自分や相手の注意を特定の物事へ引く、または意図的に特定の物事を想起・強調させることを注意誘引という。どのようにして注意誘引を行うか。関連するものに“誘導[示唆/誘発]”がある
印と注意
その物事を連想させるような“印”を置くことによって物事を思い出させる。この心理はほぼステレオタイプ(“用語解説”)に属すほど、当たり前の心理といえる
原因産出理論
何かを達成するために、その何かを絶対にやらなければならない「原因」を自ら作り出すことで達成することを原因産出理論という
(例) 毎日掃除したいのなら毎日わざと汚す
興味の探求
興味を引かせるためにはどうしたらよいか
(例) とある幼稚園では、園児たちに静かにしてほしい時に、先生はあえて小声で話しはじめるという。すると子供たちは、話を聴くために、「静かにしよう」と自主的にお互いを促すそうだ
異様効果
異様感を演出する
a 原理
異様感は強調性を高める。周りと違うという異様感を作り出すと、対象のものが強調されやすい。例えば、満員電車では隣の席に人が座っていてもなんら気にならないが、ガラガラの電車で隣同士の席では異様感がある、つまり際立って見える
b
例えば、分かりにくいものがあれば、分かりやすいものたちの中に紛れ込ませて注目させる。これとは逆の方法で注目させるものもある。つまり、要点は要点らしく抜き出したりまとめとしたりすれば注目を浴びることができる。普通のものの中に紛れ込ませていると気づかれにくい。どちらにも共通していえることは、つまりは異様感を演出するということである
c 関連するものに既知の好意性(“好意承諾”)がある
よく知っているものに対して好意を抱きやすい。分からないものの中で一つ分かるものがあると、それに対して好意を抱く
強調効果(“高低差”)
a 主高強調効果
自分の程度を高めることで強調させる効果
b 副低強調効果
他方の程度を低くさせることで、強調させたいものが際立つ
意識と注意(“執着”)
執着があるものや好きなものには、特に意識がいきやすい。これを意識と注意という。意識がいくということは、その物事が起こっていることを強く再認識させることになる。また、意図的に意識を引きつけることにも応用できる
(例) アルバムを聴いていながら何かをしているとき、好きな曲が流れるとそのときだけ音楽が流れていることを普段より強く意識するようになる