なにかの金属片を誤って飲み込む・・・
そんな夢をみることが、連日続いていた。
喉の奥でこう、硬く鋭利なものが意に反して食道を滑りこんでいく。
そんなリアルで嫌な感触が、目を覚ました後もしばらく残っている。
それはもう、寝てる間に本当に何か飲み込んでしまったんじゃないか?と思えるほどであった。
ある朝、やはり同じ夢を見て目が覚めた男は、喉に残る嫌な感触を払おうとトイレに駆け込んだ。
喉に指をつっこみ、ゲッゲ、ゲッゲと吐き戻そうと試みたが、所詮は夢だ。実際に喉から何かが出てくることはなかった。
その後も、男の安眠妨害は嫌な夢によって連日毎朝続いていた。
どうにかしなければこのままではマズい。そう思った男は、半ばムキになっていつもより強引に指を喉に突っ込んだ。
すると、咳といっしょにちょっぴり血が混じった痰が出てきた。よく見てみるとその痰には、なにか小さな虫の足のようなものが一本混じっていた。
男は背筋が凍った。
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――ネタバレ――
毎晩G(ゴキちゃん)がのどの奥に入っていっていたのだ。