都)権利と義務。と、現実

権利と義務。と、現実

あるところに美男美女の新婚夫婦がいた。

結婚生活もしばらくすると、幸せな夫婦にもう一つ幸せが訪れた。

二人に子供ができたのだ。

妻のおなかも順調に大きくなり、幸せも最高潮だった。

しかし・・・

生まれてきた子は夫婦の期待を裏切るもので、美男美女の掛け合わせなのにもかかわらず、その子供はひどく醜くかった。

そのためか、夫婦の仲もだんだんと冷めてしまった。

幸せな生活が、この生まれてきた子の為に狂ってしまった…

二人は自分の子供をそんな風にしか考えていなかった。

そしてある日、二人は夜中に湖に行き、置いてあるボートに乗って湖の中ほどまで行くと、周りに誰もいないことを確認してから、子供を抱き上げて池に突き落とした。

二人は口裏を合わせて、「事故だった」と主張し、 その通りに処理された。

夫婦を疑う者はおらず、逆に同情も集めた。

それから数年が経ち、夫婦にまた赤ん坊ができた。

今回生まれてきた赤ん坊は前の子とは違い、とてもかわいい赤ちゃんだった。

夫婦はとても喜び、愛情をたっぷり注いで育てあげた。

ある日言葉をしゃべれるようになった子供が「ボートに乗りたい」と言ったので、夫婦は子供をつれてあの湖へ連れていった。

ボートに乗ると子供は大はしゃぎだったが、湖の真ん中あたりに来たところで子供が突然、「パパ、おしっこしたい。」と言い出した。

仕方がないと思い、周りに誰もいないのを確認して湖にさせようと子供を抱っこした。

ちょうど両足を持って二人が同じ方向を向いていると、

子供がくるっと振りかえり言った。

「今度は落とさないでね。」

 


 

この話には様々な派生がある。下記に別verを一つ紹介するが、例えば「今度は落とさないでね」と言う子供の顔が殺した子供の顔に変わっているというパターンなどだ

この系統の話は、小泉八雲も「知られぬ日本の面影」で報告している有名な話である。ちなみにそこでは殺す理由は、貧乏なためということになっている

それが時を経て現代では、美しくない子だからというように理由が変更になっている

どんな顔であれ自分の子供ならかわいく見えるのが親というものだと思うが、どうやらアノマリーも存在するようだ…

例外は概念と結び付き、あらゆる時空に存在する

権利と義務。と、現実~別ver~

あるところに会社勤めの男がいた。

先日社長の娘との縁談が持ち上がり、男は幸福な気分だった。

しかし男には、長く付き合っている恋人がいた。

ある日その恋人と二人で景色のいい崖に行った時のこと、

誤って、恋人が足を踏み外してしまった。

あわてて恋人の腕をつかんだ男だったが、縁談のことが頭をよぎる。

男は手を放してしまい、恋人は崖から落ち死亡。事故として処理された。

数年後・・・

社長の娘と結婚していた男には社長の娘との間に子供(娘)ができていた。

休日、家族でドライブを楽しんでいると、娘が急に「おしっこがしたい」と言いだしたので近くの崖で用を足させることにした。

その場所は昔恋人を殺した崖だったので、男は早く立ち去りたいと思い娘をせかすと、娘が足を滑らした。

あわてて娘の腕をつかんだ男に、娘が一言。

「今度は放さないでね・・・」


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