夏の暑い日のこと、
試験勉強をしていたオレは、息抜きの散歩と空腹を満たすために、５分ほどのところにあるコンビニまで歩いていた。
たしか夜中の３時過ぎだったと思う。
街灯の明かりもまばらで、周りは真っ暗。
もちろん周りには人っ子一人いない。
不意に聞こえるカラスの鳴き声がいやだなぁと思って歩いていると、ふと真っ暗な道を前から誰かが歩いてくる。
しかも、壊れてオンオフを繰り返す街灯が照らす影をみると、１mぐらいしか身長がないように思える。
子供か？
と思った途端すごく怖くなった。
この時間子供がひとりで歩いているなんて考えられない。
やばいと思いつつも、怖がっていることが悟られないように平静を装った。
その人影が近づいてくる。
しかしそれは子供ではなく、腰が六十度ぐらい曲がったおばあさんだった。
おばあさんは、緊張でぎくしゃく歩いているオレを無視して無表情で通りすぎていった。
それはそれで怖かったが、年寄は朝が早いから散歩をしていたんだなと自分自身に言い聞かせた。
「なんだよばばあ。びびらすなよ」
と思って後ろを振り返ると、通り過ぎたと思っていたばばあがオレの真後ろに立っていた。
そして、オレの目を見てニヤッと笑った。
びっくりしてその場から必死で逃げ出した。
逃げ出したオレを見たばばあは、
「逃げるなぁー!!」
と信じられないくらいの声で叫んでいた。
もう霊とか実物とかなんてのはどうでもいい。
とにかく怖かった。
TOP