・ホラー アクシデンタル 第13話「大いなる遺産」についての記事です
・「あらすじ」:話のストーリーをざっくりと書きます
・「私が思う話の内容」:話の真相、どのような意味が含まれているかを考えます
・「情想」:観ていて気づいたことや思ったことを話の流れに沿って書きます
・「タイトルの意味」:話の内容からタイトルの意味を考えます
便宜上、子供の”えいた”の漢字を”瑛太”とします。
あらすじ
「えっくん。瑛太。起きて」
ママ(母親)が子供の瑛太を起こしている。
ここは高速バス(SOTETSU[相鉄]バス)の中。到着したところ。
昼行バスだったらしく、到着したときにはすでに夜になっている。
数日間の遠出から帰ってきたようだ。
「もうおうち着いた?」
寝ぼけまなこの瑛太は、もうおうちに着いたのだと勘違いしているようだ。
「まだ、もうちょっと」
ママはそう言って瑛太に服を着せ、バスを降りた。
荷物には黒のわんちゃんのぬいぐるみがある。
親子は帰り道でしりとりを始めた。
子豚(ママ)→(種と言いそうになって)戦い→犬(ママ)→ぬいぐるみ→みかん(ママ)
瑛太「あっ、ママの負け!」
ママ「えっくん強いね」
瑛太「ねぇママ? シロは今どうしてる?」
ママ「シロってあのわんちゃん?」
瑛太「そ! クロのお友達」
ママ「えっくんの帰りおうちで待ってるんじゃないかな」
クロは、荷物にある黒いわんちゃんのぬいぐるみで、シロはうちに置いてきた白いわんちゃんのぬいぐるみ。
瑛太「じゃあかぶと虫は?」
ママ「かぶと虫?」
瑛太「そ! タイカ君(友達)がくれたやつ」
ママ「かぶと虫は今の季節はいないんだよ」
瑛太「えー? でもほんとにくれたんだよ」
ママ「じゃあかぶと虫もおうちで待ってるかもね」
瑛太「じゃあパパは今どうしてる?」
ママは立ち止まって瑛太に向き合う。
瑛太「パパはお年玉くれないの?」
ママ「日曜日に会えるから、そのときにもらいなさい」
瑛太「えっくんもらわなくても大丈夫だよ。ばあばにもらったから」
ママ「・・・うん」
再び親子は歩き出した。
――◎◎場面転換◎◎――
5階建てのマンション。
明かりは2階の一部屋だけが点いていて、他は暗い。
そのマンションのおうちに帰ってきた親子。
ママが玄関の電気を点ける。
「シロ! ただいま!」
瑛太が真っ先にシロに駆け寄る。
ママ「その前に、おててとうがいでしょ?」
瑛太「はぁい・・・」
ママ「自分でお着替えできる?」
瑛太「うん!」
瑛太が洗面所に向かう。
ママは電話をかけはじめた。
「・・・あ、お母さん? 今着いた。長い間ごめんね。おかげで息抜きになった。ありがとう」
電話を切った。
ママがため息をついていると、部屋の中から「コロコロコロコロ(←適当な擬音が見つからないorz)」という音がする。
音に気づくママ。
さきほどから床に置いてあった丸い箱に目を止める。(すでにふたは少し開いている)
箱のふたには”かぶと虫”と書いてあり、空気穴と思われる小さな穴が所々にあいている。
ママがその箱を手にとり、ふたを開ける。
中は空っぽで、中底には茶色いシミのようなものがついている。
それを不審げに見つめるママ。そこに瑛太が戻ってきた。
瑛太「ママ~、これやって~」
ママ「えっくんこれなに?」
瑛太「かぶと虫のおうちだよ!・・・あれ、どこ~?」
そのとき、再び「コロコロコロ」と音がする。
ママは音のするほうへおそるおそる近づいていく。
台所のガスコンロの下の戸棚から音がする。
戸棚はしまっている。
その戸棚をおそるおそる開けると・・・
いよいよ形容しがたい不快な音がする。
大量の虫が動き回ってるような、そんな音。
ママ、目を見開いて驚く。
正体は映されなかった。
マンションの引きのシーン。
明かりは2階の一部屋と、その真上の3階の部屋が点いている。
終了――
私が思う話の内容
戸棚のわずかな隙間、異常な繁殖力・・・まあG(ゴキブリ)でしょうね。
しばらく家を空け、久しぶりに帰ってきた親子の家には、
出かける前に置いてきた、友達からもらったかぶと虫ならぬGがすでに大量繁殖していた。
情想
“SOTETSU”ソテツだと思ったらソウテツ(相鉄)バスだった。
バス停に”富士急ハイランド・河口湖方面 バスのりば”と書いてある。
相鉄バスは神奈川中央を拠点に運行しているバス。
横浜駅西口―富士急ハイランド・河口湖方面を結ぶ高速バスも運行している。
親子が降りたのは横浜周辺だと推測する。また神奈川でロケだ。
子供の顔がお人形さんみたいでかわいい。特に目。役者の名前も愛斗だって、かわいい。
瑛太がママに「パパは今どうしてる?」と尋ねたときにママが暗い表情を見せて立ち止まった様子から、夫とうまくいっていないことが読み取れる。
また、今回の長期実家帰省について、あとに「息抜きになった」と言っていることから、うまくいっていない夫との関係を冷却する期間を設けるために、一時的に実家に帰ったのだと考えられる。(傷心帰省)
一方で、親子が帰ってきたおうちの感じから、夫はこのおうちに住んでいないことが見てとれる。
このことと、会話中にてパパとは日曜日に会えると言っていることから考えるに、夫とは別居中であるか、離婚したかのどちらかである。
別居中とした場合、普段から物理的に距離を置けているにもかかわらず、わざわざ実家に帰る意図とは何なんだろう。
そう考えると、夫と離婚し、その傷心をいやすために長い間実家に帰省していた、という筋のほうが個人的にしっくりくる。
マンションの引きのシーンでは、2階の一部屋だけ明かりが点いていたが、親子は帰ったばかりでまだ電気をつけていなかったので、親子が何階のどの部屋かはまだわからない。
ママと実家の母親との会話で「長い間(お邪魔して)ごめんね」と言っていたので、一ヶ月近く、あるいはそれ以上の実家帰省だったと推測される。
ママがテーブルに置いたバックの取っ手が、電話をしている間にもゆっくりと下がっていくところが個人的に恐怖。
なんか子供が洗面所に行ってからもぶつぶつ言っていたけど、聞きとれたのは「よいしょっと」ぐらいだけで他はまったく聞きとれなかった。
かぶと虫の箱は最初からああなっていた。帰ってから誰も足で蹴ったりもしていない。
箱の中の虫がなんであれ、ふたをこじ開けたのだとしたらどんだけ怪力なんだ。
でも床に置いてあったから、あれは落ちてその反動でふたがあいたとも考えられる。
箱のふたには空気穴が、中底には茶色のシミのようなものが。なにこれ。
ガスコンロの下の戸棚は閉まっている。隙間から侵入したということなのか。
戸棚のわずかな隙間、異常な繁殖力・・・まあGでしょうね。
Gなら1.5~13mmの小さな隙間からでも顔を出せますしね。
これはホラーのなにものでもない!
本編に変わる直前のママの表情が不敵笑いに見えたけど、あれはどちらかというと顔が引き攣ってちょっと笑ったようにみえたんだと思う。
最後のマンションの引きのシーンでは、一回目の引きのシーンと一つだけ異なる点がある。
3階の一部屋に明かりが点いている。つまりこれは親子の部屋が3階のその部屋だということを描写しているのか?
でもその部屋のベランダに洗濯物が干してある。しばらく家を空けるというのに洗濯物干しっぱなしというのはおかしい。
本編の最後でいつも出るテロップが、”全ての作品は”なのに、今回は”続きはWeb限定で”となっている。
ちなみに”続き”というのはこの話の続きではなく、新しいオムニバス第14話~のことだそうだ。
毎回最後にやる本編の、モヒカンの髪の毛先が回を追うごとに広がったり、一本だけはねていたりする気がする。
本編の最後の最後のシーンでなんか音がしたけど大丈夫なのか?
タイトルの意味
今回のタイトルは「大いなる遺産」
大いなるとは、大きい。また、偉大な。りっぱな、という意。
遺産とは家に残してきたその虫のことでしょう。
大いなる、はなにを指すのか。
“大いなる”を”大きい”という意でみて、二つの解釈を考えてみた。
①かぶと虫ほど大きいGのこと
②繁殖して大量発生したGの大群の規模の大きさ、またそれが手に負えないさま
コメント
何となく三木ホラーを思い出したら、このブログに辿り着きました(・∀・)
当時リアルタイムで観た時、戸棚の中にはバラバラにされた夫が入っていて、カブトムシもといGさんがそこに群がった為、異様な音になっているのだと勝手に身震いしてました(;´д`)
勢いでやっちゃって、どうしようもないからバラバラにして、生活感そのまま実家に逃げたけど、保険金が下りるので「大いなる遺産」を……
みたいな( ̄▽ ̄;)
お年玉の会話も息子が本能で空気読んだのかと……(笑)
改めて考えると、下には息子のお友達が住んでいて、お母さんの嫌がらせかも知れませんね〜。
子供の物音や離婚する程の喧嘩していたとしたら、真下はかなり煩かったでしょうし……
だけど、一番怖いのは二部屋しか灯りの無いマンションですね((((゜д゜;))))
長々、失礼しました(;´д`)
by けむけむ 2017年9月26日 04:16
けむけむさん、コメントありがとうございます。返信が遅くなりました!
バラバラにされた夫、大いなる遺産とは保険金、そして息子のお友達のお母さんの嫌がらせなど、けむけむさんはとても想像力が豊かですね。感心させられます。そのどれも私は想像もつきませんでした。
私も、けむけむさんのコメントをきっかけにホラアクを思い出しましたよ(笑)
Myus
by Myus 2017年10月11日 09:55