ある山岳部の4人の大学生が、雪山へ登山に出かけた。
山に着いた当初は晴れていたものの、昼頃から雪が降り始め、夕方には猛吹雪となって、ついに学生達は遭難してしまった。
下山できなくなった学生達は何とかして生き延びようと、必死に寒さをしのげる場所を探した。
やがて小さな山小屋を見つけ、助かったとばかりに中に入るが、そこは無人で暖房も壊れている。
ひと安心した学生達に、疲労も重なってか、今度は睡魔が襲ってきた。
「こんな極寒の中で寝てしまったら、みんな凍え死んでしまう。なんとか夜明けまで寝ずに過ごさなければ・・・」
すると一人の男が提案した。
「全員、部屋の四隅に一人ずつ座って、15分ごとに一人が次の角の奴を起こす。そして起こされた奴が更に次の角の奴を起こす。これを繰り返すんだ。自分の番が来たら寝ずに済むし、次の仲間に回すという使命感できっと頑張れる」
そうやって、学生達は夜明けまでそれを繰り返し、すっかり吹雪が収まって下山し、無事帰ってきた事を家族や仲間と喜んだ。
そして大学の友達の男に山小屋での出来事を話したとたん、男の顔がみるみる青ざめた。
「だってそれ、5人じゃないとできないだろ・・・」