オ)甘い誘惑は恐怖への誘い[いざない]

あなたは、ある地へ1人で旅行に来ていた。

しかし思ったより早めに着いてしまった。

夕食までまだ時間もあることだ。その辺散歩でもするか。

あなたはそう思い、なんの気なしにぶらぶらとその辺を歩いていた。

しばらくして、ある橋に出くわした。

あなたが橋を渡ろうとすると、ふと気がついた。

橋の真ん中で、欄干(手すりのこと)に両手をつき、川をながめながらぶつぶつ何か言っている男がいる。

こんなとこで何してんだ、と気になりながらも通り過ぎようとした。

男とすれ違った時、「21、21、21……」と言っているのが聞こえた。

あなたは一旦通り過ぎたが、やはりどうしても気になり、引き返して男に尋ねた。

「何を数えているんですか?」

すると、男はいきなりあなたを引っつかみ、川へ突き落とした。

そして、男は数え始めた。

「22、22、22……」


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