ハロー効果/好意承諾/相和の形成

●0/ハロー効果

ある人が望ましい特徴を一つ持っていることによって、その人に対する見方が他の面でも望ましい影響を与える心理をハロー効果という

例えば身体的特徴はハロー効果の一例である。この効果を包摂しているのが“連合の心理”である

どのように好意を獲得するか、好意効果をもたらす心理については好意承諾を参照されたい

(違い) “コントラストの原理”は受動。ハロー効果は能動。空想や思い込みによってこうだと決めつけるのがハロー効果。対し、コントラストの原理は、ほとんど無意識な先入観が影響を及ぼしている場合である

権威の自動的服従

権威者の単なる命令に自動的服従してしまう心理がある。考える必要がないので、考えることをしないのだ

/a ハロー効果

権威、地位、服装(スーツ含む)、装飾品などは相手に自動的服従の心理を及ぼす。例えば、肩書きを教授と言うと、相手は急にかしこまった態度になる。そして問題なのは、それらは簡単に偽ることができるということである

a-例1

美男美女の場合、その外見からの類推によって性格などの中身にも望ましいものであると期待する傾向がある。人は同姓同士では相手のことをある程度理解できるが、異性同士だと基本的にお互いを「分からない」存在だとみなしている。相手の中身がわかっていれば外見で判断するようなことはしないが、中身が分からないときは外見から中身を想像する傾向がある。つまり、異性同士であれば、「外見がかわいければ中身もかわいいだろう」というふうに勝手に相手の中身も評価してしまうのだ。美男美女はこの勝手な評価に振り回され、勝手に「思っていた中身と違う」と落胆されて破談することは多いと考えられる。したがって、美男美女に限らず相手とうまく恋人関係を維持したいのなら、外見などに関わらず自分の知らない分野については勝手に想像してそのギャップに落胆することのないように、「受け入れる」ということを心がけるのが大切である

a-例2

初対面の人に効果的なハロー効果は、“相手にとって喜ばしい情報”を提示すること。相手が喜ぶ情報を会ったときに提示すると交渉がうまくいく。相手の機嫌をよくしてからその空気のままで、自分の提案に持ち込むのである。そのために必要なのは、もちろん情報収集である。しかしその情報が相手にとってほんとうに喜ばしいものかどうかは分からないため、最初は情報提示だけを行い、相手の反応をうかがうのが望ましい。情報が確実に相手にとって喜ばしいものであることが確実な場合は、最初から情報提示+自分の意見を述べてもいい

/b ハロー効果[価値]

地位や価値が高いものは大きさの知覚に影響を及ぼす。例えば、地位の高い人は、身長が高く見える心理がある。しかしこれは厳密には、その相手にとっての重要度、つまり価値があるかどうかが、好ましい影響を与えることに関係しているともいえる

/c 防衛法

「この権威者は本当に専門家なのだろうか」と自身に問いかける。さらに、「その専門家は、どの程度誠実なのだろうか」とも問いかけるとよい

ここで最も警戒すべきなのは“トロイの木馬の心理”である。たとえ権威による自動的服従を十分に認識していたとしても、トロイの木馬の心理を打破するのは究極に難しいといえる。それだけこのトロイの木馬の心理は強大な力を持っている。ゆえに最も警戒しなければならない心理である

»#k-t

●1/好意承諾

好意承諾とは、好意を抱いている相手の要求には応諾してしまいやすい心理のこと

ここではどのように好意を獲得するか、について書く。ここに相和は含まないが、お互いに関連するものである[相和の形成]

基本的信頼(“深層心理”)

基本的信頼とはどういうものか。この世には、あなたが失敗しても、決してあなたに失望しない人がいる。あなたの成功失敗に関係なく、あなた自身を受け入れてくれる人がいる。あなたがその人に抱く感情、それが基本的信頼である。それはたいていは母親であるが、この基本的信頼がある恋人同士ではより強固な関係が構築される

a 基本的信頼を生み出す三つの要素

ひとつは、自分が無能でもあっても受け入れてもらえる。ひとつは、相手の期待を実現できなくても受け入れてもらえる。ひとつは、相手と違っても受け入れてもらえる

»#k-r

類似性

類似した他者に対しては好意を抱きやすい。類似とは身体的特徴や考え方など

(原理) 社会的支持[社会的是認]

人は自分と同じ態度をもっている人に対して好意を感じる。なぜ自分と同じ態度をもっている相手に対して好意を感じるのか。それは、態度の一致している人からは、疑いのない支持や是認が得られるからである。これを社会的支持あるいは社会的是認という。私たちはいろいろな事象に対して意見や判断をもっているが、それが正しいかどうかを常に確認したいと思っている。そして、確認されないと自信がもてなくなり、不安になる。物理的な物事ならば、実際にそれを行うことで確認できるが、社会的事象に関する意見や態度は物理的証明ができない。つまり、他の人たちの支持や是認は、自分の意見の正しさを確認し、証明する手段なのだ。こうして、自分の意見が是認されれば、自己全体に肯定感が生まれ、自尊心が満たされ、充実感を感じるようになる。この感じはとても快適なものなので、人はそんな感じをもてる人と一緒にいたいと思い、その相手に好意をもつのである

/a 日本とアメリカにおける類似性の価値

アメリカ人は異なる意見をもった両者でも議論を戦わせるうちに仲良くなっていくような相和形成があるのに対し、日本人はつき合いの初期には意見が対立することで嫌悪感が生じないように、相手に合わせようとすることでお互いの類似性を確保している。なので態度の類似している人を好むといっても日本とアメリカではその焦点が違うといえる。アメリカでは個人にとって重要な価値観や信念の類似が類似性として有効なのに対し、日本では話題にしやすい出身地や出身校が同じであることや、趣味や好きなスポーツなどが類似していることが重要な役割を果たすといわれる。特に出身地や出身校は変わることはないので、その意味で同一性の安心感は態度や信念が同じということの比ではないのかもしれない

/b 原体験の強力類似性

他者と類似するもののなかでもとりわけ大きな好意をもたらすのは出身地や出身校などの人生初期の原体験である。原体験とは、その人の思想が固まる前の経験で、以後の思想形成に大きな影響を与えたもののこと。例えば、出身地や出身校、幼少期の生活様態や性格、重要な出来事、ターニングポイントなどである。原体験は人によって異なる。出身地や出身校などは共通だが、幼少期の境遇やターニングポイントなどはそれぞれ違う。その人にとって今の生活においてもなお影響を与えているものや、記憶にずっと残っているような忘れられない出来事などがその人の原体験であるといえる。原体験は変わることはないので、その意味で同一性の安心感は態度や信念が同じということの比ではない。例えば、年齢も異なり、しかも初めて会った二人でも、同郷であるという意識は、お互いに旧知の親しさを感じさせるものである。これは未知の人に対しては不安感や警戒心があり無意識に防衛的感情が生まれるものが、同郷者には防衛的感情が生まれないため、初めから親しく感じられるのである

/c 対人認知のバランス化

私たちは、自分とかかわりのある他者について、その人がどのような人なのか強い関心をもつ傾向がある。これを対人認知というが、これはきわめて切実な問題である。バランス化(調和化)するには、相手が気に入っているものを自分も気に入るようにする、つまり類似性を高め相手との結びつきを強めることが望ましい。そのためには相手の好意を獲得することも重要なのだが、この対人認知のバランス化において簡単でかつ効果的な好意獲得テクニックがある。それは相手が気に入っているものを誉めることである。反対に、<気に入っているものならば冗談でもばかにするのは好ましくない>

/d 類似性とシェア

シェアは類似性を生む効果がある。シェアを好意獲得に使うにはさまざまな使い方がある。望ましい効果を上げるには、気持ちを共有することを意識することが重要である。一緒に同じことを体験する、同じものを食べる、同じ言葉を使うなど

d-応用 共感意識、つまり相手の懐に入れるような空気をつくるには、まず相手の空気に同調してあげることが大切である。それには、自分が相手に関心を持っていることを知らせる。あるいは、相手と同じ問題を真剣に考えていることを知らせるという態度が必要になる

/e 姿勢同調シンクロニー

親友同士の会話中、二人の動きは非常に一致していた、という実験結果がある。これは、お互いが一瞬のうちに相手の動きをキャッチし、それに反応していることによって生じるものである。これを姿勢同調シンクロニーという

»#ssf

e-1 姿勢同調シンクロニーのフィードバック

どうもこの相手とはテンポが合わないな、と感じたら、相手のしぐさをまねてみるのが効果的である。例えば、「いや、それはちょっと違うんじゃないか」と相手が腕組みをしたら、少し遅れて自分も腕を組みながら、「そうでしょうか」と言ってみる。相手がコーヒーに手をつけたら、こちらも飲む。このように、相手の動作に合わせ、スピードもさりげなく合わせるのである。相手のしぐさをまねているうちに、次第に会話や動作のテンポが合ってくる。すると、二人の間に共通のテンポが生まれ、相手もそれに乗って会話もはずむようになり、相和の形成につながる

 


 

f 交渉において重要なことは、両者が同じ方向・目的に向くことである。そのためにはまず相手と共感できることだ。相手の気持ちをくみとる、つまり聞くことから共感し、他の人の評価、自分の似たような経験などを引き合いに出して交渉しやすい空気にもっていく

/g 共鳴の転移

観念の共鳴は相手の高評価を促させる

g-1 共鳴・不共鳴はなぜ人物の価値を変動させるのか
第一に、自分の持っている考えは正しいのだと確信している思いが心底にあるから。第二に、類似による親近感が芽生えるから

g-2 なぜ親近感は相手の高評価につながるのか
親近感は自身に好い気持ちを与える。そんな好い気持ちを与えてくれた相手に感謝する。その感謝が実際にはその相手への高評価という形をとる。その形を経る過程には二つの心的作用がみられる。ひとつは相手への感謝は相手の高評価に直結するということ。もうひとつは、好い気持ちを与えてくれた人に自分が好い気持ちを返すという心的作用だが、これは好意の返報性の意味のほかにも、好い気持ちの感情が相手に転移する[同一化]という意味もそなえている

g-3 なぜ親近感は己に好い気持ちを与えるのか
類似性の原理『社会的支持[社会的是認]』へつながる

 


 

“好意の返報性のルール”の応用
人は好意を受け取ると「お返しに好意を返さなくては・・・」と思う心理がある。つまり、相手から好意を受け取るには、まず自分が好意を与え続けることである

“コントラストの原理”の応用

»#kkk

既知の好意性

よく知っているものに対して好意を抱きやすい

分からないものの中で一つ分かるものがあると、それに対して好意を抱く[異様効果(“注意誘引”)]

»#syo

称賛効果

相手を褒めることにより好意をもたらす効果。自分を褒めることで相手によく思わせるのは自賛[間接的自賛]。称賛のコツは三つある。一つは、些細なことでもほめる。二つめは、具体的にほめる。三つめは、相手が自覚・意識しているポイントをほめる。例えば、「さすがの君でもダメだったか」など

a

一人を褒めるときは、そこに居合わせる他の人を罵倒しない。むしろ他の人も褒めたほうが好ましい。お祝いムードが大事だ。格差を生ませると、気分を下げやすい

b 称賛と具体性

称賛において、具体性を付加することは現実性を高める効果がある。現実性を高めることは信憑性を高めることにつながり、好悪の振り幅が増大する。これを称賛と具体性という

b-例 かわいいと言うときは〇〇がかわいいと褒めポイントを限定して言ったほうが褒められ慣れている人には効果的である。また、褒めるものは、身に付けている物などの間接的なもののほうがいい。直接的に顔がかわいいと言っても効果は薄い

»#ktw

c 楽しかった話法

「楽しかったので、つい過ぎたことをしてしまいまして・・・」と相手を間接的にほめる言い方を文頭に置く話法

d 謝罪と称賛の好意性

相手からの謝罪に対して、許す+相手を称賛することで相手は好意を抱く。この関係を謝罪と称賛の好意性という。謝罪に対して単に許す場合よりも好意性は大きいといえる。しかしそもそも謝罪に対してすぐに許すというのもなかなか難しい。「あなたが悪い」「いやあなたのほうが悪い」というような「なすりつけ合い」はよくあることだろう。結果相手に「私が誤っていた。すみませんでした」と言わせた後に、相手と腕を組むことができるだろうか。議論で打ち負かしたあとに、相手をいたわることができるだろうか。まずは謝罪に対してしっかりと許すことができるようにならなければならない

d-例 相手に詫びられたときは、「楽しい」という言葉を「いいえ、」の後に付けるといい。シンプルに「いいえ。(笑顔)」もいいと思う

e 公然の称賛効果

他の人がいる前で特定の人を褒めると、褒められた人は褒めた人に好意を抱きやすい。マンツーマンのときに褒めるより

f SOS称賛話法

SOSとは、さすがですね、おどろきました、すごいですね、の三つ。これを習慣的に口にすることが望ましい。さらにSOSのあとに、勉強になりました、見習いたいものです、真似できません、などと付け加えることも効果的。ほめるときの順序としては、「ほめる⇒ほめた理由を話す」のがよい。理由を付けることで真実味が向上しお世辞に聞こえなくなる。また、何かを聞き出したいときは、「ほめる⇒ほめた理由を話す⇒SOS話法+質問する(聞き出す)」ようにしてみると効果的

 


 

意外性の好意効果(“意外性”)
相手に対しての親切に意外性を付加することによって相手により好意を抱かせる

満足感の好意効果(“満足感”)
相手に満足感を与えると相手は自分に対して好意を抱く心理がある

魅力の好意効果

魅力あるものがあるとそこに行きやすい

“いつも”の好意性

「いつも」という言葉を「いつもあなたのことを考えている」に連想できるような間接的話法を用いることで相手に好意を与える

(例) 「相手の写真や物を〇〇(身近でよく目につくところ)に置いている」
これは相手のことをいつも想っていますよ、という間接的愛情表現である。遠距離恋愛などで有効

利他心の好意効果

自分によくしてくれた人に対して好意を抱きやすい。この好意性の後にはかなりの高確率でハロー効果を発動させる

a 原因産出理論(“注意誘引”)
相手から好意をもらうには、相手の評価を上げる原因を自分が作る。評価を上げるのは、相手に対する直接的なものより、間接的なもののほうが効果的である。そしてその評価が及ぼす範囲が大きいほど、相手が抱く好意も大きくなる

接触と心理

相手の近くにいることは、必ず何かの心理や相互作用を生み出す。逆に相手との接触がまずなかったら、あらゆる心理も起こることはない。近くにいれば何かが起こる。近くにいなければ何も起こらない。接触はあらゆる心理が起こる前提となっているといえる。これを接触と心理という

a 頻繁接触[単純接触の効果]

親密な関係を築きたいなら接触を頻繁にする。これは基本である。遠距離恋愛においても電話やメールを駆使するのがよい

頻繁接触効果は、相手が自分に対して無関心だった場合には効果的だが、元から嫌いだと思っていたら頻繁に接触するのはむしろ逆効果になる

b 初頭効果

第一印象が悪いと、顔を出せば出すほど悪い印象が強められてしまうことがある。このように、最初の印象があとまで尾を引くケースを初頭効果という

b-例 叩き出さなければいけない数字、8と2、5と5、どちらのほうがプレッシャーが強いか。初頭効果の原理でいうと前者のほうである。しかし、この例の場合は総合的に両者は同等関係にあるので一概にはそうとはいえない。初頭効果が意味しているのは、最初の印象が後にも強く影響するということで、8と5、5と5、というような例がほんとうは適切でふさわしい

c 新近効果

頻繁接触によって相手との親密性を高めたいと思っても、初対面のときに相手に悪い印象を与えてしまった、これでは初頭効果からまた会うのは悪い印象を強めてしまうだけだ。しかし第一印象が悪かったからといって頻繁接触がもうできないわけではない。人は新しい情報のほうが強い印象を与えられ、イメージが一変することがある。新しくて近いほうが優先するという意味で、これを新近効果という(新○、親×)。新近効果によれば、最初にうまくいかなかった場合には、最初のときのことを一切頭から外し、最初のときとまったく違ったイメージで対応に出ることが効果的である。相手に「やっぱり印象通りの人だ」と悪い印象を強めさせることを阻止するために、自分の新しい一面を見せたりして、新しくて好ましい印象を強く焼きつけることを心がけるのがよい

間接的自賛

自分と共通している人(職業や趣味などさまざま)を誉めることにより、間接的に自分を誉める。これを間接的自賛という。間接的に自分を誉めるといっても、相手が自分に対して好印象をもつことから間接的となっているのであって、自分から自分を誉めているわけではない――その場合には単に自賛となる。間接的自賛は自賛において自然さを演出する。この心理は無意識に起こっている場合もあると思う。人の基本的な栄光浴、自分との類似性が高かったり、自分に対してよくしてくれた人には他の面でも好ましい印象を与え、相手を全体的に高評価する無意識の心理があると考えられる。この心理を意図的に使う場合の二つの例を以下に書く

(例1) 友だちがいいやつだから自分もいいヤツだとそれとなくアピールする

(例2) まず自分と共通している人を人格が素晴らしいと誉め、その人との共通がいかに大きいか、その人との交流がいかにあるかなどを話す。この順序にすることでより自然さを演出できる。また、自分と共通している人を誉めることを最後にしてしまうと、相手には自分より自分と共通している人のほうが印象に残りやすい。よって、その人との共通がいかに大きいか、その人との交流がいかにあるかなどを話すところにおいても、自分を話の主体に持ってきて、相手に自分のイメージを植えつけることを心がけたほうがよい

 


 

異性に好感がもたれるのは、男性が身長、女性は体重、という研究結果がある

誠意

最も人に影響を与えるのはなにより誠意であると思う。誠意はいつのときも相手に影響を与える。だから何かをしてもらいとき、承諾してほしいときに、言葉の前に誠意を付けるのが望ましい

/a 誠意

(α) 話すときや聞くときは体ごと向ける

(β) 誠意を人に表すためには、まず自分が相手に対して誠意を持つ努力が欠かせない

(γ) 反復誠意承諾(“反復”)
相手にとって無理な事でも、二回反対すれば気持ちがゆらぐ。二回目からの要求は条件を変えるなどの小細工は必要だが、反復要求は一回だけの要求より承諾率が高まる。これを反復承諾という。特に誠意を強調させて反復要求し続けることを反復誠意承諾という

/b 傾聴の重要性

誠意を相手によく伝えるのはまず聞く姿勢。人の気持ちを察しなさいといわれる。でも、人はわかったつもりになることはできても、本当に気持ちがわかることはできない。だから、相手に誠意を示すために、「あなたの気持ちが本当にすべてわかるわけではないけど、わかろうという努力はしています」、それを態度で示すこと。相手の話を聞いてあげるというのが、まさにその態度なのだ

 


 

目は口ほどにものを言う。何もしゃべらなくても、「好きだよ、好きだよ」という波動を目で送り、見つめていたらいい

手間の受動性/手間の能動性(“思い入れ効果”)

時間やエネルギーなどの「手間」を自分が負う場合には手間の能動性、「手間」を相手に負わせる場合には手間の受動性になる

人は、特に好意をもっている人(恋人など)に頼られると、「しかたがないなあ。私(俺)がいなくちゃダメなんだから」という心理がはたらく。恋愛関係において手間や面倒は、自分は信頼されているという確認と、自分はその人のためになっているという満足感を与える効果があり、それによって好意性が高まるといえる。手間の能動性は、自分の、相手に対する好意が高まり、手間の受動性は、相手の、自分に対する好意が高まる効果がある

a 時間とエネルギーを使い、またそれをさりげなくアピールする。例えば少し遠いレストランに行ったりとか、手書きのラブレターを書くとか、「タクシーがつかまらなくて困ってるの。迎えに来てくれない?」とか。この時間とエネルギーを相手に使わせることで自分の価値を相手に再認識させる効果がある。手間の受動と能動は一方に偏ることなく、バランスが大事である

 


 

関連するものに“非言語コミュニケーション”がある

無所持の希求性

人は、恋愛において自分(同姓)にはないものを求める心理がある。これを無所持の希求[ききゅう]性という。例えば、男性が考えるいい女とはセクシーなタイプやお嬢様タイプであり、どちらも男性にはない女性の特質である。一方、女性がいい女として考えているのは、クールなキャリアウーマンタイプであるという。このクールなキャリアウーマンタイプは男性にとっては自分たちの特質が含まれているため、さほど魅力は感じにくいのである。“自分にないもの”には、手に入れたいという“所望”と、自分は手に入れたいわけではないが周りにそれを求める“他人希求”の二つがある。恋愛において“自分にないもの”を求めるものには、どちらかというと“他人希求”のほうであるといえる。しかしこの“所望”と“他人希求”に共通していることは、やはり自分にないものを求めているということである。相手がもっていないからといって、相手がそれを求めているかどうかはまた別なのだ。相手がもっていなくて、かつ求めているものを自分がもつということであれば効果的といえる

昼夜の感情高低(“連合の心理”)

夜は昼に比べて気分が高揚しやすく、情熱的になりやすい。これを昼夜の感情高低という。一つには、夜は外の世界と遮断されて、自分自身を見つめるのにいい環境だからである。また、暗いという心理的不安と、人との接触が夜は少ないため、孤独も生みやすい。また、人は体内に日時計をもっていて、それに基づいて生活している。この体内時計は一日二十五時間だが、昼と夜を区別していて、体内では夜は眠っている時間である。その時間に起きていると、昼間とは違って生理的に高揚した状態となるのである。お互い情熱的になりたいときや、告白なども夜にしたほうが効果的だといえる

パーソナルスペースのフィードバック(“対人的証明”)

パーソナルスペースに侵入されたときに嬉々の感情をもたらす要因は、その人が相手に少しでも好意を抱いているからであるといえる。恋人同士ではいつもくっつき合っていて、お互いのパーソナルスペース侵入に嫌悪の感情を抱く場合はないだろう。つまり、好意⇒頻繁に侵入を許している、この構図をフィードバックするのである。パーソナルスペースに侵入した状態で話をすることで、相手を自分へと意識させ、恋人関係の距離を先につくることを、パーソナルスペースのフィードバックという。この心理を使うには、例えばお店などに好意をもっている相手と行ったとき、テーブル席よりカウンター席のようななるべく身体的に相手に接近できる状態を維持できるような席にするのが効果的である

肯定と共鳴の好意性

人は自分を肯定してくれる相手を好きになる心理がある。これを肯定と共鳴の好意性という。ここには肯定を中心とする三本柱の対人手法がある。その三本柱とは、支持[共感]、肯定、称賛である。いずれも好意をもたらす基本的なものである

暗闇と本能[暗闇における心理的効果]

人間は明るいところでは理性的に、暗いところでは本能的になる傾向がある。これを暗闇と本能という。本能的になるということは、相手に色情を抱きやすくなったり、自己開示をしたくなったりする。つまり欲望やホンネがストレートに出やすくなるのだ。一方で、人は暗闇に恐怖を感じるので、誰かと一緒にいたいという気持ちが高まることにより、相手との親密性が高まる。恋人との暗闇デートはいつもより燃えたいならば効果的である

»#a-t

●2/相和の形成

相和[あいわ]の形成。相手と仲良くなるにはどのような手段があるだろうか。ここに好意は含まないが、お互いに関連するものである[好意承諾]

相和に関わる三つの原理がある

・人は知らない人に対しては攻撃的、批判的冷淡になる
・人はその人を知れば知るほど好きになる傾向がある
・人はその人の人間的側面を知ったとき、好意をもつ

つまり、人はお互いを知れば知るほどコミュニケーションはとりやすくなる

»#kar

可憐効果

自分の弱い部分をさらけ出すことを可憐効果という。すがるとか、君なしでは生きられないとか、そうゆう弱さみたいなものをぶちまける。例えば「愛しています」じゃなくて「愛されたい」(願望形の相和効果“話法”)

自己開示

/a 自己開示の相和効果

自己開示になぜ相和効果があるのかというのは、自己開示は可憐効果(直上)をお互いにしっかり認識させるからである。自己開示は相手への信頼と好意を示している。そして自己開示には、返報性のルールがあるからである

心のドアは内側からしか開かない。心のドアの取っ手は、内側にしか付いていない

(例)

初対面からいきなりの自己開示の中でも、例えば「個人的なことで少し相談に乗ってほしいのですが」といわれたら、信用されて相談をもちかけられたことをうれしく思う気持ちより、個人的な相談は少し気が重いなと感じる気持ちのほうが大きいでしょう。自己開示にもタイミングというものがあり、初対面からある程度話して、そこからさらに一歩近づきたいと思ったときが機である。そのときでなら「個人的なことで少し相談に乗ってほしいのですが」という自己開示も有効であるというものだ。対人においてなにかを切り出す“タイミング(機)”というのは、思いのほか大事であると思う

/b 自己開示と警戒緩和

自己開示が相手の警戒を解く効果を自己開示と警戒緩和という。最初に相手の個人情報を聞こうとせず、自分のことをしゃべって場をなごませ相手の警戒心を解くのが相和の第一歩であるといえる

(例) 名刺などを渡して個人情報を開示する。その際、自己開示アピールをしっかりすることは大事である。テーブル越しなどの物理的障壁や距離のある渡し方ではなく、必ず真正面の対人距離で渡すほうが望ましい

相手が失敗談を話してくれたら、あなたと今まで以上に親しくなりたいと思っている証かもしれない。相手に対する見栄を取り払い、自分のプライベートな部分を打ち明けるのは、自分をより深く理解してもらいたいという欲求の表れだからだ。失敗談も一つの自己開示であるといえる

»#aww

/c 私、実は話法

「私、実は……」と話し始めることは、自己開示をし、返報性のルールからお互いの相和が深まる効果的な話法であるといえる。この話法は、言い換えれば相手に本心を打ち明けさせる話法であるともいえる

/d プライバシーの親密性

人は自分の身内や親しくしている人のことに触れられると、心が動かされる。そして相手ともその感情を共有しようとし、不意に協調性や連帯感をもつようになる。つまり、プライバシーに関わる情報というものは、人間関係に大きく影響を与え、関係を深める効果がある。これをプライバシーの親密性という。例えば、ふだんは厳しいと思っていた会社の役員に、廊下でふと「ご両親はお元気かね」などといわれた部下は、厳しいという印象は覆されて、きっとその役員のことを「案外いい人なんだ」と思うようになるでしょう。プライベートな話題を共有することはお互いの親密性を深める

 


 

尊敬の相和効果(“尊敬”)
相手を尊敬する。相手を尊敬することによって相手と仲良くなりたいという気持ちが発生する

願望形の相和効果(“話法”)
「~したい(利他心であること)」や「~されたい」などの願望形には相和効果がある
この効果は、自己開示と同じであり、可憐効果(“相和の形成”)に包摂されている

»#ask

信頼効果

相手を頼りにし、信頼することによって、相手は「よく思われたい」という気持ちを抱く。そこからの称賛効果(“好意承諾”)は効果的である

 


 

ね話法(“話法”)
「~ね」という言い方は言い切る言い方よりも優しい印象を与え、親近感をもたらす

連帯と相和(“連帯効果[協力]”)

集団を形成することにより、仲間意識が生まれ、仲間に好意を抱くようになる

a 親和欲求
二人以上の集団において、共通の目標をもたせることや共通体験を増やすことは、自分たちだけの共通認識や秘密部分が増えることになり、お互いの親和性を高める効果がある。これを親和欲求という

(原理) 人は不安や恐怖を感じると、同じような境遇の(同じ不安・恐怖を感じている)人と一緒にいたいと思う。これは共通体験をしているというのが重要なのである。だから、例えばデートの途中でガラの悪い人たちに囲まれたりしたら、彼女の前で強く出るのもかっこいいかもしれないが、この心理では一緒に逃げるというのも恋愛には効果的であるということを意味している
この心理は恋愛関係において好意承諾にも使える。同じ目標をもつことでお互いの親和性が高まる

冠婚葬祭の記憶

冠婚葬祭のような一生に何度かしかないような重要な体験は、人の心にとても強く残るものである。そして、その記憶は鮮明で、まわりの人が思っている以上に心に刻まれ、何年経っても忘れることはない。過去のことで今もなお鮮明に記憶に残っているものというのは、たいてい一生忘れないような出来事なのである。このことに気がついている人こそ人間関係を大事にできる人であるといえる。相手の気持ちに共感できるというのは、人と人の関係においてもっとも大切なことである。そしてそのときのことはいつまでも記憶に残るので、冠婚葬祭のような重要な出来事のときに一緒にいた人というのは、どれだけ自分を思いやってくれていたかという印象から、その後の信頼感が大きく変わってくると考えられる。仲良くなりたい人や、一生の友達になりたい人がいたなら、その人の冠婚葬祭には必ず出席すべきだ。それにより人間関係を深めることができるでしょう

リラックスの相和効果

初対面でも、ある程度時間が経過すると、打ち解けた感じになってくる。その際は、最初の姿勢とは違った姿勢をとるのが対人親密性を深めるのに効果的である。いつまでも最初と同じ姿勢では、初対面での緊張感を解放できないまま、お互いの関係を緊張のなかに閉じ込めてしまうことになるだけでなく、相手に「固い人だな」という印象を与えかねない。そこから一歩進んで相手とのやりとりを深めるためには、こちらのほうが先に武装解除する、つまりリラックス状態にして雰囲気を和やかにすることが大切である。例えば、家に来客があった場合、また、パーティーの席などでは、ホストは、「どうぞ膝を崩してください」と先に客に声をかける。ホストが先にリラックスすれば、周囲の人間も同じようにリラックスできるものだ。これはどこの席でも同じこと。相手に自然に心を開かせるには、まず自分が心を開いてその場の雰囲気作りをすることが大切である。対人関係は相互的なもの。相手の出方を見て動くのではなく、自分がリードしながら先導的相互コミュニケーションを展開するように心がけることが望ましい

食事の相和効果

人間は仲間と食べることを好む動物で、深層心理から見ても、食べるという原始的な営みを共にすることは、強い影響を及ぼす。食べるという行為は、緊張をやわらげ、親近感を生み、相手に対して受容的な気持ちにさせる。食事を共にすることで相和形成をもたらす効果を食事の相和効果という。例えば、交渉の場所が自分のオフィスであれば、食事とまではいかなくても、お茶やお菓子を薦めると望ましい。また、昼時にかかるような時間にセッティングして、昼食を共にする手もある。日本では夜の宴会、アメリカでは「パワーブレックファスト」「パワーランチ」といって、食事をしながらビジネスの打ち合わせをするのがかなり一般的である。これも、食べるという営みがもたらす効果を十分考慮したシステムであるといえる。ちなみにアメリカでは、夕食は仕事関係ではない家族や恋人と、また、気の合った仲間ととる習慣がある。会社以外の人間関係を重視しているのだ。食事を共にする行為はまさにインフォーマルな関係を促進する

名前呼び

名前で呼ぶことで親密性を深める。特に上の人が下の人、例えば社長から社員へ名前呼びをすると「この人が自分のことを知っている」と感動を覚えることすらある。恋人間では、あだ名で呼ぶことが好ましい。ある人だけが自分に対して呼ぶ名前を付けるものは印象に残りやすい

 


 

自分の誕生日を覚えられているというのはうれしい


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