一方のものによるマイナスイメージは影響を緩和するために、相反するもので相殺・緩和することを相反緩和という。相反するものではない両者が互いに影響を及ぼすものを特に相殺緩和という。関連するものに“回避[断り]”がある。また、この効果を承諾誘導に応用したのが“トロイの木馬の心理”である
称賛と批判の相反関係
称賛と批判は相反関係にあるので、批判によるマイナスイメージを和らげるときは、批判の前に必ず褒め言葉を入れるのが効果的であるといえる。相手の気分を害するのを抑える効果だけでなく、影響も強く与えやすい
嬉々と失望の相反関係
a 一旦承諾
断ることが難しい場合、一旦承諾して期待させてから断ると、失望が少ない
嬉しい指数と失望の指数は反対の関係(ちなみに期待指数は嬉しい指数側)にあり、相殺ができる。期待=嬉しいとはならない。確かに通常、期待が大きいと失望も大きくなる。だから期待する気持ちが嬉しいという気持ちを上回らないように気をつけること。承諾してからは早めに断るようにすることも大事であるといえる
相反緩和
相手がそのようになる原因の相反する属性を植えつけることによって、そのようにさせないこと。これが相反緩和の基本である
(例-a) 電車では誰もが座席の端に座りたいと思う。そこで相手が端に座ったあとで自分がその隣りに座ると、相手は席を立たないことが多い。相手を良い所に置いて動きたくない気持ちにさせた上で、その隣へ近づく。自分が接近したことによる嫌悪感を、動きたくない何らかの要因で相殺する
(例-b) 相手が自分に対して怒っているとき、怒らせた原因を“相手のため”ということを強調した理由にする。例えば、アイロンがけをしなかったことについて相手が怒ったら、「ごめんなさい。でも最近はアイロンがけをしなくても大丈夫な洋服が出てきているんだよ。僕は時間を有効に使いたい。昨日はアイロンがけをする時間をあなたの誕生日ケーキづくりにまわしたかった」
否定形による否定の緩和
罵倒や否定をしたいけど、でもストレートに言って相手を傷つけたくない場合、誉め言葉の否定系を使うとよい。例えば「ダサい」と言いたいなら「美しくない」