高低差

一つのものとその周りのものの高低差を考える

状況の高低差、対人関係の高低差はなにを生み出し、そしてどのような効果をもたらすのか

ありがとうお礼に効果(“好意の返報性のルール”)を応用した効果である。相手が自分(自ら)を上げてきたら、自分はそれに乗っからずに高低差をつけておく。または意図的に自分で高低差を付ける。高低差効果と高低差戦略は互換性があるといえる。関連するものに“コントラストの原理”がある

高低差効果

この高低差効果の原理や効果についてはまだまだわからないことが多い。“好意の返報性のルール”や高低差を併用した効果である。ただ一つ分かることは、高低差は、差が大きければ大きいほど、好ましい結果をもたらすということである。原理についてはおそらく下の(b)の心理が参考になるかと思う

a 「じゃあ」を「ありがとう。お礼に」に言い換える

a-例 「サービスであげる」に対しては「じゃあ私もサービス」と言うのではなくて、「お礼に私もあげるね」と言ったほうが好ましい結果を生む

b 価値の高低差
周りの価値が低ければ、普通の価値が大きく見える。無意識の心理であり、意図的に作り出せる心理でもある。高低差効果のおよそ原理と言ってよい

»#rit
c 利得現象
叶いそうにもない、達成できそうにもないことのほうが、それが叶えられたときの喜びは大きい。これを利得現象という。喜びの段階から今の段階が遠ければ遠いほど、つまり喜びへの距離が長いほど、喜びにつながったときの嬉々は大きいものである

c-例1 男性が三人の女性をデートに誘ったとき、すぐにデートの誘いに応じた女性は軽い女性とみなされ、あまり好意をもたれなかった。次に、絶対に誘いに応じない女性も、拒否反応から好意はもたれなかった。一番好意がもたれたのは、いつもは簡単に承諾しないけど、あなただから受けるわ、という態度を示した女性だった
この心理によれば、否定的な態度もうまく使うことによっては、より大きな好感を得る種石になるということを表している。ここにはまさに高低差効果やコントラストの原理がはたらいているといえる

c-例2 出会ったときから好きだ好きだという態度を示されるよりも、最初は無関心だったのが、次第に関心を示されるようになったほうが、より好意性は高まる結果になる。手に入らないと思っていたものが、突然手に入った喜びと同じように

高低差戦略

高低差戦略は意図的に自分が高低差を付けることをいう。ここにおいて重要なのは、低差を付ける(自分を低める)場合においては、コントロールさせるということである。自分を下にさせることで、相手に「私がコントロールしているんだ」と思い込ませ、いい気を与える。自分を下に見させる代表的な例は、下の戦略的服従がある

a 戦略的服従
相手に貸しを作り、それを口実に今後の交流・相和に活かす

a-例 わからないふりをして教えを請う⇒お礼に食事などに誘う

»#k-k

強調効果

強調によって高低差を生じさせる

a 主高強調効果
強調させたい主となるものを高めることで強調させる効果。強調させたいものが自分であった場合は、自分の程度を高めることがこの効果にあたる

b 副低強調効果
強調させたい主となるもの以外の周りの物[副]の程度を低くさせることで、強調させたいものが際立つ効果。強調させたいものが自分以外のなにかであった場合は、自分の程度を低めることがこの効果にあたる

――

これはつまり、周りを下げるか、それとも自分が上がるかという問題である。これらの効果を充てるものは人や物などさまざまあるが、特に人対人における場合には物対物のように単純に物理的にも心理的にもうまくいくわけではない。たとえば副低強調効果を例にあげると、人対人の場合かつまた自分を強調させたい場合にこの効果を使うということは、要するに周りの人たちを蔑み、貶め、低めることで自分を目立たせるということである。それは確かに結果として強調はされるだろうが、けして良い意味での強調状態ではない。これらの効果を人対人に応用するときには目的達成のために十分に配慮が必要である。一般に言われていることは、周りを下げて自分を上げようとするのではなく、周りを認めて自分を強くしていくほうが望ましい、というようなことだ


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