回避したいものを回避する手段について
目次
並進回避
a 人を早足にさせたいなら雨を降らせばいい。難しいことを考える必要はない。相手が同じ結果に動くような同じ事柄、並進する事柄を探し、それを盛り込むことを考えるだけでいい
b 言いたくないことは直接的にそう言うのではなく、同じ方向に並進しているものを理由とする。または条件が付いていたらそれを引きや理由として使う
先入観の回避効果
先入観を、避けるのに使う
例えば、実際はAなのにBと知らされてからAだと気づくのと、何も知らされていないところからAと気づくのではどちらのほうが気付きやすいか
意識的手間
人を介したり、自分が手間をかけると面倒度が上がり、断りやすくなる。無意識の手間は思い入れ効果をもたらすが、意識した手間は逆に相手に「手間をかけさせて申し訳ないな」と思わせる心理がある。そして断りやすくなる
提案回避
お詫びしたあとに次回の機会の提案をこちらから持ちかける。単に“拒絶”ではないということを相手に理解させる効果がある
好餌誘引[こうじゆういん]
他方に注意を引かせて気付きにくくさせる
代償満足(“用語解説”)
考えさせたくないことがあったとする。その根本の原動力を他で消費させることで、人は考えたと満足する
一旦承諾(“相反緩和”)
断ることが難しい場合、一旦承諾して期待させてから断ると、失望が少ない
マスキング
隠したいものを隠すために別のなにかを故意に発動すること
(例) ある一方の耳で聞こうとしている音を、もう片方の耳で聞こえないように雑音を聞かせる、など
時間的余裕による回避
相手のペースにのられそうになったり、話の状況把握が冷静にできなくなったときは、そのまま無理して対話するよりもいったん一呼吸おいたほうがよい。「ちょっとトイレに」とか「ちょっと電話を」とか「少し検討してみますので」などと言っていったん席を外したり後日に先延ばしにしたりして、冷静に物事を判断できる時間的余裕を作ることが大切だ。自分のペースを崩さない相手に自分がペースを握られたときは、いったん話の腰を折るほうがよい
拒否の種類
何か都合の悪いことが生じたとき、それにどう対処するかは、およそ三種類に分類できる
a 自罰的
「私が至らないばっかりに」「私の力不足で」と自己反省し、謝ってしまうタイプ
b 他罰的
「すべて、あなたが悪い」「うちには責任がない。あの人が変なことをしたばっかりに」と、すべてを他人のせいにするタイプ
c 無罰的
「運が悪かった」「縁がなかった」と、誰のせいにもしないで、わけのわからないものに責任を押しつけてしまうタイプ
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このうち、無罰的なタイプが人間関係を壊さずに拒否を伝えることができる。ビジネスシーンではこの無罰的対応がもっともよいだろう。しかしインフォーマルな関係(友人関係や恋人関係)においては素直に自分の非を認める自罰的がもっとも適していると思う