希少性

物や事柄に希少価値を付加することによって魅力を高める

原理[心理的リアクタンス/ロミオとジュリエット効果]

»#s-r

人間は、すでに持っている自由を失うことを嫌う心理がある。そして自由が失われそうになると、それを欲すようになる。これを心理的リアクタンスという。周りが圧力をかけることが逆効果になって、より強力な逆方向に傾いてしまうロミオとジュリエット効果も、心理的リアクタンスに包摂されているといえる。手に入れる機会を減少させ、しだいに自由が失われていくように働かせるのが希少性の原理である。心理的リアクタンスの原理も以下に書く

a 心理的リアクタンスの原理

人は、自分のことは自分で自由に選択し、決定したいと思っている。そこで、ある行動を人から強いられたり、選択を拒否されたりすると、選択の自由を奪われたと感じる。すると、その奪われた自由を取り戻したいと思うのである。この反発により、その対象への反対の傾向、つまり、拒否されれば逆に魅力を感じるようになるのである

希少性のコツ

自然に(必然的に)発生した真の希少性と、承諾誘導の実践家がでっち上げた類の希少性との違いを考えてみるとよい

(例) すでに売り切れてしまったと告げ、相手がより欲しがれば、購入のコミットメントをさせてから在庫があったと告げる

»#tok

特別感

a 特別感の演出はモチベーションを上げる

b 希少性と期限
最終期限の戦略を使う。独占、特別、公開、終了、近し、など。あと残りわずかしかない、という属性を植えつけることで希少性を高める
b-例 「あっという間に時間が来てしまいました。最後にですね、~」

自尊心と末路(“自尊心”)

製品が売れなかった場合の末路に相手の自尊心を刺激する要素を取り入れる

(例-1) 写真店で「数あるお子様の写真の中でお買い求めいただかなかったものは、24時間以内に焼却させていただくことになっております」

(例-2) 「他にもたくさんの方にお会いしなくてはなりませんので、一家庭につき一度しかお伺いすることができません」

二重の希少性

希少性を二重に張ることを二重の希少性という

(例) 牛肉の供給が少なくなりそうだ、という情報を与え、さらにこの情報はまだ極秘で、独占的な連絡網から入手した貴重な情報であると伝える

既存権利の消失と希少性

一度も所有したことのない権利を欠くというものより、既にもっている権利を失うことのほうが希少性の心理はより強くはたらく。これを既存権利の消失と希少性という

最初はたくさんあったのに少なくなってしまった場合のほうが、最初からずっと少なかった場合よりも希少性の心理は強くはたらく

喜びは希少品を所有することにある

喜びは希少な品を体験してみることにあるのではなく、それを所有することにあるのです。この二つを混同しないことが大切です。希少性はそれを求める気持ちを高めることはできても、それを所有後にも、よく感じさせるまでには至らないということです

競争の希少効果(“連帯効果[競争]”)

お客を一点に集中させて、限られた資源を求めて競争する雰囲気を作り出す。競争が生み出す希少性を競争の希少効果という。そして、先に来たお客の前で、後に来た客にこう言う

「申し訳ありません。こちらの方が先にいらっしゃったものですから、この方が先に見てしまわれるまで少しそこでお待ちいただけないでしょうか?」

»#k-w

希少話法

~だけ、~しか、など。このような言葉を用いることによって希少性を高める。この心理を包摂しているのが“誘導[示唆/誘発]”である


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