目次
●0/連帯効果[協力]
集団をもって類似したことを協力してこなす
連帯と相和
集団を形成することにより、仲間意識が生まれ、仲間に好意を抱くようになる。原理は類似性(“好意承諾”)
/a 親和欲求
二人以上の集団において、共通の目標をもたせることや共通体験を増やすことは、自分たちだけの共通認識や秘密部分が増えることになり、お互いの親和性を高める効果がある。これを親和欲求という
a-原理 人は不安や恐怖を感じると、同じような境遇の(同じ不安・恐怖を感じている)人と一緒にいたいと思う。これは共通体験をしているというのが重要なのである。だから、例えばデートの途中でガラの悪い人たちに囲まれたりしたら、彼女の前で強く出るのもかっこいいかもしれないが、この心理では一緒に逃げるというのも恋愛には効果的であるということを意味している
この心理は恋愛関係において好意承諾にも使える。同じ目標をもつ(共通体験をする)ことでお互いの親和性が高まる
a-1 不遇の親和欲求
親和欲求は、トラブルや苦労を共に体験することでも生まれる。共に耐えているという一体感は、感情的結びつきを強める。また、トラブルは恐怖感を伴い、そこで人は誰かと一緒にいたいという親和欲求が強くなるということも、原理として考えられる
a-1-例 試しに、被験者に高温多湿の暑苦しい部屋で対人評価をしてもらうと、評価対象の人にはあまり好意をもたなかったが、一緒に実験に参加した人に対しては好意をもつという結果になった
連帯効果の副作用(敵対不和)
集団間で簡単に不和を生み出す方法がある。われわれ対彼らに分ければいいのだ
・副作用を鎮める方法
集団間の敵意を弱めるためには、共通の目標を発生させ、お互いを協力させればいい(包摂療法“解決”)。これは集団間だけではなく嫌いな人との人間関係修復にも効果的である
連帯の不断効果
集団では逆に決断力が落ちる。これを連帯の不断効果という。解決法はリーダーを作ること。構想を練るのは皆で知恵を出し合ったほうがいい。だが決断するのはいつも一人だ
連帯と好意
人はより多くの人から好意を得たいと思う。これを連帯と好意という。連帯から誘われると断りにくい。多すぎてもダメだ。誘う人が2~3人ほどがちょうどいい
集団嗜好性[身びいきの心理]
自分が所属している集団を無意識のうちに身びいきする傾向を、集団嗜好性という。集団への身びいきは結果として集団への執着心を高めるため、集団結束においてはこの“同じ集団”であるということを強調することが効果的である
/a 自我関与効果[インボルブメント効果]
人は関係者には好意的になる傾向をもっている。一緒の場で話をし、グループになれば、そこに関係している人は普通の場合よりも好意をもつ。この状態になると、関係者内(集団)においての相手からの評価はそれぞれ客観的ではなく、かなり身びいきになる。これを自我関与効果という。集団嗜好性の原理であるといえる
●1/連帯効果[競争]
集団が生む競争効果について
【競争社会】
教師は教室の一番前に立ち、質問をする。数十名の子どもたちはいかに自分が利口であるかを示そうとして一斉に手を挙げるが、教師が一人の子どもの名前を呼ぶと、指されたことを望んでいた他の子どもは、失望と動揺の色を隠せない
このゲームはきわめて競争の色彩が強い。なにせ、子どもたちはこの世の中で数少ない重要な人物の一人から、愛と称賛を得ようと争っているのだから。おそらくこのシステムでは、子どもたちの中で、他方は嫉妬や不快の念を覚え、他方は侮辱したりするようになる
競争の非共有
競争意識が強いと、共有をしたがらなくなる。これを競争の非共有という
競争の希少効果
お客を一点に集中させて、限られた資源を求めて競争する雰囲気を作り出すことで物の価値(=希少性)を高める。競争が生み出す希少性を競争の希少効果という。そして、先に来たお客の前で、後に来た客にこう言う
「申し訳ありません。こちらの方が先にいらっしゃったものですから、この方が先に見てしまわれるまで少しそこでお待ちいただけないでしょうか?」