メグミルク」は「千葉県産地限定酪農牛乳」に似ていると思った。
「特選4.0よつ葉牛乳」(よつ葉乳業)
牛乳の乳脂肪分は季節によって変動する。夏は成分が低く、冬は高い。
そして、冬季に期間限定としてよつ葉乳業から出るのが、この「特選4.0よつ葉牛乳」である。
味わってみよう。ん……コク、味ともに明治おいしい牛乳との区別がつかない。
若干甘みがあり、その甘みがほのかで自然な甘みだからおいしい。好みとしてはこの牛乳のほうが好きだ。
加熱するとどうなるか。
なるほど、明治おいしい牛乳はコク集中型のためまとまった深さのある味わいなのに対して、この牛乳はコクは広がりをみせ、深みはなくなる。より水っぽくなる感じだ。コク分散型のようだ。
クセも出るのは仕方ないが、明治おいしい牛乳と違ってクセが対立する方向、つまり嫌な方向へ向かってしまうので難である。しかし牛乳としてのステイタスは非常に高い。さすがよつ葉だ。
ただ値段が高いことがネック。あと期間限定だということもね。
飲み比べはこれにて終了です。
私が最も美味しいと感じた好みの牛乳は「明治おいしい牛乳」(明治乳業)でした。しかしそれ以降のランキングとしては、よつ葉乳業の牛乳が2位~4位を独占するという結果に。よつ葉乳業の底力がうかがえる結果となりました。
機会があればまた他の牛乳も飲み比べしてみたいと思います。
コメント
私も森永の牛乳だけは苦手です
加工乳の様な味で独特のクセが強く
気持ち悪くなります
言いたい事がよく書かれていてスッキリしました
by 匿名 2017年10月16日 21:15
匿名さん、コメントありがとうございます。
牛乳も人それぞれ好みがありますよね。私も匿名さんと同じく、森永の牛乳は口に合いませんでした。
森永も他は良い製品がたくさんあるんですけど、牛乳に関してはう~んでした。
Myus
by Myus 2017年10月16日 22:19
高梨低温殺菌牛乳は入らないのですか?
by ウッシー 2017年6月6日 12:32
ウッシーさん、こんにちは。「高梨低温殺菌牛乳」はネット上で特に評判が良かったので候補に入れたいなと思っていたのですが、残念ながら近くのスーパーには置いてなかったので諦めざるを得ませんでした。いつか「高梨低温殺菌牛乳」を飲む機会があったときはぜひ飲み比べてみたいと思います。コメントありがとうございました。
Myus
by Myus 2017年6月14日 14:02